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第五章 それは日々の話
2 雫石さんと髪の美容液 成人
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「こちらの瓶も綺麗だけれど、何かしら?」
「髪の毛につけるんだよ。」
「へええ。あら、いい香り。」
お土産の紙袋に入ってる瓶の蓋を開けて、雫石さんは言った。いい匂いだよね。俺も、その匂いは好き。
「髪の毛につけると、つるつるさらさらになる。」
「あら、いいわね。」
「緋色のお土産。つけてあげる。」
「へええ。緋色さんが私にこれを?へええ。」
雫石さんは、瓶を持ってまじまじと眺めながら言った。へええって二回言ったなあ。
俺が右手の平を上に向けて出すと、雫石さんが瓶を傾けて美容液を少し乗せてくれた。ちょっとひんやりしてるから、ぎゅっと握って温める。こうすると、もっとつけやすくなって、いい匂いも強くなるんだよ。半助が教えてくれたんだ。
床に座った雫石さんの後ろに立つと、部屋に控えていたいつもの侍女さんがすっと寄ってきて、雫石さんの長い髪を緩くまとめていた髪留めを外した。
「あ、ありがと。」
髪留め、忘れてた……。
美容液の馴染んだ手で、雫石さんの髪の毛を触る。雫石さんは、髪の毛もふわふわなんだなあ。緋色はふわふわじゃないから、ちょっと違う。
優しく髪を掴んで手を滑らすと、ふわふわが収まってしっとりしてくる。色んな場所に何回か手を滑らせて、撫でる。うーん、いい匂い!
「もう少しくださいな。」
俺が手を出すと、すぐ近くで見ていた侍女さんが瓶を持ち上げて手の平に落としてくれた。
「ありがと。」
「いえ。」
侍女さんはいつも通り、あんまり表情は変わらないけれど近くから離れないし、俺が触った髪をまじまじと見てる。
また、手を握って美容液を温めていると、雫石さんが手で自分の髪を触って、ほうっと息を吐いた。
「成人ちゃん、これとってもいいわ。」
「気持ちいい?」
「ええ、とっても気持ちいい。それに、髪の毛のふわふわが収まってつるつるよ。」
俺は、雫石さんのふわふわな髪の毛が好きだから、ふわふわのままでもいいんだけどね。
雫石さんが嬉しいなら良かった!
「素敵な物があるのねえ。」
「緋色がね、商店街でも買えるようにするって。」
「へええ。緋色さんが、こんなものをねえ。」
とても気持ち良さそうにしている雫石さんが、またへええって言った。
「髪の毛につけるんだよ。」
「へええ。あら、いい香り。」
お土産の紙袋に入ってる瓶の蓋を開けて、雫石さんは言った。いい匂いだよね。俺も、その匂いは好き。
「髪の毛につけると、つるつるさらさらになる。」
「あら、いいわね。」
「緋色のお土産。つけてあげる。」
「へええ。緋色さんが私にこれを?へええ。」
雫石さんは、瓶を持ってまじまじと眺めながら言った。へええって二回言ったなあ。
俺が右手の平を上に向けて出すと、雫石さんが瓶を傾けて美容液を少し乗せてくれた。ちょっとひんやりしてるから、ぎゅっと握って温める。こうすると、もっとつけやすくなって、いい匂いも強くなるんだよ。半助が教えてくれたんだ。
床に座った雫石さんの後ろに立つと、部屋に控えていたいつもの侍女さんがすっと寄ってきて、雫石さんの長い髪を緩くまとめていた髪留めを外した。
「あ、ありがと。」
髪留め、忘れてた……。
美容液の馴染んだ手で、雫石さんの髪の毛を触る。雫石さんは、髪の毛もふわふわなんだなあ。緋色はふわふわじゃないから、ちょっと違う。
優しく髪を掴んで手を滑らすと、ふわふわが収まってしっとりしてくる。色んな場所に何回か手を滑らせて、撫でる。うーん、いい匂い!
「もう少しくださいな。」
俺が手を出すと、すぐ近くで見ていた侍女さんが瓶を持ち上げて手の平に落としてくれた。
「ありがと。」
「いえ。」
侍女さんはいつも通り、あんまり表情は変わらないけれど近くから離れないし、俺が触った髪をまじまじと見てる。
また、手を握って美容液を温めていると、雫石さんが手で自分の髪を触って、ほうっと息を吐いた。
「成人ちゃん、これとってもいいわ。」
「気持ちいい?」
「ええ、とっても気持ちいい。それに、髪の毛のふわふわが収まってつるつるよ。」
俺は、雫石さんのふわふわな髪の毛が好きだから、ふわふわのままでもいいんだけどね。
雫石さんが嬉しいなら良かった!
「素敵な物があるのねえ。」
「緋色がね、商店街でも買えるようにするって。」
「へええ。緋色さんが、こんなものをねえ。」
とても気持ち良さそうにしている雫石さんが、またへええって言った。
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