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第四章 西からの迷い人
108 ご飯を食べる 成人
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楽しそうにしていた壱鷹が部屋を出ていった。しん、とした室内。弐角はお腹がいっぱいで眠たそう。隣に座った弐藤が優しい顔でそれを見ている。
ふふ。仲良しなんだな。
「料理を食べないなら、そいつらを元の部屋へ戻せ。」
動きの無い大広間を見て、緋色が言った。せっかく、準備したご飯が無駄にならないように並べてあげたのに、誰も食べようとしないんだもん。
「食事は、使用人たちで順番に食べて、片付けろ。」
そうだね。
こんなにたくさんの料理なんだし、片付けも大変だ。お皿もたくさん洗わないとならない。今からだから、帰りはずいぶん遅くなる。なのに、この人達は捕らえておかなくちゃいけないから、つまり朝ごはんもたくさんいるわけで……。
「急がないと、大変だあ。」
俺の呟きに、弐藤がくすりと笑った。
「使用人のことまで気を配ってくださる。」
「緋色は優しいからね!」
「成人さまもですよ。」
俺は優しくないよ。
俺の大事な人が幸せならそれでいいと思ってる。みんなのことなんて考えてないから。
緋色を見上げると、変な顔でこちらを見ていた。
「なに?」
「いや、別に?」
「優しい、なんて生まれて初めて言われたから、脳みそが処理しきれてないんでしょ。」
近くでご飯を食べていた常陸丸が、笑いを堪えながら言う。
「え?なんで?優しいよ。」
「まあ、優しいですけどね。」
「はあ?」
「優しいこと、知ってますよ。どんだけ一緒にいると思ってるんです?」
「はああ?」
何か疲れたような顔になった緋色が、がっくりとうなだれる。俺を抱っこする腕に力が入ったので、喜んでくっついた。緋色、大好き。プリン、まだかなー。
そうしている間に、大広間の人が水瀬たちに立たされている。
「食べるから、触らないで。」
そういえば綾女は、ずっとお箸を持ってたなあ。
「この、恥さらしが!」
まだ、八朔与市とやり合っている。あれも、仲良しなのか?そして、怪我してるのに元気だな、あの人。お爺さんって元気なのかな?
綾女が食事を始めたのを見て、座って食べる者も出始めた。
いいと思う。食べられるなら食べといた方がいいよ。
ご飯をしっかり食べないと元気が出ないんだぞって、いつも広末が言ってるからね。
ふふ。仲良しなんだな。
「料理を食べないなら、そいつらを元の部屋へ戻せ。」
動きの無い大広間を見て、緋色が言った。せっかく、準備したご飯が無駄にならないように並べてあげたのに、誰も食べようとしないんだもん。
「食事は、使用人たちで順番に食べて、片付けろ。」
そうだね。
こんなにたくさんの料理なんだし、片付けも大変だ。お皿もたくさん洗わないとならない。今からだから、帰りはずいぶん遅くなる。なのに、この人達は捕らえておかなくちゃいけないから、つまり朝ごはんもたくさんいるわけで……。
「急がないと、大変だあ。」
俺の呟きに、弐藤がくすりと笑った。
「使用人のことまで気を配ってくださる。」
「緋色は優しいからね!」
「成人さまもですよ。」
俺は優しくないよ。
俺の大事な人が幸せならそれでいいと思ってる。みんなのことなんて考えてないから。
緋色を見上げると、変な顔でこちらを見ていた。
「なに?」
「いや、別に?」
「優しい、なんて生まれて初めて言われたから、脳みそが処理しきれてないんでしょ。」
近くでご飯を食べていた常陸丸が、笑いを堪えながら言う。
「え?なんで?優しいよ。」
「まあ、優しいですけどね。」
「はあ?」
「優しいこと、知ってますよ。どんだけ一緒にいると思ってるんです?」
「はああ?」
何か疲れたような顔になった緋色が、がっくりとうなだれる。俺を抱っこする腕に力が入ったので、喜んでくっついた。緋色、大好き。プリン、まだかなー。
そうしている間に、大広間の人が水瀬たちに立たされている。
「食べるから、触らないで。」
そういえば綾女は、ずっとお箸を持ってたなあ。
「この、恥さらしが!」
まだ、八朔与市とやり合っている。あれも、仲良しなのか?そして、怪我してるのに元気だな、あの人。お爺さんって元気なのかな?
綾女が食事を始めたのを見て、座って食べる者も出始めた。
いいと思う。食べられるなら食べといた方がいいよ。
ご飯をしっかり食べないと元気が出ないんだぞって、いつも広末が言ってるからね。
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