【完結】人形と皇子

かずえ

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こぼれ話

気持ちいいこと  成人

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 お宿へ戻る車の中で乙羽おとわと話が止まらない。

「なる。かばは見た?」
「んーん。お昼寝してた。」
「かばもお昼寝するの?」
「うん。だからあんまり見えなかった。」
「残念ねえ。」
「でも、きりんに餌をあげた。」
「え?いいなあ。どうやって?」
「階段上って、きりんのお顔の前に行く。」
「うわあ、すごい。やりたい。」
「んー。」
「え?何?」
「きりんは、可愛くないから。」
「え?可愛かったよ。私、見てきたよ。」
「階段上ると可愛くない。」
「ええ?そうなの?でも、見たかったなあ。」

 俺たちは、話しやすいように隣同士に座っている。車の座席で緋色ひいろ以外の人と隣に座るのは初めてかも?後ろの席の緋色ひいろ常陸丸ひたちまるは狭そう。

「明日、見に行けばいい。」

 後ろの席から緋色ひいろの声が届く。

「え?」

 と乙羽おとわが振り返った。

「今日もあの宿に泊まるんだから、明日も動物園に寄ってから帰ればいいだろう?成人なるひともかばをちゃんと見てないしな。」
「え、嬉しい。明日も行く。」 
「俺も、かば見る。」

 それからはますます嬉しくて、俺はぞうがどんな様子だったかを乙羽おとわに説明して、乙羽おとわはかばのことを教えてくれた。
 動物園でもらった案内書を見たら、奥の方にらくだもいるらしい。まだまだ明日も忙しそう。
 夜ご飯は、お風呂の前に食べた。今日は、天ぷらとかうどんとかあって、刺身をご飯の上に乗せたお寿司も出てきた。すき焼きと茶碗蒸しは今日もあって、今日もすごく美味しかった。
 ご飯を食べたら、お風呂に入る。
 俺は実は、早くお風呂に入りたかった。
 その、あそこが痛くなってきててね。
 緋色ひいろに気持ちいいことを教えてもらってから、たまにそうなる。あそこがいつもより大きくなって、痛くなってくる。気持ちいいことがしたくてたまらなくなる。楽しいことがあった日や、とても甘えたい気分の時。

「気持ちいいこと、したい。」

 お風呂でしがみついて、ちゅーしながら緋色ひいろにお願いした。

「そういえば新婚旅行だったな。」

 緋色ひいろは少し笑って、息もできないほどにちゅーを返してくれた。
 お風呂では逆上のぼせるからと、体を拭いて布団で気持ちいいことをした。
 気持ちよすぎて、途中からはよく覚えていない。
 ただただ緋色ひいろが好きで、これ以上くっつけないほどくっついているのが嬉しくて、気持ちよくて。
 幸せでいっぱいになりながら、そのまま眠った。
 
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