152 / 1,211
第三章 幸せの行方
53 力丸 7
しおりを挟む
村正さまと話を終えて、部屋に案内してもらう。今日から住む部屋だ。一ノ瀬の独り身の者も何人か、許可をもらって住み着いている。部屋を空けていても手入れがいるし、もったいないから、使いたいなら自由に使えばいい、と緋色殿下が言ったらしい。その一角に、俺の部屋も作ってくれた。俺の場合は、緋色殿下の許可をなかなもらえないから、朱実殿下に訴えて、ねじ込んだのだけれど。
成人が兵器だったことは驚いた。色々と、俺の想像の範囲を越えすぎて頭がパンクしそうだった。兵器である、ということはどういうことか、とか考えてはみたけれど、全然分からなかった。成人が色々と知らないなら、俺が教えてやればいいんじゃね?と結論が出たところで、母上が、一緒に買い物に行きたいって言ってたよ、なんて嬉しい情報を教えてくれるもんだから、大急ぎで朱実殿下に連絡をして、離宮に住めるようにしてもらったのに。
邪魔って言うなよなー、邪魔って。
荷物を置いて食堂へ向かうと、成人が昼ごはんを食べかけで舟を漕いでいた。広末が、隣に座って声を掛けていたが、完全に頭が落ちて、諦めたようだ。座椅子にもたれさせ、口の中に食べ物が残ってないか確かめてから、口の回りを拭いた。かわいいなあ、って思ってるんだろうなって顔で作業を終えると、いつの間にか荘重さまも側にいて、成人の鞄を体から外す。
あんなの、さっき付けてたっけ?
赤いボタンが鮮やかな、小さめの肩掛け鞄。飴が入ってんだろうなあ。
成人の頭から落ちそうになった赤い帽子を、荘重さまが被せ直す。
赤色好きだな。貴色なのに身に付けまくってるけど、いいのかな。緋色さまが許してたらいいのか?
荘重さまが成人を、可愛くてたまらないって顔して、大事に抱えて出ていった。今あいつ、幸せだよな。
じゃあ、いいか。
もともとが兵器でも何でも。
結局、成人は、昼寝しておやつ食べたら母上が勉強を教えに来て、俺と遊ぶ時間は無かった。
本人は充実した顔してるけど、俺は大いに不満だ。何だよー、いつでも遊べるようになったのに。
仕方ないから、夜ご飯の後で部屋をノックする。
「成人、風呂に一緒に行こう。」
成人が兵器だったことは驚いた。色々と、俺の想像の範囲を越えすぎて頭がパンクしそうだった。兵器である、ということはどういうことか、とか考えてはみたけれど、全然分からなかった。成人が色々と知らないなら、俺が教えてやればいいんじゃね?と結論が出たところで、母上が、一緒に買い物に行きたいって言ってたよ、なんて嬉しい情報を教えてくれるもんだから、大急ぎで朱実殿下に連絡をして、離宮に住めるようにしてもらったのに。
邪魔って言うなよなー、邪魔って。
荷物を置いて食堂へ向かうと、成人が昼ごはんを食べかけで舟を漕いでいた。広末が、隣に座って声を掛けていたが、完全に頭が落ちて、諦めたようだ。座椅子にもたれさせ、口の中に食べ物が残ってないか確かめてから、口の回りを拭いた。かわいいなあ、って思ってるんだろうなって顔で作業を終えると、いつの間にか荘重さまも側にいて、成人の鞄を体から外す。
あんなの、さっき付けてたっけ?
赤いボタンが鮮やかな、小さめの肩掛け鞄。飴が入ってんだろうなあ。
成人の頭から落ちそうになった赤い帽子を、荘重さまが被せ直す。
赤色好きだな。貴色なのに身に付けまくってるけど、いいのかな。緋色さまが許してたらいいのか?
荘重さまが成人を、可愛くてたまらないって顔して、大事に抱えて出ていった。今あいつ、幸せだよな。
じゃあ、いいか。
もともとが兵器でも何でも。
結局、成人は、昼寝しておやつ食べたら母上が勉強を教えに来て、俺と遊ぶ時間は無かった。
本人は充実した顔してるけど、俺は大いに不満だ。何だよー、いつでも遊べるようになったのに。
仕方ないから、夜ご飯の後で部屋をノックする。
「成人、風呂に一緒に行こう。」
応援ありがとうございます!
147
お気に入りに追加
4,368
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる