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第三章 幸せの行方
16 成人 47
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この部屋は、嫌い。
薬の匂いがするし、ベッドと機械しか無くて、白くて、嫌なことばかり思い出す。
だから、変な夢ばかり見て眠れやしないのだ。
緋色がたまにしかいないし、一緒に寝れない。寒い。寒くて眠れない。
寝てるのか起きてるのかよく分からない暗い時間を過ごす。夜に何度も誰かが来る。緋色でないなら、どうでもいい。そっと頬や手首に触れたり、やっと寝られたのに揺すぶられて起こされたり。うなされていようが何だろうがほっておいて欲しい。右目の下を擦る手を避けたくて、ふいと顔を反らす。
体に繋がる管が減っても、怠さは増していく。
「成人、起きてるか」
「力丸」
その声を久しぶりに聞いて、嬉しかった。
「いきまうって何だよ。ご飯、一緒に食べよう」
ちゃんと力丸って言ったし。
力丸は、お盆の上に色々載せて持ってきていた。お粥、食べる気分じゃ無かったけど、コーンスープなら食べる。氷も。
「シュープ、飲む。氷、食える」
「こおい? ああ、氷? 氷は後だな。それ、食べ物じゃねえし」
後ろから緋色と生松も部屋に入ってきた。
「緋色。緋色」
呼んだら、すぐに近くに来てくれたので右手を伸ばす。寒いから抱っこ。
「どうした? 顔色悪いなあ。眠れないのか?」
抱いてくれたら、やっと体から力が抜けた気がした。ずっと疲れてる。少しでもすき間なくくっつきたい。緋色の目の下にもうっすらと隈があった。
「帰う。ここ、いや」
「ああ、帰ろうな。もう、いいだろう?生松」
「せめて、動けるようになってから退院して欲しいのですが」
ベッドの上の机にご飯を並べていた力丸が、はあ? と言った。
「十分、動けてるじゃないか。手ぇ伸ばして緋色殿下に抱きついたぞ。この前まで、指一本満足に動かせなかったんだぜ?先生、高望みし過ぎだよ」
「やりたいことがあれば、もう少し、動ける筈なんです」
「そうなの? へえ」
少し考えた力丸は、にやっと笑った。
「任せろ。殿下、ベッドに座らせて下がっててください。俺達、二人でご飯食べるから」
薬の匂いがするし、ベッドと機械しか無くて、白くて、嫌なことばかり思い出す。
だから、変な夢ばかり見て眠れやしないのだ。
緋色がたまにしかいないし、一緒に寝れない。寒い。寒くて眠れない。
寝てるのか起きてるのかよく分からない暗い時間を過ごす。夜に何度も誰かが来る。緋色でないなら、どうでもいい。そっと頬や手首に触れたり、やっと寝られたのに揺すぶられて起こされたり。うなされていようが何だろうがほっておいて欲しい。右目の下を擦る手を避けたくて、ふいと顔を反らす。
体に繋がる管が減っても、怠さは増していく。
「成人、起きてるか」
「力丸」
その声を久しぶりに聞いて、嬉しかった。
「いきまうって何だよ。ご飯、一緒に食べよう」
ちゃんと力丸って言ったし。
力丸は、お盆の上に色々載せて持ってきていた。お粥、食べる気分じゃ無かったけど、コーンスープなら食べる。氷も。
「シュープ、飲む。氷、食える」
「こおい? ああ、氷? 氷は後だな。それ、食べ物じゃねえし」
後ろから緋色と生松も部屋に入ってきた。
「緋色。緋色」
呼んだら、すぐに近くに来てくれたので右手を伸ばす。寒いから抱っこ。
「どうした? 顔色悪いなあ。眠れないのか?」
抱いてくれたら、やっと体から力が抜けた気がした。ずっと疲れてる。少しでもすき間なくくっつきたい。緋色の目の下にもうっすらと隈があった。
「帰う。ここ、いや」
「ああ、帰ろうな。もう、いいだろう?生松」
「せめて、動けるようになってから退院して欲しいのですが」
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「十分、動けてるじゃないか。手ぇ伸ばして緋色殿下に抱きついたぞ。この前まで、指一本満足に動かせなかったんだぜ?先生、高望みし過ぎだよ」
「やりたいことがあれば、もう少し、動ける筈なんです」
「そうなの? へえ」
少し考えた力丸は、にやっと笑った。
「任せろ。殿下、ベッドに座らせて下がっててください。俺達、二人でご飯食べるから」
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