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第三章 幸せの行方
2 成人 41
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「青葉は?」
「私ですか?」
赤璃さまはついでとばかりに青葉さんに話を振った。
青葉さんは、膝の上に抱いた俺の体をゆっくりぽん、ぽん、としながら考える。気持ちいい。
「どうして、とは難しいですねえ。いつの間にか、としか答えられない……」
「何だかズルい答えねぇ。乙羽は?」
「……気付いたらここに居た、のかな」
乙羽は首を傾げながら胸に右手を当てる。
「なるは?」
ぽやぽやと乙羽を見ていたらこちらにまで話が飛んできた。
え? 何?
飴が口から出そうになって、慌てて口を閉じる。
「だ、か、ら、どうして緋色さまを好きなのかって話よ」
「好きだから好き」
「もうっ」
「何の話だ?」
急に部屋の扉が開いて緋色が入ってきた。
「ノックくらいしなさいよ」
赤璃さまの抗議に、じろりと緋色が睨む。
「ここは俺の宮で、更に俺の部屋なんだが」
「女子会の最中よ。扉前に護衛がいたでしょ」
俺は男です。
「ごめん、なる。嫁会だったわ」
「嫁じゃない奴に言われてもな」
「何よ、機嫌悪いわね。酷い顔して。寝てないんでしょ」
緋色は顔色が悪かった。目の下には濃い隈がある。しんどいのかな?
「なるが心配してるわよ。今、寝なさい。私たち、ここにいるから」
「あ? 何で、お前らの声を聞きながら寝なきゃならないんだ」
「今しか寝られないんでしょ。私たち、ここにいるって言ってんの。分かるわね?」
がしがしと頭を掻いた緋色が俺を見た。口の中で飴をころころしながら、笑ってみる。あ、涎が。
こちらに向かってきた緋色が、俺の口の端をべろりと舐めた。あま、と言いながらベッドへ歩いていく。上着を脱ぎ捨ててベッドへ上がるとごろりと横になった。
乙羽が静かに立ち上がって、緋色に掛け布団を掛け、ベッドの周りに付けられたカーテンを引いていく。
「本当に、男どもは情けない」
緋見呼さまが少し小さな声で呟く。
「じたばたしたって仕方ないものは仕方ないのよ」
「力丸くんも来ないわね」
乙羽がぽそっと言って、俺は少しだけ寂しくなった。
「動けないなるちゃんを見るのが怖いなんて、情けないよ」
青葉さんの言葉に、俺のせいだと悲しくなる。
俺は、何故かどんどん動けなくなって、起きてる時間が短くなっていた。
「私ですか?」
赤璃さまはついでとばかりに青葉さんに話を振った。
青葉さんは、膝の上に抱いた俺の体をゆっくりぽん、ぽん、としながら考える。気持ちいい。
「どうして、とは難しいですねえ。いつの間にか、としか答えられない……」
「何だかズルい答えねぇ。乙羽は?」
「……気付いたらここに居た、のかな」
乙羽は首を傾げながら胸に右手を当てる。
「なるは?」
ぽやぽやと乙羽を見ていたらこちらにまで話が飛んできた。
え? 何?
飴が口から出そうになって、慌てて口を閉じる。
「だ、か、ら、どうして緋色さまを好きなのかって話よ」
「好きだから好き」
「もうっ」
「何の話だ?」
急に部屋の扉が開いて緋色が入ってきた。
「ノックくらいしなさいよ」
赤璃さまの抗議に、じろりと緋色が睨む。
「ここは俺の宮で、更に俺の部屋なんだが」
「女子会の最中よ。扉前に護衛がいたでしょ」
俺は男です。
「ごめん、なる。嫁会だったわ」
「嫁じゃない奴に言われてもな」
「何よ、機嫌悪いわね。酷い顔して。寝てないんでしょ」
緋色は顔色が悪かった。目の下には濃い隈がある。しんどいのかな?
「なるが心配してるわよ。今、寝なさい。私たち、ここにいるから」
「あ? 何で、お前らの声を聞きながら寝なきゃならないんだ」
「今しか寝られないんでしょ。私たち、ここにいるって言ってんの。分かるわね?」
がしがしと頭を掻いた緋色が俺を見た。口の中で飴をころころしながら、笑ってみる。あ、涎が。
こちらに向かってきた緋色が、俺の口の端をべろりと舐めた。あま、と言いながらベッドへ歩いていく。上着を脱ぎ捨ててベッドへ上がるとごろりと横になった。
乙羽が静かに立ち上がって、緋色に掛け布団を掛け、ベッドの周りに付けられたカーテンを引いていく。
「本当に、男どもは情けない」
緋見呼さまが少し小さな声で呟く。
「じたばたしたって仕方ないものは仕方ないのよ」
「力丸くんも来ないわね」
乙羽がぽそっと言って、俺は少しだけ寂しくなった。
「動けないなるちゃんを見るのが怖いなんて、情けないよ」
青葉さんの言葉に、俺のせいだと悲しくなる。
俺は、何故かどんどん動けなくなって、起きてる時間が短くなっていた。
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