【完結】人形と皇子

かずえ

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第二章 人として生きる

55 緋色 29 *

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 朱実あけみ力丸りきまるも、夕食までしっかり食べた。弥壌みづちも恐縮しながら、出された料理をぺろりと平らげた。
 成人なるひとは、疲れだろうか。夕食を半分も残していて心配だったが、生松いくまつが、捕まえた侵入者の手当てに駆り出されていたので、ミックスジュースを渡して様子を見ていた。
 機嫌はものすごく良いようだ。力丸りきまるが今日の様子を喋っているのを、楽しそうに聞いている。途中で寝てしまうかと思ったが、体は疲れているけれど寝られない様子だ。
 早めに風呂に入れて布団に連れていくか。
 客人は利胤としたね乙羽おとわに任せて風呂へ行くと、服を脱がす前からすり、と頬を擦り寄せてきた。

「どうした?」
「気持ちいいの、する」

 見ると陰茎が緩く立ち上がっている。ああ、これでは寝られないな。
 興奮して反応してしまったのだろう。
 戦場ではよくあることのようだ。俺は、戦場に出たからといってそれほど興奮することは無かったが、激しい戦闘が行われた後は、野営地のあちこちで慰め合う姿が見られた。
 まあ、総大将を激しい戦闘のただ中には置かないし、俺が冷静な判断をできなければ負けてしまうのだから、難しい局面ほど冷めていっていたような気もする。
 成人なるひとを拾ったときが一番興奮していたかもな。

「風呂でしような」

 そう言うと、くふん、と返事が聞こえた。俺も興奮してきた……。
 服を脱がせて、体と髪を洗ってやる。もじもじと膝をすり合わせて、収まり悪そうに座っている。
 自分で触るという意識は全く無いらしい。俺はほくそ笑んだ。絶対に教えないでおこう。
 抱いて風呂に浸かると、嬉しそうにしがみついてきた。向かい合わせなのをいいことに自分のモノと成人なるひとのモノをまとめて握り込む。
 ほあぁ、と耳元で可愛い声がした。そっと上下に動かすと首元に顔を埋めて、ぶると震える。ちゅ、ちゅと届く場所にキスを落とすと真っ赤な顔を上げて、キスを返してきた。
 ヤバい。
 可愛い。
 唇を合わせると、うっとりと更に力が抜けた。舌を入れると驚いたように成人なるひとの舌が逃げていった。追いかけて絡めとる。

「んっ…んぅ…」

 手も動かすと、息も絶え絶えだ。あっという間に達して白濁を少し出した。がくんと倒れ込むのを唇を離して抱き締める。
 すまん、もう少し付き合って。
 自分の気持ちいいように成人なるひとのも握ったまま、手の動きを速くすると、

「あっ、あっ、あぁぁ」

 と言いながら全く力の入らない首をいやいやと振った、のは見えた。
 自分も達したことで我に返ると、成人なるひとは気を失っていた。
 気持ち良すぎた……。
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