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192 誕生日パーティ、準備中
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色々、調べた。これで合ってるはずだ。
一太は、どきどきしながら松島の好物の、エビフライとポテトとコーンスープとチキンライスを机に並べる。レタスをちぎっただけのサラダも添えた。生野菜の中では一番好きなはず。冬場のレタスは高かったが、今日は特別。誕生日とは、そういうものらしいので。
ケーキも、買ってきた方がいいのかどうかを悩んだが、ケーキ屋さんの場所を一太は知らない。気にして見ていないだけかもしれないが、一太が一人でも動ける範囲内には存在していなかったように思う。松島に、ケーキ屋さんに連れて行ってほしいというのは何だか間抜けなので、作ることにした。スポンジを焼いて、生クリームと苺で飾る。なかなか上手くいったと思う。
季節外れの苺は、それもまたとても高かったが、今日は特別である。なにせ、誕生日なので。
何故か苺はたくさん売っていた。季節外れなのに? と一太は不思議に思ったが、クリスマスのために温室で栽培されているらしい。
これは、バイト先のスーパーで聞いた。
クリスマスケーキを作るために、この時期に合わせて苺がたくさん入荷するそうだ。助かった。松島が夏生まれだったら、ケーキに飾れる果物が無くて苦労したことだろう。
クリスマス、というのも一大イベントらしく、スーパーの中は、十二月に入ってからクリスマス一色になった。一太は、クリスマスの存在は知っているという程度だったので、こんなにも大きなイベントだということに驚いた。そういえば、実習に行っていた幼稚園でも、今月はクリスマス会もしなくちゃいけないから大忙しだ、と先生たちが言っていた。それもまた、プレゼントを配るそうだ。
「松島くん、誕生日とクリスマスを一緒にされちゃう人?」
と、実習での誕生日会の後で、賀川が松島に聞いていた。一太は、その時はよく意味が分からなかったが、どちらも、プレゼントやパーティをこうして準備するものなのだとしたら、同じ日だから同時にされてしまって損をしている、ということなのかもしれない。
「いや。別だったよ。クリスマスは翌日」
「えー、そうなんだ。いいね。愛されてるなあ。私なんて、弟と誕生日が四日違いだからって、いつもパーティは一緒にされちゃって不満だったよ」
「ケーキ一つ食べ損ねた、みたいな?」
「そうそう」
あれ?
そうしたら、明日は明日でクリスマス会がいるのだろうか。クリスマス会と誕生日パーティは、どう違う? 明日も、ご馳走を並べる?
「ただいま」
悩んでいたら、松島の声がした。まずは、誕生日パーティだ。一太は、今日は朝のシフトに入っていて、松島は午後のシフトに入っていた。先月、何気なく出したシフトが、松島の誕生日パーティの準備をしやすい形になっていたのはラッキーだった。
一太には誕生日パーティの正解が分からないけれど、調べて、やろうと思ったことはできていると思う。
「おかえり。晃くん、誕生日おめでとう!」
声が弾む。
松島の声を聞いたら、喜んでもらえるかどうかの不安より、楽しい気持ちの方が膨れ上がってきた。
誕生日パーティって、準備している間も、楽しいんだな。
一太は、どきどきしながら松島の好物の、エビフライとポテトとコーンスープとチキンライスを机に並べる。レタスをちぎっただけのサラダも添えた。生野菜の中では一番好きなはず。冬場のレタスは高かったが、今日は特別。誕生日とは、そういうものらしいので。
ケーキも、買ってきた方がいいのかどうかを悩んだが、ケーキ屋さんの場所を一太は知らない。気にして見ていないだけかもしれないが、一太が一人でも動ける範囲内には存在していなかったように思う。松島に、ケーキ屋さんに連れて行ってほしいというのは何だか間抜けなので、作ることにした。スポンジを焼いて、生クリームと苺で飾る。なかなか上手くいったと思う。
季節外れの苺は、それもまたとても高かったが、今日は特別である。なにせ、誕生日なので。
何故か苺はたくさん売っていた。季節外れなのに? と一太は不思議に思ったが、クリスマスのために温室で栽培されているらしい。
これは、バイト先のスーパーで聞いた。
クリスマスケーキを作るために、この時期に合わせて苺がたくさん入荷するそうだ。助かった。松島が夏生まれだったら、ケーキに飾れる果物が無くて苦労したことだろう。
クリスマス、というのも一大イベントらしく、スーパーの中は、十二月に入ってからクリスマス一色になった。一太は、クリスマスの存在は知っているという程度だったので、こんなにも大きなイベントだということに驚いた。そういえば、実習に行っていた幼稚園でも、今月はクリスマス会もしなくちゃいけないから大忙しだ、と先生たちが言っていた。それもまた、プレゼントを配るそうだ。
「松島くん、誕生日とクリスマスを一緒にされちゃう人?」
と、実習での誕生日会の後で、賀川が松島に聞いていた。一太は、その時はよく意味が分からなかったが、どちらも、プレゼントやパーティをこうして準備するものなのだとしたら、同じ日だから同時にされてしまって損をしている、ということなのかもしれない。
「いや。別だったよ。クリスマスは翌日」
「えー、そうなんだ。いいね。愛されてるなあ。私なんて、弟と誕生日が四日違いだからって、いつもパーティは一緒にされちゃって不満だったよ」
「ケーキ一つ食べ損ねた、みたいな?」
「そうそう」
あれ?
そうしたら、明日は明日でクリスマス会がいるのだろうか。クリスマス会と誕生日パーティは、どう違う? 明日も、ご馳走を並べる?
「ただいま」
悩んでいたら、松島の声がした。まずは、誕生日パーティだ。一太は、今日は朝のシフトに入っていて、松島は午後のシフトに入っていた。先月、何気なく出したシフトが、松島の誕生日パーティの準備をしやすい形になっていたのはラッキーだった。
一太には誕生日パーティの正解が分からないけれど、調べて、やろうと思ったことはできていると思う。
「おかえり。晃くん、誕生日おめでとう!」
声が弾む。
松島の声を聞いたら、喜んでもらえるかどうかの不安より、楽しい気持ちの方が膨れ上がってきた。
誕生日パーティって、準備している間も、楽しいんだな。
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