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生配信29 体調不良?
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「はい、どうも。今日もゲーム配信。配信者はお馴染みTakiチャンネルの滝です」
これから配信が始まるというのに、やる気が起きない。
最初の挨拶だって昨日の配信に比べて、声のトーンが低すぎる。
俺自身が気づいているのだから、リスナーさん達も気づいているはず。
聞かれる前に、先に答えておこう。
「声を聞いたら分かると思いますが、今日は非常に体調が悪いです。身体が怠い。少し熱っぽい。風邪を引いたかも知れません」
『マジか』
『やっぱり体調が悪いのか』
『風邪か』
『しゃあないな』
おお、今日のリスナーさん達は、なんか心なしか優しいような、
『『『『日頃の行いが悪いからバチが当たったんだな』』』』
気がしただけだったようだ。
「日頃の行いは良いような気がするけどな、俺。リスナーさん達が崇めているサキサキさんと遊べる仲になったしね!」
『そういうところだぞ!』
『悪化しろ!』
『性格悪!』
『へそ曲がり!』
「はっ、なんとでも言え!」
そう言った途端、コメント欄が荒れに荒れる。
バカやアホ、おたんこな、低身長に不細工、女遊びが趣味のゲス野郎等々。
なんとでも言えとは言ったが、そこまで言うかね?
荒れているコメント欄の中には、『上司のアホ』だとか『彼女ができないのは俺のせいじゃ無い』とか、俺に関係ないコメントまで書き込まれていた。
なんでも書き込んで良いチャットルームではないので、強制的に配信を進めていく。
「はいはい、そこまでそこまで。今日の配信は体調が悪いので、のんびりできるゲームを選びました」
配信画面にゲーム画面を映す。
「今日は画面を見て分かる通り、『マインクラフト』をプレイしていきます。やる事は無いので、ダラダラ配信をするつもりです」
さて、体調も良く無い事だし、休み休み配信しますか。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ダイヤとかってどこで手に入ったっけ?」
『土掘ってれば出てくんじゃない?』
「………ダイヤって石のピッケルでいけるっけ?」
『いけんじゃない?』
「………………いい加減なこと言ってない?」
『言ってるんじゃない?』
『言ってんじゃない?』
『どうでもよくない?』
どうでもよくもないし、いい加減な言ってんじゃあねぇよ!
リスナーさん達頼りにならんし、ダイヤについて調べるか。
鉄以上のピッケルでダイヤが取れるのは知ってる。あとは場所なんだけど………なんか深く掘らないとダメっぽいな。
「面倒いな」
計画変更。
「新しい家でも作るか」
『滝のことだから諦めると思ってた』
『無理だと思った』
『こうなるよなって予想通りだった』
『体調は?』
流石リスナーさん達。頼りにはならないが、俺の性格をよくご存知で。
体調の方は、
「すこぶる悪い。ダルさが2倍増しで熱出てますね」
すこぶる体調が悪いのに、なぜゲーム配信をするのかって?
それは、
「って言っても、配信止めたら暇なんよな。ゲームしてた方が暇も潰せるし、ゲームするなら配信もしてた方がいいじゃん。だからやめない」
流石にね、これ以上起きてたらヤバいってなったら止めるよ。それまでは配信を続けます。
「さて、新しい家を建てるにしろ、広い土地が必要よな」
まずは整地からか。
石のピッケルを4本作り、適当な場所を見つけて、ひたすら平らにしていく。
「広い家を作りたいんだよな」
希望は、この前のマイクラしたメンバー全員分の部屋があり、広い居間がある家。
そう考えると、どデカい敷地面積になりそう。
「まあ、やるしかないよね」
コメント欄なんて見ている暇があるなら、整地をします。
ザック、ザック、ザック。
ザック、ザック、ザック、ザック、ザック。
ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック。
「黙々とやってると、病みそう」
整地を始めて少ししか経ってないが、もう止めたい。
『誰か呼べば?』
『暇な人、聡太さんでも呼べば?』
『聡太さん呼べばいいじゃん』
『あの人ならくるよ』
「君らがあの人のことどう思ってんのか、今分かったわ」
君達が言う聡太さんは、言うほど暇ではないんですよ。
色んな人とコラボ予定とかあるらしいし、プライベートの方も何かと忙しいそうで。
こんな俺でも、一応聡太さんの予定を覚えて、会える時に突撃しているわけ。
確か、今日は、
「彼女とデートとか言っていたかな」
もちろん、嘘。
『マジで?』
『それは本当ですか?』
『うわ、マジか』
『DMしてきます』
この発言で炎上とかしたら、聡太さんに殺されるので、
「もちろん、嘘だけどね。あの人、ゲーム大好き人間だから、2次元としか恋できないんじゃないかな?」
嘘だと言っておく。
『じゃあ、今日のデートは画面越しの、、、』
『画面越しに告白しているのか』
『同士がいた!』
『あの人もこちら側か』
あくまで「できないんじゃないかな?」なので、別に嘘を吐いているわけではない。
あくまで、予想なのです。
これで聡太さんの元に変なDMが行っても、私のせいではないのです。
「さあ、(2次元の)彼女とデートしている聡太さんにお祝いの言葉をあげに行ってくれたまえ」
『了解』
『任せとけ』
『同士に祝福を』
『行ってきます』
こうして、聡太さんのTwitterには意味不明なDMが何通も届くのだろう。
「良い子のリスナーさん達は、こういうことはやめておいた方が身のためだぞ。友達が1人いなくなる可能性があるから、気をつけてね」
俺と聡太さんの関係はこんなもんじゃ崩れないので安心してください。
そのうち、反撃がくるでしょうが、倍返しにして返すので気にしない。気にしない。
「はあ、ちょい休憩。身体がだるい」
休憩後、ダルさのあまり、配信を閉じることになるとは思いもしなかった。
これから配信が始まるというのに、やる気が起きない。
最初の挨拶だって昨日の配信に比べて、声のトーンが低すぎる。
俺自身が気づいているのだから、リスナーさん達も気づいているはず。
聞かれる前に、先に答えておこう。
「声を聞いたら分かると思いますが、今日は非常に体調が悪いです。身体が怠い。少し熱っぽい。風邪を引いたかも知れません」
『マジか』
『やっぱり体調が悪いのか』
『風邪か』
『しゃあないな』
おお、今日のリスナーさん達は、なんか心なしか優しいような、
『『『『日頃の行いが悪いからバチが当たったんだな』』』』
気がしただけだったようだ。
「日頃の行いは良いような気がするけどな、俺。リスナーさん達が崇めているサキサキさんと遊べる仲になったしね!」
『そういうところだぞ!』
『悪化しろ!』
『性格悪!』
『へそ曲がり!』
「はっ、なんとでも言え!」
そう言った途端、コメント欄が荒れに荒れる。
バカやアホ、おたんこな、低身長に不細工、女遊びが趣味のゲス野郎等々。
なんとでも言えとは言ったが、そこまで言うかね?
荒れているコメント欄の中には、『上司のアホ』だとか『彼女ができないのは俺のせいじゃ無い』とか、俺に関係ないコメントまで書き込まれていた。
なんでも書き込んで良いチャットルームではないので、強制的に配信を進めていく。
「はいはい、そこまでそこまで。今日の配信は体調が悪いので、のんびりできるゲームを選びました」
配信画面にゲーム画面を映す。
「今日は画面を見て分かる通り、『マインクラフト』をプレイしていきます。やる事は無いので、ダラダラ配信をするつもりです」
さて、体調も良く無い事だし、休み休み配信しますか。
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「ダイヤとかってどこで手に入ったっけ?」
『土掘ってれば出てくんじゃない?』
「………ダイヤって石のピッケルでいけるっけ?」
『いけんじゃない?』
「………………いい加減なこと言ってない?」
『言ってるんじゃない?』
『言ってんじゃない?』
『どうでもよくない?』
どうでもよくもないし、いい加減な言ってんじゃあねぇよ!
リスナーさん達頼りにならんし、ダイヤについて調べるか。
鉄以上のピッケルでダイヤが取れるのは知ってる。あとは場所なんだけど………なんか深く掘らないとダメっぽいな。
「面倒いな」
計画変更。
「新しい家でも作るか」
『滝のことだから諦めると思ってた』
『無理だと思った』
『こうなるよなって予想通りだった』
『体調は?』
流石リスナーさん達。頼りにはならないが、俺の性格をよくご存知で。
体調の方は、
「すこぶる悪い。ダルさが2倍増しで熱出てますね」
すこぶる体調が悪いのに、なぜゲーム配信をするのかって?
それは、
「って言っても、配信止めたら暇なんよな。ゲームしてた方が暇も潰せるし、ゲームするなら配信もしてた方がいいじゃん。だからやめない」
流石にね、これ以上起きてたらヤバいってなったら止めるよ。それまでは配信を続けます。
「さて、新しい家を建てるにしろ、広い土地が必要よな」
まずは整地からか。
石のピッケルを4本作り、適当な場所を見つけて、ひたすら平らにしていく。
「広い家を作りたいんだよな」
希望は、この前のマイクラしたメンバー全員分の部屋があり、広い居間がある家。
そう考えると、どデカい敷地面積になりそう。
「まあ、やるしかないよね」
コメント欄なんて見ている暇があるなら、整地をします。
ザック、ザック、ザック。
ザック、ザック、ザック、ザック、ザック。
ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック、ザック。
「黙々とやってると、病みそう」
整地を始めて少ししか経ってないが、もう止めたい。
『誰か呼べば?』
『暇な人、聡太さんでも呼べば?』
『聡太さん呼べばいいじゃん』
『あの人ならくるよ』
「君らがあの人のことどう思ってんのか、今分かったわ」
君達が言う聡太さんは、言うほど暇ではないんですよ。
色んな人とコラボ予定とかあるらしいし、プライベートの方も何かと忙しいそうで。
こんな俺でも、一応聡太さんの予定を覚えて、会える時に突撃しているわけ。
確か、今日は、
「彼女とデートとか言っていたかな」
もちろん、嘘。
『マジで?』
『それは本当ですか?』
『うわ、マジか』
『DMしてきます』
この発言で炎上とかしたら、聡太さんに殺されるので、
「もちろん、嘘だけどね。あの人、ゲーム大好き人間だから、2次元としか恋できないんじゃないかな?」
嘘だと言っておく。
『じゃあ、今日のデートは画面越しの、、、』
『画面越しに告白しているのか』
『同士がいた!』
『あの人もこちら側か』
あくまで「できないんじゃないかな?」なので、別に嘘を吐いているわけではない。
あくまで、予想なのです。
これで聡太さんの元に変なDMが行っても、私のせいではないのです。
「さあ、(2次元の)彼女とデートしている聡太さんにお祝いの言葉をあげに行ってくれたまえ」
『了解』
『任せとけ』
『同士に祝福を』
『行ってきます』
こうして、聡太さんのTwitterには意味不明なDMが何通も届くのだろう。
「良い子のリスナーさん達は、こういうことはやめておいた方が身のためだぞ。友達が1人いなくなる可能性があるから、気をつけてね」
俺と聡太さんの関係はこんなもんじゃ崩れないので安心してください。
そのうち、反撃がくるでしょうが、倍返しにして返すので気にしない。気にしない。
「はあ、ちょい休憩。身体がだるい」
休憩後、ダルさのあまり、配信を閉じることになるとは思いもしなかった。
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