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生配信26 今日の夜ご飯
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俺は配信を切り、少し休憩。
今、このメンバーで配信をしているのは聡太さんのみになった。
俺の配信の続きを見たい人は、聡太さんの枠に飛んでいるのだろう。
視聴者は、何人くらいなんだろうな?
大して気にならない疑問なので、調べたりはしない。
さて、マイクラの続きをしていくのだが、
「ちょ、シオンさんやめて!」
「サキサキさんが先に殴ってきました」
また殴り合いをしている2人。
仲がよろしいようで何より。
周りを見渡し、家造りを続けているのは、聡太さんと絵茶さん、ゼロス&ワンスさんの3組。
レモンさんは………何を企んでるんだ?
聡太さんの家の周りをウロウロとしている。
あっ、家の中に入ってった。
あっ、聡太さんも気づいた。
「だから、俺の家にベッドを置くな!」
「えぇ、野宿しろって言うんですかぁ? 聡太さん、酷すぎますぅ」
「自分の家を作れ!」
レモンさんもレモンさんで、相変わらず家を作る気はないようだ。あわよくば人の家に住み着こうとしているらしい。
可哀想な聡太さん。多分、あれだよ。押しに負けて、ベッドだけならって言って、置かれるやつだよ。
聡太さんの未来が見えたところで、絵茶さんのところに向かう。
何しに向かうのか、って?
暇つぶしに行くんだよ。
だって、家は出来上がったし、次の目標はないしで暇だから………ねぇ?
俺はしゃがみながら、ゆっくりと絵茶さんの家に近づく。
「何しにきた! また殺されたいんか!」
先程誤って殺した事を根に持っているのか、警戒心剥き出し、殺意剥き出しで、剣を構えてこちらを見ている。
なので、ここは。
ポイ、ポイ。
木のブロックを持ってるだけ絵茶さんの前に投げ捨てる。
「んんん? おい、ジャンプしてみろ!」
言われるがままジャンプし、ジャンプし終わったあと、石のブロックを投げ捨てる。
「まだ、ポケットの中にブロックがあるじゃ無いか! 全て出しな!」
JKにカツアゲされる配信者の図が出来てしまった。
「ほら、持ってんだろ! 出せよ!」
バシッと1発殴ってくる絵茶さん。
もう、少しノリに乗ったら、すぐに調子付くんだから。
バシッ、バシッ。
「痛い、痛い! やめてください、滝さん! ごめんなさい!」
しゃがんだり、立ったりして、謝ってくる絵茶さんに、石のブロックを全て上げ、何も言わずに立ち去る。
イベントリの中が剣だけとなり、スッキリしたところで家に帰ると、
「今のはシオンさんの方が1発多いです!」
「違います! サキサキさんの方が1発多いんです!」
お馬鹿2人はお馬鹿な言い合いをしていた。
本格的に暇になったので、今日の晩ご飯について考える。
「今日の晩ご飯は何にしようかな? 出前を頼むか、作るか。うぅぅん、作ろうかな」
最近、出前ばかりだった気がするし、出費を抑えるためにも、今日は自分で用意しよう。
冷蔵庫の中には、鶏肉があったはずだし、卵もある。
米は炊かなくちゃいけないから後で炊くとして、
「具材からしてオムライスでも作ろうかな。というか、もうオムライスしか作れないような気がする。冷蔵庫の中身的に」
今日の晩ご飯はオムライスに決まった。
晩ご飯のことを考えていた俺は、少しの間PCから目を離していた。
晩ご飯が決まり、再びPCに目をやると、
「うわぁ!」
先程まで馬鹿なやり取りをしていた2人が、俺の目の前で立っているでは無いか。
「………何か?」
ちょっと恐怖を感じながらも訊く。
「今日の晩ご飯はオムライスなんですよね?」
ジリジリとさらに近づいてくるサキサキさん。
「オムライスのライスは、ケチャップライス? それともチキンライス?」
そんなことが気になるのか、この人は?
「け、ケチャップ、かな?」
「「ですよね」」
いつの間にか2人の手には剣が握られており、逃げないようになのか、俺の左右に移動していた。
「お前はケチャップ派だよな。俺はチキンライス派なんだよな」
俺の話を聞いていた聡太さんがそう言うと、
「やれ」
サキサキさんのその一言で、
「ちょ、やめろ!」
聡太は絵茶によって殺された。
どうやら絵茶さんもケチャップ派のようだ。
確かにオムライスの話題になると、赤か緑か、キノコかタケノコか、みたいな戦争になるけど、殺すところまでやる?
「ソースは?」
「………え?」
「滝くん、だからソースは何を掛けるのか、聞いているんですよ?」
ゴックン。
あんなの見せといて、次はこれですか。
隣ではシオンさんが剣を素振りしているし、今にも飛び掛かってきそうな雰囲気の絵茶さんがこっちを見てるし………これ答えミスったら、俺、確実に殺されるじゃん。
「ソースは?」
「………ケチャップ」
ひぃいいいいいいいい、お願い! お願いしますから、殺さないで!
そう心の中で呟きながら、あとは時間に任せる。
すると、
「そうですよね、ソースはケチャップですよね。良かったです、ああならなくて」
ああとは、聡太さんのことですよね。本当に、ああならなくて良かった。
別に美味しければ、ケチャップだろうがチキンだろうが、赤か緑、キノコかタケノコなんて、どうでもいい。
というのが俺の考え。
でも、聡太さんみたいに殺されたくは無いので、その場の流れに乗ります。
それが俺のやり方です。
こうして戦争は終わり、ゲームもお開きになった。
「さて、晩ご飯の用意をしますか」
俺は宣言通りオムライスを作る。
チキンライスでデミグラスソースを掛けたオムライスを。
もちろん、Twitterに写真を載せて、こう呟く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『サキサキさん、シオンさん、絵茶さんへ
チキンライスうまそうー!
デミグラスさいこーう!
滝より』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このツイートをした数秒後、3件の殺害予告を受けるのだが、それを知るのは、このオムライスを食べ終え、風呂から上がってくるときだった。
つまり、まだ先になる。
今、このメンバーで配信をしているのは聡太さんのみになった。
俺の配信の続きを見たい人は、聡太さんの枠に飛んでいるのだろう。
視聴者は、何人くらいなんだろうな?
大して気にならない疑問なので、調べたりはしない。
さて、マイクラの続きをしていくのだが、
「ちょ、シオンさんやめて!」
「サキサキさんが先に殴ってきました」
また殴り合いをしている2人。
仲がよろしいようで何より。
周りを見渡し、家造りを続けているのは、聡太さんと絵茶さん、ゼロス&ワンスさんの3組。
レモンさんは………何を企んでるんだ?
聡太さんの家の周りをウロウロとしている。
あっ、家の中に入ってった。
あっ、聡太さんも気づいた。
「だから、俺の家にベッドを置くな!」
「えぇ、野宿しろって言うんですかぁ? 聡太さん、酷すぎますぅ」
「自分の家を作れ!」
レモンさんもレモンさんで、相変わらず家を作る気はないようだ。あわよくば人の家に住み着こうとしているらしい。
可哀想な聡太さん。多分、あれだよ。押しに負けて、ベッドだけならって言って、置かれるやつだよ。
聡太さんの未来が見えたところで、絵茶さんのところに向かう。
何しに向かうのか、って?
暇つぶしに行くんだよ。
だって、家は出来上がったし、次の目標はないしで暇だから………ねぇ?
俺はしゃがみながら、ゆっくりと絵茶さんの家に近づく。
「何しにきた! また殺されたいんか!」
先程誤って殺した事を根に持っているのか、警戒心剥き出し、殺意剥き出しで、剣を構えてこちらを見ている。
なので、ここは。
ポイ、ポイ。
木のブロックを持ってるだけ絵茶さんの前に投げ捨てる。
「んんん? おい、ジャンプしてみろ!」
言われるがままジャンプし、ジャンプし終わったあと、石のブロックを投げ捨てる。
「まだ、ポケットの中にブロックがあるじゃ無いか! 全て出しな!」
JKにカツアゲされる配信者の図が出来てしまった。
「ほら、持ってんだろ! 出せよ!」
バシッと1発殴ってくる絵茶さん。
もう、少しノリに乗ったら、すぐに調子付くんだから。
バシッ、バシッ。
「痛い、痛い! やめてください、滝さん! ごめんなさい!」
しゃがんだり、立ったりして、謝ってくる絵茶さんに、石のブロックを全て上げ、何も言わずに立ち去る。
イベントリの中が剣だけとなり、スッキリしたところで家に帰ると、
「今のはシオンさんの方が1発多いです!」
「違います! サキサキさんの方が1発多いんです!」
お馬鹿2人はお馬鹿な言い合いをしていた。
本格的に暇になったので、今日の晩ご飯について考える。
「今日の晩ご飯は何にしようかな? 出前を頼むか、作るか。うぅぅん、作ろうかな」
最近、出前ばかりだった気がするし、出費を抑えるためにも、今日は自分で用意しよう。
冷蔵庫の中には、鶏肉があったはずだし、卵もある。
米は炊かなくちゃいけないから後で炊くとして、
「具材からしてオムライスでも作ろうかな。というか、もうオムライスしか作れないような気がする。冷蔵庫の中身的に」
今日の晩ご飯はオムライスに決まった。
晩ご飯のことを考えていた俺は、少しの間PCから目を離していた。
晩ご飯が決まり、再びPCに目をやると、
「うわぁ!」
先程まで馬鹿なやり取りをしていた2人が、俺の目の前で立っているでは無いか。
「………何か?」
ちょっと恐怖を感じながらも訊く。
「今日の晩ご飯はオムライスなんですよね?」
ジリジリとさらに近づいてくるサキサキさん。
「オムライスのライスは、ケチャップライス? それともチキンライス?」
そんなことが気になるのか、この人は?
「け、ケチャップ、かな?」
「「ですよね」」
いつの間にか2人の手には剣が握られており、逃げないようになのか、俺の左右に移動していた。
「お前はケチャップ派だよな。俺はチキンライス派なんだよな」
俺の話を聞いていた聡太さんがそう言うと、
「やれ」
サキサキさんのその一言で、
「ちょ、やめろ!」
聡太は絵茶によって殺された。
どうやら絵茶さんもケチャップ派のようだ。
確かにオムライスの話題になると、赤か緑か、キノコかタケノコか、みたいな戦争になるけど、殺すところまでやる?
「ソースは?」
「………え?」
「滝くん、だからソースは何を掛けるのか、聞いているんですよ?」
ゴックン。
あんなの見せといて、次はこれですか。
隣ではシオンさんが剣を素振りしているし、今にも飛び掛かってきそうな雰囲気の絵茶さんがこっちを見てるし………これ答えミスったら、俺、確実に殺されるじゃん。
「ソースは?」
「………ケチャップ」
ひぃいいいいいいいい、お願い! お願いしますから、殺さないで!
そう心の中で呟きながら、あとは時間に任せる。
すると、
「そうですよね、ソースはケチャップですよね。良かったです、ああならなくて」
ああとは、聡太さんのことですよね。本当に、ああならなくて良かった。
別に美味しければ、ケチャップだろうがチキンだろうが、赤か緑、キノコかタケノコなんて、どうでもいい。
というのが俺の考え。
でも、聡太さんみたいに殺されたくは無いので、その場の流れに乗ります。
それが俺のやり方です。
こうして戦争は終わり、ゲームもお開きになった。
「さて、晩ご飯の用意をしますか」
俺は宣言通りオムライスを作る。
チキンライスでデミグラスソースを掛けたオムライスを。
もちろん、Twitterに写真を載せて、こう呟く。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『サキサキさん、シオンさん、絵茶さんへ
チキンライスうまそうー!
デミグラスさいこーう!
滝より』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
このツイートをした数秒後、3件の殺害予告を受けるのだが、それを知るのは、このオムライスを食べ終え、風呂から上がってくるときだった。
つまり、まだ先になる。
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