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九月生

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生配信15 絵茶さんと話し合い

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 夜配信のあと、突発コラボについて、絵茶さんとDMで話し合った。

 話し合ったと言っても、「急にコラボを頼んで~」「いえいえ、別に~」「じゃあ、明日連絡するので~」「分かりました。朝の~」みたいな軽い感じでだが。

 そして、今。朝7時ジャスト。

 寝たのが2時ぐらいなので、睡眠時間は約5時間。もっと寝ていたい気分なのだが、昨日絵茶さんに「7時くらいに電話する」と伝えたため、PCの通話アプリを起動させ、コンタクトを取る。

 さて、絵茶さんに連絡っと。
 
 起きていたら出られるが、彼女は果たして!

「もしもし、滝さん! 絵茶です!」

 起きていましたね。

「あっ、もしもし。おはようございます」

「おはようございます!」

 朝の挨拶をすると、元気な声で返ってくる。

 元気が良い絵茶さんに、まず、俺は謝っとかないと。

「昨日は配信中にコラボお誘いしてすみません」

 昨日、俺は配信しているにも関わらず、絵茶さんにコラボのお誘いをした。

 コラボのお誘いをする時は、基本DMなどで相手の予定を確認し、コラボができる日があるかどうか聞く。そして、空いている日があったら、コラボのお誘いをする。

 その方が失礼にならないし、もし仮に予定があった際、断りやすい。

 なのに、俺はDMで連絡するのが面倒くさく、配信上でお誘いしてしまった。

 配信上では、リスナーさん達が見ている手前、断りづらい。

 ましてや、絵茶さんとは最近仲良くなった配信者さん。ちゃんと手順を踏んで、コラボのお誘いをするべきだったと、少し後悔している。

 そんな後悔中の俺に、絵茶さんは、

「いえいえ、別に。そもそも、私、コラボ相手とか少なくて、お誘いしてくれるのいつもサキちゃんだけだったので、嬉しいぐらいです!」

 感謝を述べてくる。

 めちゃめちゃ、良い子じゃん。やばい、涙出てきそう。

 もう、今度からドンドンコラボのお誘いしよう。

「じゃあ、コラボお誘いドンドンしますね」

「あっ、じゃあ、Twitterブロックしときますね」

 ………ん?

「………ん? 聞き間違いかな? ブロックって」

 最近、エーペックスを大音量でやってるから、耳がおかしくなったのかな?

「あっ、間違えました」

 間違った。あっ、どうやら絵茶さんの間違、

「ブロックして、通報もしときます」

 間違いじゃないね。耳もおかしくないね。今、はっきり言ったね。

「えっ? あっ、あれ? そう言う流れでした、今? おかしいな、ここは「ホントですか⁉︎  ありがとうございます」とか言われる所だと思ったんですけど」

「ふっ、自分の感覚で話してもダメですよ? もう滝さんは、お馬鹿なんだから」

 あああ、なるほど。確かに自分にとっては普通でも、相手にとっては異常かもしれないって事ありますもんね。

「あっ、そうですよね。ははははははは、じゃあ、俺もブロックしときますわ」

 もちろん、俺も絵茶さんも冗談である。

 話の流れを読め、と言う俺に対して、はははは、っと笑う絵茶さん。

 俺が謝ったことにより重々しかった空気は、絵茶さんの冗談により一転し、笑える空気感へと変わっていく。

「じゃあ、冗談はここまでにしておいて、コラボの話をしましょう」

「そうですね。それがメインですし!」

 さて、ここからが本題。

 まずは、確認から。

「今日、本当に昼と夜の配信両方とも良いんですか?」

 言い出したのは絵茶さんだが、本当に良いのだろうか? 

 昼と夜の時間、計6時間くらい俺に付き合わせちゃう感じなのだが。

「別に良いですよ。だって、今日、私もDbDの配信するつもりでしたもん」

「でも、13時から16時、23時から26時までですよ?」

「はい、やりましょうよ。それとも………嫌なんですか?」

 おっと、確認しすぎたらしい。

「いやいや、なんか長時間教えてもらうの申し訳ないなって思って」

 これは俺の本音だ。俺に付き合わせて配信してもらうのは、とっても申し訳ないように思えてしまう。

「大丈夫ですって! 私、DbDめっちゃ好きなんで、24時間くらい余裕でやりますから」

 1日中出来るのか、あのゲームを。

 まあ、絵茶さんが苦痛ではないと言うなら、それで良い。もう何も言うまい。

「分かりました。じゃあ、今日の13時からと、23時からの配信、よろしくお願いします」

「はい、頑張りましょう!」

 あとは、少し打ち合わせして終わりかな? 

 打ち合わせの内容は、俺が望む希望と絵茶さんが望む希望を言って、どうやって近づけていくか、どうやって達成するか、その道筋を立てていく——というものになる。

「じゃあ、少し打ち合わ「ところで、ご飯いつ行くんですか?」せ………え?」

 言葉が被ってて全然聞こえてなかった。

「今なんと?」

「だから、ダメージ勝負のご飯と旅行、いつ行くんですか?」

 ああそれね。今月中に行くってことしか決めてなかった。

「………」

 何も決めていないので、無言のままでいると、

「えっ、まさか行かない気ですか⁉︎ 約束を反故にするんですか⁉︎」

 若干、言葉に圧が感じるんだが。

「………いやいや、反故になんかしないよ。まだ全然決めてなくて、何も言えなかっただけ」

「ええ、楽しみにしてるんですから、早く決めてくださいよ⁉︎ 牛タンにカルビ、ハラミに豚トロ。レバーは要らないけど、ロースにミノ、ホルモン! はあ、早く行きたいなぁ。焼肉屋で食べるビビンバとかキムチとかも美味いんだよなぁ」

 やめて、やめて! まだ朝ごはん食べてないんだから、肉の部位の種類とか言うのやめて!

「分かった、分かったから! 今週中に焼肉は食べに行こう。ってか、今週は大丈夫?」

「全然行けます! じゃあ、今週中でいいんですね⁉︎」

「う、うん。今週中に予約しときますから、お店」

「よしゃあああああああ! サキちゃんに連絡しよう!」

 この後、この通話アプリに、サキサキさんこと佐々木さんが参加し、焼肉の話題で盛り上がる。

 もちろん、盛り上がっているのは佐々木さんと絵茶さんで、俺はというと、

「どこの店が良いんだろう? ゼロスさんとワンスさんは予定が空いてるって言ってたし、聡太さんは………聞かなくても大丈夫」

 黙々とお店の検索をし、ほかのメンバーの今週の予定を確認している。

 打ち合わせだけのつもりが、食事会の準備までさせられるとは思ってもみなかった。

「滝くん」
「滝さん」

「「ごちになります!!!!」」

 うっさいわ!

 



 



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