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第1章 : 慣れろ!てつお

第4.5話「女神様の一日」

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ハイ。どーもー女神様でーす。パチパチ~。
ウィー。その通り。暇。すげぇ暇。
てつおの奴、完ッ璧にあの家に影響されちゃったやね。
ま、あいつもまだまだガキンチョだし?
ただの高校生から勇者様になるために必要な段階なのかもね~。

いやーそれにしても暇だわ。エグい暇。
概念世界にいた頃は時間の感覚いじれたし、異世界を転々と渡り歩いたり出来たんだけどね~……この借り物の姿じゃあねぇ~。
堂々と出て行くには説明が苦手過ぎるのよネ……
この大陸には妖精が少ないから確実に面倒くさいことになるし。

時計の針とか歯車とか中で出来る遊びはだいたいやり尽くしたしィ。
全身全霊で熱中して一時間が限界だったワ。
クソゲーでしたよあんなもんは。ええ。

女神様の一日。それは基本的にはてつおが時計の中に放り込んでくれるパンのカケラ食べて、寝て、ダラダラして、食べて、寝て……の繰り返し。
くるしゅーない。くるしゅーないけど暇。
せめてお喋りとか娯楽の類が欲しいワ。



あーいかんなぁ。
ちょっと無理してテンション上げて、アレやっとくか。
コホン。

「エー、ハイ!本日のゲ・ス・ト・はコノ方デスッ!ハーイ!何と!女神様ご本人に来ていただきましたァ!」

「よろしくお願い致しますワ。ヲホホ」 

「えー!では早速聞いちゃいましょうか色々と!まずはこちらの質問!デデン!この世界に降りてきて楽しかったことをお教えくださいー!」

「ええ、そうですワネ。皆の信心を感じる瞬間が新鮮でございましたワ。このわたくし、女神を信奉する宗教がこの国では盛んでございますでしょう?ですから、聞こえてくる日常の端々に『女神様』と聞こえてくるんですの。『女神様の息吹を』みたいな挨拶もあるんですのよ!ウォホホ」

「ハーイありがとうございましたァ!続いての質問はコチラッ!デンデドン!てつおについての評価をお教え願います!!」

「ウフ。そうですワネェ。まだまだ未熟ではありますが、この世界をシステム的に捉える力は流石の一言ですワ。もう経験値について理解し始めておりますし、その内スキルも使いこなすことでございましょう。まだまだこのあたくし、女神様の力には認識が甘いところもありますが、魔王討伐のその日は近くまで来ておりますワ。ノホホ」

「ではでは最後の質問はコチラッ!タキオくんについての評価をズバリどうぞ!」

「あの子については大きな謎がございますワネ。【究極魔法】なるスキルは、この世界が出来て以来見たことがありませんワ。マジであれ何なんやろなァ……あー失礼いたしました。何にせよ、あの年齢であのマナイバのレベルとは素晴らしい少年でございます。今後が楽しみですワネ。ドホホ」

「えー!ハイ!残念ながらお時間デス!本日のゲストは女神様でしたァ!」

「うふふ。ありがとう。女神様の息吹を!」

ンアーつまんなかった。
一人で何やってたんだろ。
しゃーないか。退屈にも程があんのよ。
やーってらんね。大の字になって寝とこ。
足開いたって誰が見てるわけでもないし。

……あっ、パンだ!ラッキー!ちょうどお腹空いてたのよね!
しかもナイス!ちょうどあたしのお腹の上に放り込んでくれた。ナイスパスだてつお!
手足をフル活用してしがみついて貪るパンは……うん!うんめェ!


あー、時計の中って暇だけど意外と悪くないかもなァ~。何なら出たくないなァ。
フワ~ァ。眠くなっちゃった。寝たろ。
いつか異世界で食べたアレ美味しかったなァ。
何だっけ……うさぎ?……うなじ?
…………あ…………思い……出した…………
うなぎ…………だったわ…………確か……
zzz……
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