イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな

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「……死のうとしてたんでしょ?雄斗と離れるくらいなら死ぬって思ってたよね。」

「え……」

「それで……さ、……誰かの役に立とうとしたかったんだよね。知ってるよ。」

「………っ」

「俺のだーい好きな梶原…俺の役に立つために……」

「いやだ……」

「……………」


雄斗、雄斗


雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗
雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗……






「…………はなして」

「…………」

「………麻耶のときみたいに…、俺を愛してくれる人だけを死なせたくないんだ……」

「……」

「お願いだって……はやと……」

涙が出る。

目が痛い。

隼人も……力を緩めてくれない。


嗚呼、


死ぬってこういうこと?




(本当に、俺、死ぬんだ。)



息苦しさ、目を開けていられないほどの痛み



そして、如何にもならない諦め



俺はゆっくりと目を閉じた。












「隼人様。此処を出ますよ。」







女性の、声が聞こえる。





「隼人様。私に、命令を言ってください。」





燃えてる豪邸の中、焦りを感じさせない落ち着いた声。




(さっきの……黒髪ボブのメイド……?)



「……あぁ…茜ちゃんか……待っててくれて…ありがとうね。」

「死ぬんですか?」

「うん……、死ぬ予定じゃなかったけどね。」

「……梶原様と死ぬんですか?」

「そうだよ……ごめんね、茜ちゃんは…逃げて…」

「……………」

ぼやける視界の中、茜さんの表情が微かにわかる。


(……なんで)

俺よりも泣いている。


「……いやです……逃げたくない。」

「……少しの間しか、茜ちゃんと話せなかったけど…楽しかったよ…」

「もっと一緒にいたい……」



鼻水を啜りながら茜さんは頑張って何か話している。


「……貴方には、生きていてほしい。」

「…………だってさ、梶原……どうする?」

「……………」


(“どうする”って……)

「おれは…………」

「隼人様、お願いです。逃げてください。」

「……梶原は?」

「………やっぱり、ゆうとに……会いたいよ……」

薄い空気の中、俺は力を振り絞って声を出す

痛い

身体中も痛い

さっきから心も痛い

「おねがい……おねがいだよ……」

掠れた声で必死に願う

「……俺のことが好きなら……隼人が好きなら、分かってよ………」


隼人に腰を抑えられて、黒髪ボブのメイドには見下される。


悔しくて屈辱的な感情と共に、なんで泣いてるのか分からない感情が混ざって絶望が目の前に広がってきた。


(俺は……今、諦めようとしたんだ………)






「梶原くん、諦めないわよね?」




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