イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな

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崩れる

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「だめよ!!行くって……雄斗様が何処にいるかも分からないのに?!!!」

「雄斗を探さないと……、じゃないと遥奈さんに協力しない!!」

雄斗、

雄斗雄斗雄斗雄斗雄斗………

  “「【special room】へ案内してあげて。」”



「special room……、遥奈さん、スペシャルルームってどこにありますか?」

「その部屋はただの客室だけど……?」

「何処にあるんだよ!!!」


俺が大声を上げるとメイドは少し驚く。


「そこに、百合先輩もいるかもしれないだろ?!」

「っ…判らないわよ!!私は頭が軽いから……人の言ことが正解だとしか判らないの!!百合が何処にいるかなんて判らない!!だから…隼人さんを探してるの!!」

「隼人もその部屋にいるだろ!!」

「如何して判るの?!知った被らないで!!」

「雄斗の母親がその部屋に行けって言ったんだよ!!」

「っ………もし、百合と隼人さん…雄斗様がいなかったら如何するの?」

「自分を犠牲にしてでも探し出すよ。」

俺がそう言うと、メイドは顔色を変えた。

何かを、思い出したようにハッとした顔をする。


「……そうよね………、私は…犠牲にする勇気がなかった……だから…………。梶原くん、ついてきて。」

「っ、うん!!」

俺たちは全速力で屋敷内を走り回る。

うるさい音楽が耳に入らないほど、必死だった。









     【spacial room】



扉が見えた……!!


ドアノブを引くと、意外にも簡単に扉が開いたのを覚えている。



「雄斗!!!!!」



「……こんにちは、よくぞここまで。」


「………っ?」

部屋の中に、雄斗がいるかと思った。

違った。

いるのは……、黒髪ボブのメイドと百合先輩だけだ。


「っ……!百合!!!!!」


遥奈さんは百合先輩のほうへ駆け込む。


「………雄斗は?」

「雄斗様はもうすぐ来られますよ。」

「茜さんっ!隼人さんは?!」

「隼人さんは、現在別のことで手を回しておりますわ。」

別のこと…………?


「茜さん、逃げたほうがいいわよ。ここはもうすぐ……」

「逃げません。ご主人様がここへ来るまでは。」

(ご主人様………?)

「……なあ、全然話がわからないんだけど……」


「ふーくん。」



愛おしい声が聞こえた。

後ろを振り向くと、彼がいる。


「………っ…雄斗………?」


「そうだよ、よく頑張ったね。」

「っあ、」

俺は雄斗に抱きつく。

会いたかった。もう会えないかと思った。

死んだかと思った。


「ゆうとっ……!!」

「怖ったよね。ごめん……もうすぐ終わらせるから。」

雄斗はそう言った後、彼女たちに言う。

「お前たちは屋敷を出て良いよ。他の奴らは避難した。」

「……梶原様は……?」

「お前らには関係ない。」

「……………っ」


遥奈さんと目が合う。

本当に行ってもいいのか、と言わんばかりの言葉を目で訴えてくる。


「………またね。」

俺は遥奈さんにそう言う。

遥奈さんは「必ずね」と言い、百合先輩を抱えて出て行った。

「私はご主人様を待ちます。」

「……わかった。死ぬなよ。」

彼はそう言った後、俺を部屋の外へ連れて行く。

「雄斗……?どこ行くんだ?」

「んー………ふーくん、死のっか。」






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