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初恋
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しおりを挟む“そーやって別の人を取るんだ。”
「っ、?!」"
また、
直接脳に誰かが話しかけて来る
気持ち悪い、気持ち悪い……
「……梶原くん……」
「っ、ゆりせんぱ」
「今日はもう、解散しよっか。」
「……、?」
「梶原くん……体調が悪そうだし、私も聖弥が心配なの。また今度集まろう。」
「まっ!百合先輩!!」
ああ、百合先輩がいなくなっちゃう
嫌だ、
“また”、いなくなってしまう
「行くな!!!」
「……え?」
言ってしまった。
どうしよう、気まずい。気まずい空気が流れて、息がしづらい。
「そっ、その……?一緒に作業を、したいって意味で~………」
適当な言い訳を並べる。
百合先輩はキョトンと可愛い顔をして黙っているままだ。
「……梶原くん、私のこと好きなの?」
「えっ?!!」
大袈裟に反応してしまった。
(なんで?!なんで分かった??!)
図星を突かれた俺は黙ることしかできない。
「……顔、真っ赤だよ。」
可笑しそうに笑う百合先輩。
どんどん俺に近づいてくる。
駄目だ。
『嫌い』 、『聖弥が好き』、なんて言われたら辛い。
それに……今じゃない気がする。
「梶原くん?」
俺は百合先輩から顔を背けて床にしゃがむ。
「…その時が来たら言うんで……俺…こんな見た目じゃ……百合先輩の隣にいる資格ないです。」
聖弥先輩は身だしなみが俺よりも整っていて、髪の毛も染めていない。
こんな美人な人に告白をするなら、それに見合うようにしないといけない。
「……梶原くん……。」
百合先輩は俺と目線を合わせるように、腰を下ろす。
「……私は、梶原くんみたいな人がタイプかな。」
…………え?
俺は驚きのあまり顔を上げる。
百合先輩と、ぱちっと目が合う。
その瞬間、百合先輩は優しく微笑んで
「また明日ね。」
彼女は耳を赤らめながら教室を出た。
置いてきぼりになった俺は体が動かない。
心臓の音がうるさい。
「っ~~~~?!!!」
(脈アリ?!脈アリってことか?!!!)
俺はすごく喜んだ。
告白すれば絶対付き合ってくれる。
俺のどこら辺が百合先輩のタイプなのか分からねぇけどめっちゃ嬉しい。
俺は嬉しさのあまり走って百合先輩を追ってみる。
一緒に帰って、もっと距離を縮めたい。
たくさん話したい。
もっと好きになりたい。
「っ!ゆりせんぱ……」
「おねーちゃん!迎えにきてくれたの?」
「ええ、帰りましょ。」
………?
校門の前で百合先輩の姉らしき人がいる。
(姉妹揃って綺麗な顔してるなー……)
それは遠くからでもわかるほど綺麗な人だった。
百合先輩とは違う、茶髪で短い髪。
身長は高く、耳に複数のピアスと首には豪華な金色のネックレスをしている。
「っ!」
百合先輩のお姉さんと目が合った。
その人は俺をみるなり顔を真っ青にして、百合先輩を連れて走って行った。
「………?」
失礼な人だと思った。
もしかしたら、俺はあの人に何かしたかもしれない。
今度、また会った時に話かけてみよっかな。
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