イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな

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初恋

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「俺、百合先輩のこと好きなんだよね…。あの2人がそういう仲なら、諦めるしかねぇよな。」

意外にもサッパリした気持ち

中学では雄斗が近くにいたせいでまともに恋愛をしていない。

高校ではその反面、グレて雄斗から逃れようと思ったけど中々上手くいかない。

その度に先生やクラスの奴に冷たく呆れられる日々。


百合先輩は違った。


優しく笑ってくれる。

初めて出会った時も、廊下を走ったことの注意じゃなくて俺に対する安全の注意。

優しく笑って、普段は静かなのに少し天然味があって、


「優しく笑って、物静かでかわいいじゃん。」

つい声が出てしまった。

雄斗は俺が百合先輩を好きという回答にまだ返事してないというのに


「……で…おれ、………やくそくしたじゃん」


「……雄斗、?」

おかしい

何かがおかしい

百合先輩と聖弥先輩はあの状態から動かない


雄斗は……何か考え事をしているように頭を抱えている。


「…大丈夫か?」

俺がそう近づくと
雄斗の顔は真っ青でまるで何かに絶望したような……

(…この表情も初めて見た……)

「…………帰る。」

「はっ?ゆうとっ、?!」

いきなり雄斗はそう言い、止める暇もないほど走って教室を出た。

その瞬間、聖弥先輩はこちらを振り向き同時に何か急いで教室を出て行った。


「…………梶原くん?」

「百合先輩……」

ゆうと、雄斗を追わないと……

あんな切羽詰まった顔はやばい


何で?




……俺が、百合先輩を好きだと言ったから?


「梶原くん!大丈夫?!汗が……」

「え……?」

何故か、俺までも大量の汗をかいている

震えが止まらない

    “ 嫌われたくない ”


 “ 好きじゃ足りない ”

        “ 早く追わないと ”

(………っ???)

頭の中で、誰かの声がする


やめろ


やめてくれ……


「梶原くん!!!!」

「……っ?!!」


百合先輩からは想像できないほど、大きい声が教室中に響いて少し驚く


「座って。落ち着こう。」

そう言って百合先輩は椅子を出し、俺は腰をかける。

「どうかしたの?廣瀬くんも……いなくなったし」
「…… 聖弥先輩とは…どんな関係なんですか?」
 


「……聖弥……?」

百合先輩が話している途中に俺は聞いてしまった。
本当は失礼極まりないけど……まずは2人の関係を聞きたい。

………心のモヤモヤが取れない。

「聖弥とは……ただの同級生だけど…、もしかして聖弥にバックハグされてたの見てた?」

「あっ……はい……。」

百合先輩は困ったような顔を浮かべる

「私もねびっくりした。いきなり抱きしめてきたんだもん。」


………いきなり、?


じゃあ、あの時の……教室に入る前の気まずい雰囲気は……?


「聖弥先輩と……百合先輩って……何か関係ありましたか?」

「………半年前くらいに告白されたことかな。断った後に聖弥さ、しばらく学校に来なかったんだよね。」

(告白………?)


確かに百合先輩は綺麗だ。

告白されてもおかしくない。

だけど、雄斗が教室を出た途端に、なんで聖弥先輩も出て行ったんだ………?


雄斗が、何か企んでいた………?


「………私、聖弥を探しに行ってくる。」

「え?」

「私のせいで……聖弥は学校にしばらく来なかったと思うの……私が、行かないと。」


………………………



「聖弥先輩は、大丈夫だと思います。雄斗と一緒に多分いますよ。」


「けど……」


「大丈夫っすよ。」

「……………」

大丈夫かなんて分かない。

ただ、百合先輩を行かせたら…聖弥先輩と本当に付き合いそうで……嫌だ。


「…百合先輩、作業の続きしましょ。」

「………………」


「行かせたくないんです。」


「…………え?」










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