イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな

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冷静でいられない

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どうしよう

どうしよう


「梶原くん………」


どうしよう


「ま、まって……来ないでっ……」


ご主人様の命令がないと……何もできない……、


「そんなに怯えないで……話があるんです。」


「やだっ来るなっ!!近づくなよッ!!」



「ッ……危ねぇな!!殴ろうとしないでください。」


「やだ…やだやだ来るなッ!!!お前じゃない!!!」


殴る、蹴る、叩く、引っ掻く、近づいてくるメイドを頑張って遠ざけようとするけど女は全て避けて俺の胸ぐらを掴む。


(やめろ……触るなよ……!!)


ご主人様にバレたら、



嫌われる





「ここを出て行きますよ。」





「え?」


耳を疑った


(どういうことだ………)



この女……前に俺を殺そうとしたんだぞ…?



もしかして、


「俺からご主人様を奪うのか……?」


「解釈違いですけど半分合ってます。」



「……出ていくわけないだろ。俺はずっと…、ご主人様と生きるんだ……2人だけで生きるんだよ。」


「なに可笑しなこと言ってるんですか。行きますよ。」


「行かねぇよ!!!離せよ!!!!」


「離しませんよ。」


「離せよッ!!!!!」


離して



早く離して


お願いだから



ご主人様に見られたら…………








「やめてください……触らないでください……俺に何もしないでください.………っ」



「……………….…」


「お願いします………。」







「……………無理です。」



メイドは俺の胸から手を下げて俺を見つめる



「私の……大切な妹を助けるために貴方の力が必要なの……。だから……、……お願い…………。」


あ、


(いつも強気な顔をするこの女……こんな弱々しい顔もするんだ……。)


………………………………


よく顔を見てみれば、……


小さくて高い鼻、小さい顔に大きい瞳……髪の毛の色も真っ黒で


百合先輩となんとなく似てるな………



「…………きもちわるい。」


「はい…?」


「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い!!!俺の前から消えろ!!」


「…………………」


「お前を見てると心底気分が悪くなる……!俺だけのご主人様なのにッ!!!早く失せろ!!!キモいんだよ!!!!!!あの女に似てる……!俺が世界で1番憎くて……、脳裏に離れないあの糞女とッ……!!!!」



自分でも驚くほど大きい声を上げている、


まるで……雄斗に対する麻耶のように……、





「………どうして、さっきからうさぎのぬいぐるみを離してないの?」


「は…………?」


メイドが…急に訳の分からないことを言ってきた。


「このぬいぐるみ……麻耶ちゃんの?」


「麻耶、ちゃん…………?なんでお前が知ってるんだよ…、?」


「………私に、生きる希望をくれた人だから、…」


麻耶が……?
この女を……?


生きる希望……?



「何言ってんだよ…、麻耶からお前の話聞いたことないし……、」


「ちなみに、梶原君にも会ったことあるよ。…随分前の話だけどね。」


メイドは俺が握ってるぬいぐるみの耳をそっと触る。

「すごくいい匂い……クワの匂いかしら……。」


(クワ………………、)


「………クワの花言葉ってなに、?」


「え?」

咄嗟に聞いてしまった


だけど、聞きたい


どういう意味なのか、

麻耶がどうして俺にこの実を食べさせたかったのか、


淡い期待を抱くなら


一緒に生きよう、2人で幸せになろう、

そんな柔らかい意味だと信じてる



だけど、そんなのとは全然違って


意味を知った瞬間に俺は体が動かなくなった。













    “「共に死のう」”



















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