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行方(???)
2
しおりを挟む《証明書をかざして下さい》
ピッ
《本人確認をします。秘密の質問に答えて下さい。》
「私の名前は奥村遥奈。嫌いな食べ物は肉。」
《完了です。扉が開きます。》
「………」
相変わらず重そうな扉ね。
「ッ………!」
臭い。
マスク越しからでも分かる。
血の匂いが部屋中に広がってる。気持ち悪い。
床に散らばってるカッター
破かれた枕やぬいぐるみ
ハンガーで首吊りでもしようとしたのかしら
壁を爪で引っ掻いたような跡
それ以外にも沢山の痛々しい跡がこの部屋に残ってる。
(本当に可哀想)
なんて微塵も思ってないけど。
それより
「…………」
部屋の隅で首や顔、身体中引っ掻き傷のある男が横たわってる。
植物状態なのか、それともただ眠っているだけか、
大量の排泄物を漏らしている
(汚ねぇな、こういうのは別の職業の人に任せろよ…)
とりあえず防犯カメラが部屋の何処にあるか確認をしてから男を起こす。
(カメラは、7つか………)
「聞こえますか?起きてください。」
「んーっ………」
起きないか
でも起きてくれなきゃ困る
「起きて下さい。ほら。」
私は男の引っ掻き傷に爪を刺す
それでも全然起きてくれない
「困ったわね。」
元はと言えばこの男が悪いのに。
自分の欲に我慢できなくて己を信じてくれた人を裏切った最低な人。
「………」
(まぁ、顔は少しカッコよかったり…?)
なんて!そんなことない!!!
別に起こすのは排便を介助してからでいいわ。
この男には良い駒になってもらわないと
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