イケメン幼馴染に執着されるSub

ひな

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「重ねるだけ」

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「んっはぁっ」

「キス、上手くなったね。」

「はっぁご、ごしゅじんさまっ」

「そのキスも、隼人とやって覚えたのかな?」

「ちっちがうっ」

「嘘ばっかり。」

ご主人様は強く俺を抱きしめて、また俺よりも深いキスをする。

「その顔、俺以外の人間に見せたと思うとうムカつくね。」

「んんっ…」

その顔、?
俺は今どんな顔をしてるんだ。

「まぁ俺のこと好きならこれからもずっと俺だけに色んなふーくんを見せてね。」

「っ…!」

罪だ。

イケメンって恥ずかしい顔と喜んでる顔って破壊力のある国宝級の顔になるじゃん?
その視線が、今俺に向いている。

(顔ッ整いすぎだろ……)

「?、なんで俺のほう見なくなったの?」

「あえっ?いやっちょっと……」

「こっち見てよ。俺もっとふーくんの顔見たい。」

「やっ、無理っムリムリ直視できないっ…」

「なんで?」

「っ……無理だから。」

(今雄斗の顔直視したら絶対変な顔になるっ…!)

「俺のこと嫌いだから?」

「えっ?」

まって、何を勘違いしてる?
いや、俺が雄斗のこと好きって思ってることも重度の勘違いだけどさ…


 目をそらすな
「”【Look】”」

「”っ!!!!”」

また命令された。
やばい、
嫌でも顔が、視線が、雄斗のほうを見ちゃう……

「ふーくん。」

「…何だよ」

「めちゃくちゃ顔真っ赤じゃん。俺の顔見て恥ずかしくなったの?」

「!!ちがうっ」

「分かりやすいなぁ。ふーくんは俺の顔、好きなんだ?」

「………嫌いな奴は居ないだろ。」

「はいはい。好きなんだね~。」

「ふーくんにこの顔を好かれるなら生まれてきて良かった。」なんて意味わかんないことを言われる。

(雄斗の顔と麻耶の顔なんて性別転換しただけでどっちも整ってるだろ…。)

「俺もふーくんの顔大好きだよ。」

「ひゃっ!?」

冷たい雄斗の手は俺の頬に当て俺の目を見つめる。

「その赤茶色の目も、長いまつ毛も、鼻の形も少し荒れた唇も顎にあるホクロも、さっき俺が殴った頬の赤みも全部好き。」

「勿論、そこだけじゃない。色白の肌も銀色の傷んだ髪の毛も快楽に弱い身体も、手も足も爪も細胞も臓器も全部好き。」

雄斗は俺の手を重ねて引く。

「この痛々しい腕の傷も大好きだよ。その分、傷ついてくれたんだから。」

「……流石に、言い過ぎじゃないか?」

「全部本音だよ。俺はふーくんに嘘なんて吐かない。」

……マジかよ。
なんで雄斗はこんなに俺のこと好きなんだ?
お前の妹を殺したっていうのに。
というか薄々気づいてたけど雄斗って愛が重い。

「はぁ、ふーくんの好きなこと言ってたら更に熱くなってきた。」

パタパタと雄斗は手で仰いで髪を上げる。

(イケメンのオールバックやばッ!!)

普段シースルーマッシュの美男子がオールバックしたらギャップの塊でしかない。

「また俺に惚れた?」

「そんなことっ……」

だから惚れてないって…!
第一、俺の親父を殺した相手に惚れるわけ……

「……あれ。」

「どうしたの?ふーくん。」

「…ない」

「ん?」

さっきまで、机の上に置いてあったものが、

「指輪が、ない」


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