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雄斗__Part2
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しおりを挟むもうすぐ。
もうすぐふーくんに会える。
隼人の家は無駄にセキュリティーが固くて中々部屋に入れないし百合を使ってもふーくんを出してくれなかった。
(ほんと、無駄に頭がある奴は疲れる。)
さらに心配事も1つある。
ふーくんに記憶が戻らないかということだ。
前から隼人は昔の事件について根深く調べていた。
図書室に行っても新聞局に行ってもその情報の答えなんてあるわけない。俺が消したんだから。
だけどあいつ。
ふーくんの父親が隼人に言った。
事件の真相と発端。そして、ふーくんがした事。
俺が思い出させたかった。
思い出させて、一生償ってほしい。
他の奴じゃ駄目なんだ。
俺以外の人間が、あの事件のことをふーくんに思い出させたら
きっと廃人になる。
だめだ。絶対だめ。
嗚呼もう。
早く言っとけば良かった、だけど……
「廣瀬様。買収の件、完了致しました。」
「ああ、分かった。これであのマンションは俺の勝手ってことだよな?」
「はい。これで廣瀬様があのマンションのオーナーです。」
麻耶、もうすぐ終わるよ。
終わらせれる。
「廣瀬様、そちらの写真は?」
俺の専属メイド、遥奈が言う。
「お前には関係ない。それよりふーくんの母はいまどうしてる?」
「地下の牢屋に閉じ込めてますよ。」
「何か変なことはしてないか?」
「はい。特に変わった様子もなく、いつも通り静かですよ。」
「じゃあ、ふーくんの父は?」
「あれは……」
遥奈が一瞬口を閉ざし、少し考えてから笑顔で言った。
「言葉にできません。」
当たり前だ。
ただ生ぬるく生かしておく訳にはいかない。
「ありがとう。」
俺はそう言って車に乗り、隼人のマンションへ向かう。
「マンションに火でもつけるんですか?」
「は?そんな事する訳ないだろ。…なんで?」
「いいえ。そんな予感がしただけです。」
遥奈は笑いながらそう言う。
そんなことしない。
俺は隼人を殺す。
これだけさ。
ぶっ殺してやる。
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