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これからと苦悩
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しおりを挟む「梶原は悪いなぁ。俺にこんなに助けて貰ったのに逃げるなんて」
「え…?はやと、?」
「ご主人様に向かって何言ってんの?」
謝れ
「【Apologize】」
「ひぃッ!」
「ほら、もっと顔を床に付けて。腰ももっと低くしてよ?」
「うっ、ぐぅッ…つ…」
なんで
なんでこうなった
「はやとっ…どうしてッ…」
「隼人、じゃないよね?」
「うぁっ…」
隼人が俺の頭を踏んでる。
昨日まで、さっきまで優しかった隼人がこんなにも豹変するなんて、
「ご、ごしゅじんさま…」
「はーい。どうしたの?梶原。」
「俺っ、何かしましたかッ?なんでっいきなりこんなこと…」
「梶原…」
雄斗まではいかないが、白い肌に整った顔。少し切なそうな顔をした隼人からは顔に似合わない衝撃的なことを彼は言った。
「自分で考えて?」
その瞬間ぐいっと裾を引っ張られて俺と隼人はキスをした。
「んッ?!!」
嫌だ。
まって、無理、嫌だ、
これじゃまるで、雄斗に犯された時と同じになる。
「隼人っ!落ち着け!冷静になれよ!こんなのお前らしくねぇよ!」
俺は隼人を突き放して玄関へ向かう。
(逃げないと、犯される、ヤられる、痛いことされる…)
待て
「【Stop】」
「ぁ…」
体が動かない、玄関まであと少しなのに。
「セーフワード。決めてないから梶原、逃げられないよ。」
そうニッコリと隼人は笑って俺を抱きしめた。
「まぁこんなことさせてもあとで忘れされるから俺が梶原に嫌われるなんてこと無いんだけどね。」
は?忘れる?
どういうことだ、?
「雄斗が梶原のこと、なんであんなに執着してるか分かる?」
「しっ、知らない…過去がなんとかって…」
「俺さ、いっぱい考えていっぱい調べたんだよね。結構苦労したよ。」
隼人が、苦労した?
頭がいい優秀な隼人でさえ苦労した俺と雄斗の過去…?
「それって、なに…」
隼人が俺の腰に手を回す。
気持ち悪い、だけど拒んだら教えてくれないかもしれない。
「梶原…」
『この、人殺し。』
「はっ、ぁ…?」
人殺し、?人、殺し…殺し…人…
「う、うぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
頭が痛い。
全身から血の気が引く。
なんで?
なんでこんな、いきなり
「よしよし。」
隼人が俺の背中をさする。
「俺はそんな梶原でさえ愛おしいし大好きだから大丈夫だよ。」
何か隼人が変なことを言ってるけど何も聞こえない。頭に入らない。
人殺し。
なんでそんな言葉でこんなに取り乱してるのが自分でも分からない。いいや、分かりたくないんだろう。
「俺が忘れ去れて上げるから、一緒に居ようね。」
そう言って隼人はまた俺にキスをした。
気持ち悪い。
だけど逃げられない。
離して。
やめて。
お願いします。勘弁してください。
「うわっ、泣いてる顔そそる…」
そう言って彼は俺の服の下に手を入れた。
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