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子供
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しおりを挟む「梶原、タオルと着替え、ここに置いとくから。」
「お、おう。ありがとー…」
梶原の家は意外にもめちゃくちゃ金持ちだ。
だからさ、一般庶民がお邪魔しちゃダメな気がしてきた。
なんでって?
なんかめっちゃ高級そうなシャンプーがあって使って良いのか不安になる…!
それもこのシャンプー、有名インフルエンサーが紹介してためっちゃ良いやつだし!
「あー、シャンプー?全然使っていいよ。ストックまだあるから。」
「じゃあ、お言葉に甘えて…」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「風呂どうだった?熱くなかった?」
「大丈夫。それよりも、着替えまで借りちゃってごめんな。」
「ううん。大丈夫だよ。下着も新品だしその服あんまり着てなかったやつだから丁度いいよ。」
隼人はニコっと微笑む。
「………」
(なんか雄斗が男を好きになる理由分かったかも…。でもあんなに独占しようとか思わないけどな。)
「あ!お腹すいたしょ?出前はもう取ってあるからゆっくりしてね」
「出前?!悪いよ。そんなの」
「大丈夫、俺さ料理作れないから結構出前頼んでるんだよね~」
「そ、そうなのか?」
「うん。あとさ、さっきから梶原自信無させ過ぎ。前みたいに気の強い梶原も好きだったのにな。」
「気ぃ強いって……仕方ないだろ。」
「…あのさ、梶原が無理に何かを話さなくても大丈夫だけど、話すことで梶原の荷が軽くなるなら話してほしい。絶対に引かないし助ける。」
「隼人……」
隼人が熱い視線で俺を見つめる。
本当に助けてくれそうな、その目に嘘は無いただ一途な眼差し。
でも、言えない。
恥ずかしいみっともない気持ち悪い嫌い痛い辛い嫌だ汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い
汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い
汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い
汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い
「梶原」
隼人が俺を抱きしめる。
「泣かないで。大丈夫、大丈夫。」
隼人が背中を叩いて、慰めてくれる。
気づかない間に俺は泣いていたのか。
頬には涙が伝って、体も震えてる。
(だけど、隼人がいると落ち着く…)
「ありがとう、隼人。大丈夫。うん、話せる。」
俺がそう言うと隼人はそっと手を離してお互い正面に座った。
「俺ね、雄斗にヤられた。無理矢理、空き教室と地下室で。傷もいっぱいついた。」
「…は?」
「さっき言った、キスもゲロも本当。あと、俺はSubだった。」
俺がそう言うと隼人は悲しそうな顔をして、また俺を抱きしめた。
「痛かった?」
「痛いよ。」
「そうだよね、よく1人で頑張ったよ。」
ポンポンと隼人は優しい手で頭を撫でてくれる。
(やばい、また泣きそう…)
「ねぇ、梶原。」
「ん?」
「【good boy】」
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