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拒絶と認識
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しおりを挟む自分の部屋なのに自分の部屋じゃないみたい。
ご主人様がいるからかな、楽園に感じる
「ふーくんさ、俺の手、引っ掻いたよね?痛いんだけど。」
「あっ、ごめん…」
「”ごめん”?随分偉そうな立場になったんだね。嫌いになるよ」
「やっやだ!嫌わないで…ごめんなさい!ごめんない!」
(あれ、俺何してるんだ…
あぁ、またか。)
「許して欲しい?」
「はい…なんでもします…」
俺は引っ掻いてしまったご主人の手を舐める。
深く傷つけてしまったのか、少し血の味がさる。
「ん…ぅ、んん?!」
ご主人様の手の甲を舐め続けていたら、いきなりご主人様は俺の口の中に指を入れて来た。
「ん”ん…ぶちゅっ、はっ…んぁ、」
(喉の奥まで、細くて長いのがはいる…ちんこと全然違う…)
「ごひゅじんさま…んぐっぅ、んん…」
「すっご…ふーくんの喉、結構深くまで入るんだね。」
「ごしゅっ、おぇっ…ごほっごほっ…」
「あー、可哀想に。喉ちんこに当たってむせてる。今日食べたご飯、吐き出しちゃうんじゃない?」
「お”ぇっ…ごほっごほッ…ゔっ」
「吐き出したくないね。自分の部屋だもんね。汚れると嫌だもんね。」
「お”っごぼっ…っん”んっ…」
「でもさ、この間俺にセーフワード、言ったよね。勝手にご主人様から逃げてさ、ただで済むと思ってる?」
「あ”っ、そんなことっ…んんっ””」
吐いて
「【Throw up】」
「ゔっ”お”っえ”ぇっごぼっごっ””」
(あれ、え?俺、吐いた…?)
「うわっ、汚ったな…」
「げほっげほっ””」
「はいはい、辛いね。気持ち悪いね。」
ご主人様は俺の背中を摩ってくれる。
嬉しい。
吐いて良かったかも。
「俺の手もふーくんのゲロまみれになっちゃったけど、まぁいいや」
ご主人様はそう言ってペロっと手を舐めた。
「ふーくん。またセーフワードを使って逃げたり、無視したらゲロ吐いてもらうからね。」
「あぁうぁ”…?」
「…理性ないか。
というかゲロ吐いたから少し臭いな…」
ご主人様が部屋の窓を開ける。
窓から入る風が少し冷たい。
今なら逃げれるかも。
なんて、馬鹿なこと考えてる。
逃げてもまた捕まるしゲロ吐かされるだけ。
でも、今。
ご主人様が外を眺めてる今なら逃げれるかも。
こんなことずっとされてたら病気になる、いいや。もうなってるかもしれない。
雄斗のことをご主人様と、シラフの今、思っている現状がもう病気だ。
「ふーくん」
「あっ…」
「逃げちゃ、だめだよ?」
「に、逃げないです…」
「ふーん…」
ご主人様がゆっくり俺のほうへ来る
(またお仕置きされるのか?)
怖い。怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い
俺は身構えて目を瞑る。
「そんなに震えないで」
ご主人様が俺の頭を撫でる
「よく考えてみたらさっきのはやり過ぎた。ごめんね。」
…は?
なんでいきなり優しくなるんだよ。
なんで、優しい手で俺を撫でるんだよ。
「…好き過ぎて、自分で制御が効かなくて、結果的にふーくんに酷いことしてさ、本当にごめん。」
「だけどね、嫌いでしてる訳じゃないんだ。大好きだから、愛してるからしてる…分かって欲しいとは言わないけど…、本当に、ふーくんのことが世界で1番大好きなんだ。」
「雄斗…」
雄斗…雄斗…
………
やっぱりこいつは病気だ。
頭がおかしい。
こんなことしておいて何がごめんだの大好きだの愛してるだ。
こいつは頭のネジが外れてる。
こんな変な奴と、俺はずっと一緒だったんだ。
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