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拒絶と認識
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しおりを挟む「た、ただいまー……」
「風!遅いわよ!ほら、雄斗くん待ってるから早く行って!」
「わーかったよ、」
「仲良くしてね…」
母さんは不安そうな顔をしている。
(仲良くしてねって言うなら俺と雄斗の話教えろよ…)
はぁ、嫌だな、
でもなんかあったら俺には隼人がいる。
頼りたくはないけど、まぁ…もしもって時にはプライドを捨てて助けてもらおう。
ガチャッ
「ふーくん…」
「………」
雄斗だ。
3日振りの雄斗。
3日しか時間は経ってないのになんだか少し痩せたように見える。
(あれ、こんなにかっこよかった?)
「あー、遅くなってごめん。」
「大丈夫だよ…俺こそ急に呼んでごめんね。」
「いや、別に…。」
「…」
「………」
気まづい。
沈黙が続く。
え?これだけで話終わり?
チラッと俺は雄斗を見る。
雄斗はニコッと微笑んでいる。
「………」
何か変だ。
雄斗以外の視線が感じる、いや撮られてる?
俺が家に帰ってくるまで30分かかった。
その間に雄斗は俺の部屋にいた。
何かしててもおかしくないのでは?
「…雄斗、何か撮ってる?」
「え?」
雄斗はキョトンとした顔をしている。
「何も撮ってないよ。」
「……」
「それよりも、さ。話したいことがあるんだ。」
「何…」
「あの時の、ふーくんを無理矢理したこと、殺そうとした事、謝りたくて」。
「……」
謝りたくて、か。
謝られたって許せない。
1人で考えてたら勝手に結果が出て、絶対に許さないけど高校生の間は一緒にいようと考えた。
だけど、いざ雄斗と話して謝罪の言葉を並べられるとふざけるな、と殴る衝動に駆られそうだ。
「本当に、ごめんなさい。」
「………」
「許して貰えるなんて思ってない、だけど……」
雄斗が何か言ってる。
別に興味ない。
どうせごめんなさいとかそんな言葉の連鎖だろ。謝罪なんて今更求めてない。
むしろ、俺も聞きたいことがある。
「あのさ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど……」
「うん、?」
「俺さ、昔お前になんかした?」
「え」
雄斗はハッとした顔をしている。
「それ、ふーくんのお母さんから聞いたの?内容も、全部聞いた?」
「えっ、いや……なんとなく、」
「……そっか。」
びっくりした。
雄斗がいきなり顔色を変えたから咄嗟に嘘ついた。
けど、なんかヤバそう。
「…ねぇ、ふーくん。俺からも聞きたいことがあるんだよね。」
「えっ、何…」
「そんなに警戒しなくて大丈夫だよ。」
雄斗はゆっくりと俺のほうに向かって来る。
俺は少し後退りをするけどすぐ後ろは壁で、雄斗が俺に壁ドンをする体制になった。
「………」
雄斗が俺を見下ろす。
無表情の、何の感情も見えない雄斗の顔が怖い。
「ふーくん。」
「なんだよ…」
「俺たち、付き合わない?」
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