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模範的な雑魚だな

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「ソ、ソウタ、、さま。。。」

あぁ~、良いっすね~。
久しぶりに人間の女に名前を呼ばれたぜぇ。
しかも美少女。
なんかこう、生き返る感じ。

「お前、名前は?」

俺は彼女に名を聞く。

「あ、は、はい!わたしの名前はイリスです!、、、ソウタさま。。。」
「そうか。イリス」
「は、はい。。。」
「危険だから下がってろ」
「は、はい。。!」

イリスはエメラルドの潤んだ目で俺を見詰める。
まるで時が止まったかのようだ。

「ヒャッハー!!」

ゴキブリどもの耳障りな鳴き声で時間は動き出す。
汚らわしい。

俺は盗賊を見回す。
雑魚ばっかだな、これは。

「ゴチャゴチャしゃべってんじゃねーよ!!」

盗賊の一人が俺に剣を振り下ろす。

熱魔法発動ヒートマジック・オン金属溶解メタルメルト!!≫

盗賊の振り下ろした剣は俺に当たる前に高温に熱され溶けて刃が無くなった。

「なっ、なんだぁ!!?」

盗賊は慌てふためく。

「魔法だ!」
「魔法使いだ!!」
「本当に魔法使いはいたのか!?」

他の盗賊たちも騒ぎ出す。

「うぅぅぅうああぁああああ!!!」

俺に剣を振り下ろしてきた盗賊は恐怖で気が触れたように殴りかかってくる。
盗賊のノロマなパンチを俺は余裕で避けた。

「弱すぎて話にならねーなぁ」

俺は溜め息を吐く。
そして盗賊の顔面を拳で殴りつける。

ドゴッ!!!

盗賊は三メートルほど宙を舞い、

ズダァァアン……!!!

地面に落下した。

「ぶっ殺せ!!こいつは放っておいたらヤベェ!!全員で一斉に襲い掛かってぶっ殺すんだ!!」

盗賊のリーダーなのだろうか?顎髭を蓄えた男が叫ぶと盗賊たちが俺に襲いかかってくる。

地球上で一番足の速い人間よりも、そこら辺の動物の方が足が速い。
俺は動物なんか比較にならないほどスピードの高い魔族と戦い従わせて来たんだ。
人間に後れを取るはずもない。
まあ、俺も人間だけど。

「ソウタさま……すごいです……きゃあっ!!」

イリスが悲鳴を上げる。

「グハハハハハッ!!油断したなぁ!!ソウタとか言う男よ!お前はこの娘か町を救いに来たのだろう!?それならば人質には手を出せまい!!」

盗賊のリーダーらしき男はイリスの首筋にナイフを添えた。

「どうだ!?さっきみたいに刃物を熱で溶かすか!?ナイフの刃はこの娘の首に密着している!刃物が溶けるような高熱を魔法で生み出せばこの娘も無事では済まんぞ!!」

俺が従わなければイリスの首をかき切ると言いたいのだろう。

「他の奴らよりは頭が回るらしいな」

俺は皮肉を言った。

「グハハハハハハッ!!どうだ!まいったかっ!?」

盗賊のリーダーは得意げに笑う。

「あぁ、まいったぜ」

お前の馬鹿さ加減にな。


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