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結婚式編
君の未来に祝福を(side サイス&ミリュエンヌ)
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詰め込み感ハンパないのでご了承ください。
(サイス)
結婚式準備は大変だった。
個人的にはこじんまりとした教会で身内だけであげたかったが、これでも貴族としての対面もありそんなことはできなかった。
招待客も婚姻している貴族を中心にしようとした。
しかし、ミリュエンヌ様が「絶対に参加する」と言い始めたことをきっかけにアルフィリード殿下やクロウギリア殿下も参加すると言い始めた。
そして、なぜか国王夫妻も興味を持ち始めたのか参加をすると言い、顔が引きつったのはしょうがないと思う。
警備体制を一から考える羽目になり、招待客も選定しなおした。
ドレスや花のセンスは正直わからないので、母の力を借りた。いつのまにかミリュエンヌ様も参加して、王家のお針子と我が家の次女たちと一緒に盛り上がっていた。
「サイス。リシアちゃんは何色が好きかしら?」
「…空の青ですね」
「あら、それはサムシングブルーで使うからきまってるわ。他にないかしら?」
「明るい色。でも薄めの色が好きみたいな気がします」
たまに聞かれるのはそんなこと。
みんな楽しそうで何よりだ。
警備の話は3人でいるときにする。
俺は単純にリシアに負担をかけたくなかったから言っていなかったが、いつの間にかサプライズ結婚式になるようだ。
主催者であり、一応主役の片割れである俺よりみんな楽しそうだった。
(ミリュエンヌ)
今日は私のお友達の結婚式だ。
今日のためにいっぱい用意をしてきた。
ドレスはみんなでいっぱい悩んで最高のものを作り、花は花屋から買い占める勢いで用意した。
準備は万端だ。
そわそわしていると、ようやく花嫁が到着した。
リシアはどうして教会にきたのかわからないみたいだ。
「リシア。ようやくきたわね」
「ミリュエンヌ様。ここは?」
「説明は後だわ。まずはこっちにきてくれるかしら」
控室に半ば連行してまずは準備をしてしまう。
真っ白なAラインのドレスに一針一針みんなで刺繍したベール。
化粧は薄くしてあとは仕上げだ。
「リシア。サムシング4って知っているかしら?」
「サムシング4ですか?わからないです」
「結婚式の時に持っていると幸せになれるというジンクスがあるのよ」
「え…?」
私たちは用意したものを取り出した。
まずは、義母になるアリアナ様から。
「私からは一つ古いものを。これは先祖代々我が家の次期夫人に受け継がれるネックレスよ」
「大事なものでは?!!」
「ええ。大事だから渡すのよ。次はあなたの娘に渡してね」
「…はい」
次は私が預かっている。
「これはシェハル達からよ。一つ新しいもの。綺麗なグローブね」
「は……い」
次は使用人の1人が進み出た。
「私たちは一つ青いものを。これは青薔薇の髪飾りです。みんなでお金を出し合って買いました」
「あ…りが…と」
最後は私。
「私からは一つ借りたものを。これは私の亡くなったおばあさまからいただいたイヤリングよ」
「……っ」
リシアはもう号泣していた。
せっかくお化粧をしたのにボロボロになっている。
「あらあら、リシアちゃん。まだ泣くには早いわよ」
「ご…めん…な……さ」
「ハンカチをかしてあげるわね」
海の国では結婚式はないと言っていた。
もしかしたらよくはわかっていないかもしれないけど、心から祝われているのはわかるのかもしれない。
私たちは楽しくて…同時に嬉しかった。
こんなにいい子が幸せになろうとしているのだから。
この子が来てから少しかもしれないけど変わったのだ。
サイスは少し笑うようになった。それによって屋敷の雰囲気も明るくなり、使用人達も働きやすくなった。
アルフィリードは女性への苦手意識が少し治った。それによって側近達のフォローが軽減された。
私も私でいいんだって思えた。そしたらなんだか吹っ切れて今の私が好きになった。
アルフィリードも良かったねって、言ってくれた。
どうか幸せに。
ありきたりかもしれないけど、そんな思いで選んで渡しているのだ。
それが少しでも伝わればいいと思った。
(サイス)
結婚式準備は大変だった。
個人的にはこじんまりとした教会で身内だけであげたかったが、これでも貴族としての対面もありそんなことはできなかった。
招待客も婚姻している貴族を中心にしようとした。
しかし、ミリュエンヌ様が「絶対に参加する」と言い始めたことをきっかけにアルフィリード殿下やクロウギリア殿下も参加すると言い始めた。
そして、なぜか国王夫妻も興味を持ち始めたのか参加をすると言い、顔が引きつったのはしょうがないと思う。
警備体制を一から考える羽目になり、招待客も選定しなおした。
ドレスや花のセンスは正直わからないので、母の力を借りた。いつのまにかミリュエンヌ様も参加して、王家のお針子と我が家の次女たちと一緒に盛り上がっていた。
「サイス。リシアちゃんは何色が好きかしら?」
「…空の青ですね」
「あら、それはサムシングブルーで使うからきまってるわ。他にないかしら?」
「明るい色。でも薄めの色が好きみたいな気がします」
たまに聞かれるのはそんなこと。
みんな楽しそうで何よりだ。
警備の話は3人でいるときにする。
俺は単純にリシアに負担をかけたくなかったから言っていなかったが、いつの間にかサプライズ結婚式になるようだ。
主催者であり、一応主役の片割れである俺よりみんな楽しそうだった。
(ミリュエンヌ)
今日は私のお友達の結婚式だ。
今日のためにいっぱい用意をしてきた。
ドレスはみんなでいっぱい悩んで最高のものを作り、花は花屋から買い占める勢いで用意した。
準備は万端だ。
そわそわしていると、ようやく花嫁が到着した。
リシアはどうして教会にきたのかわからないみたいだ。
「リシア。ようやくきたわね」
「ミリュエンヌ様。ここは?」
「説明は後だわ。まずはこっちにきてくれるかしら」
控室に半ば連行してまずは準備をしてしまう。
真っ白なAラインのドレスに一針一針みんなで刺繍したベール。
化粧は薄くしてあとは仕上げだ。
「リシア。サムシング4って知っているかしら?」
「サムシング4ですか?わからないです」
「結婚式の時に持っていると幸せになれるというジンクスがあるのよ」
「え…?」
私たちは用意したものを取り出した。
まずは、義母になるアリアナ様から。
「私からは一つ古いものを。これは先祖代々我が家の次期夫人に受け継がれるネックレスよ」
「大事なものでは?!!」
「ええ。大事だから渡すのよ。次はあなたの娘に渡してね」
「…はい」
次は私が預かっている。
「これはシェハル達からよ。一つ新しいもの。綺麗なグローブね」
「は……い」
次は使用人の1人が進み出た。
「私たちは一つ青いものを。これは青薔薇の髪飾りです。みんなでお金を出し合って買いました」
「あ…りが…と」
最後は私。
「私からは一つ借りたものを。これは私の亡くなったおばあさまからいただいたイヤリングよ」
「……っ」
リシアはもう号泣していた。
せっかくお化粧をしたのにボロボロになっている。
「あらあら、リシアちゃん。まだ泣くには早いわよ」
「ご…めん…な……さ」
「ハンカチをかしてあげるわね」
海の国では結婚式はないと言っていた。
もしかしたらよくはわかっていないかもしれないけど、心から祝われているのはわかるのかもしれない。
私たちは楽しくて…同時に嬉しかった。
こんなにいい子が幸せになろうとしているのだから。
この子が来てから少しかもしれないけど変わったのだ。
サイスは少し笑うようになった。それによって屋敷の雰囲気も明るくなり、使用人達も働きやすくなった。
アルフィリードは女性への苦手意識が少し治った。それによって側近達のフォローが軽減された。
私も私でいいんだって思えた。そしたらなんだか吹っ切れて今の私が好きになった。
アルフィリードも良かったねって、言ってくれた。
どうか幸せに。
ありきたりかもしれないけど、そんな思いで選んで渡しているのだ。
それが少しでも伝わればいいと思った。
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