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電話
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これは、友達Aのお話です。
夜、散歩に出かけた時…彼女は気まぐれに友達Bに電話をかけました。
「もしもし」
『もしもし。どうしたの?』
「ん?電話かけただけだよ。今ひま?」
『うん、ひま。今何してた?』
「散歩…」
他愛ない話をしていました。
それは、日常的なことでのんびりと人気のない道を歩いていたそうです。
『ねぇ…今1人だよね?』
「うん」
『……はやく帰った方がいいよ……』
「え……なんで?」
『後ろから嫌な気配がするの…』
「え…え…?…ちょっ、うそだよね…」
『……………』
友達A曰く、友達Bには霊感があるようで、何かを電話越しに感じてしまったそうです。
友達Aの歩いていたのは人気のない住宅街。
友達Bの言葉を聞いた後、心なしかたくさんの視線を感じたそうです。
はやる鼓動を抑えつつ、友達Bには電話をつないだままにしてもらいながら足早に歩きます。
住んでいる場所は田舎だったため街灯は少なく、とても薄暗い中不気味な気配とともに歩きます。
(……何もないし…気のせ………)
ガタンッ!!!
(い、じゃない……っ!)
思わず後ろを振り返るが、誰もいない。
立てかけてあった看板が倒れた…わけではなく、何かが落ちた音だった。
薄暗い中少し戻ってよく見るといつもずれている排水溝の蓋がしっかりとはまっていた。
さっきの音はそれだろう。
(私がやった?……ううん。時差がありすぎる)
音がなって振り向いた地点から排水溝までの距離は10メートル位だったそうです。
『…?A?どうしたの?』
「う、ううん。なんでもない」
不幸なことに遠回りをしていて家まではそこそこ遠く、ひたすら歩きます。
ふと顔を上げた時、通行人が1人いました。
中年の男性で、他人だけど人がいるという事実だけでどこかホッとしたそうです。
「こんばんわ」
「……………」
電話に手を当ててそういうが、挨拶は返ってきません。
すれ違う時、男性の顔を見ると目が虚でした。
しかし、その目は確実に彼女を追っていてギョロリと動いたそうです。
『…!!A!走れ!』
悪寒が駆け抜けると同時に、電話からそんな声が聞こえて一も二もなく駆け出しました。
後ろを振り向く勇気なんてなくて前だけを見て走ります。
息が切れようが立ち止まる気はなく、家まで走りました。
ようやくたどり着いて家に着けば安堵から力が抜けました。
『大丈夫だった?』
「たぶん」
走り疲れた彼女はシャワーを浴びて、歯を磨いて、寝る準備をしました。
かなりリラックスした状態です。
(疲れたし、そろそろ寝よう)
窓のカーテンを閉め忘れたので、窓の前に立ちカーテンを握った瞬間…
バン!!ババンッ!!!
そこにいたのはあの時すれ違った男性と、見たこともない女性。
そして2人は力強く窓を叩いてました。
「きゃぁあああっ!!!」
彼女の部屋があるのは二階。そして、窓の外には足場などないそうです。
叫び声にを聞いて家族が部屋を覗きにきます。
だけど、恐怖と驚きでうまく説明はできませんでした。
家族になだめられたのち、窓を恐る恐る見ると2人はいなくなっていたそうです。
彼女は私に話してくれた時、最後に絞り出すような声で言いました
「本当に怖かった……」
でも、私はこれを言った方がいいのでしょうか…
実は…彼女の背後に二つ黒い影があることを……。
夜、散歩に出かけた時…彼女は気まぐれに友達Bに電話をかけました。
「もしもし」
『もしもし。どうしたの?』
「ん?電話かけただけだよ。今ひま?」
『うん、ひま。今何してた?』
「散歩…」
他愛ない話をしていました。
それは、日常的なことでのんびりと人気のない道を歩いていたそうです。
『ねぇ…今1人だよね?』
「うん」
『……はやく帰った方がいいよ……』
「え……なんで?」
『後ろから嫌な気配がするの…』
「え…え…?…ちょっ、うそだよね…」
『……………』
友達A曰く、友達Bには霊感があるようで、何かを電話越しに感じてしまったそうです。
友達Aの歩いていたのは人気のない住宅街。
友達Bの言葉を聞いた後、心なしかたくさんの視線を感じたそうです。
はやる鼓動を抑えつつ、友達Bには電話をつないだままにしてもらいながら足早に歩きます。
住んでいる場所は田舎だったため街灯は少なく、とても薄暗い中不気味な気配とともに歩きます。
(……何もないし…気のせ………)
ガタンッ!!!
(い、じゃない……っ!)
思わず後ろを振り返るが、誰もいない。
立てかけてあった看板が倒れた…わけではなく、何かが落ちた音だった。
薄暗い中少し戻ってよく見るといつもずれている排水溝の蓋がしっかりとはまっていた。
さっきの音はそれだろう。
(私がやった?……ううん。時差がありすぎる)
音がなって振り向いた地点から排水溝までの距離は10メートル位だったそうです。
『…?A?どうしたの?』
「う、ううん。なんでもない」
不幸なことに遠回りをしていて家まではそこそこ遠く、ひたすら歩きます。
ふと顔を上げた時、通行人が1人いました。
中年の男性で、他人だけど人がいるという事実だけでどこかホッとしたそうです。
「こんばんわ」
「……………」
電話に手を当ててそういうが、挨拶は返ってきません。
すれ違う時、男性の顔を見ると目が虚でした。
しかし、その目は確実に彼女を追っていてギョロリと動いたそうです。
『…!!A!走れ!』
悪寒が駆け抜けると同時に、電話からそんな声が聞こえて一も二もなく駆け出しました。
後ろを振り向く勇気なんてなくて前だけを見て走ります。
息が切れようが立ち止まる気はなく、家まで走りました。
ようやくたどり着いて家に着けば安堵から力が抜けました。
『大丈夫だった?』
「たぶん」
走り疲れた彼女はシャワーを浴びて、歯を磨いて、寝る準備をしました。
かなりリラックスした状態です。
(疲れたし、そろそろ寝よう)
窓のカーテンを閉め忘れたので、窓の前に立ちカーテンを握った瞬間…
バン!!ババンッ!!!
そこにいたのはあの時すれ違った男性と、見たこともない女性。
そして2人は力強く窓を叩いてました。
「きゃぁあああっ!!!」
彼女の部屋があるのは二階。そして、窓の外には足場などないそうです。
叫び声にを聞いて家族が部屋を覗きにきます。
だけど、恐怖と驚きでうまく説明はできませんでした。
家族になだめられたのち、窓を恐る恐る見ると2人はいなくなっていたそうです。
彼女は私に話してくれた時、最後に絞り出すような声で言いました
「本当に怖かった……」
でも、私はこれを言った方がいいのでしょうか…
実は…彼女の背後に二つ黒い影があることを……。
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