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七不思議
七不思議(四つ目の不思議)
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何事もなく(?)私たちはカフェテリアにやってきました。
扉を開けて中に入ります。
誰も、鍵がかかっていないことに疑問をいだきません。(防犯じょう、普通はかかっているはずです)
「暗いカフェテリアってなかなか怖いな」
この日は月が出ていなかったので灯りのないカフェテリアは、廃墟のように暗かったのです。
私たちはテーブルやイスにつまづいて転ばないように注意しながら、厨房を目指して歩きます。
「本当に何か飛んでくんのかな?」
「今までの場所では何にも起こっていなかったんだし、何もないんじゃないか?」
「包丁飛んできたらやばくない?」
「皿が飛んできたりして」
暗さによる恐怖を払拭しようとみんな話し始める。
そしてついにたどり着いた厨房。懐中電灯を持っているK君が扉を開きました。
ガシャーーーンッッ!!!
何かが落ちる音にみんなの肩が跳ねました。
不意打ちの音に心臓が早鐘のようになります。
「どうする?これって七不思議かな?」
「物が、落ちただけ、だろ?」
「入る…?」
なんとなく入りづらくなりましたが、K君は意を決して中に入り始めました。
灯りを持っているのはK君なのだから、続くしかなくて…歩き始めました。
しばらくするとK君が立ち止まり足元から何かを拾いました。
「バランスが悪かったのか?」
拾い上げたのはボウルで懐中電灯の光でひかります。
彼はそのままボウルを近くの台に置きました。
その時、私は周りを見渡しました。
しかし、そこは台に囲まれている場所で、バランスが悪くなるような置き方をしなければいけない場所ではありませんでした。
そもそも、他の台の上には何もありません。
一つだけボウルがあるのはひどく異質でした。
バン!!
ガタン!ガチャンッ!!
またもや肩を跳ねさせてから音のした方向を見ると、女子の足元に包丁が落ちていました。
「び、びっくりさせんなよ」
「Tちゃん。怪我ない?」
「う、うん。怪我はないよ。驚かせてごめんね」
「な、なあ。もうここ出ようぜ。なんだか気味悪いし」
「そ、そうだな。ここは包丁とかあって危険だし…次行くか」
さすがにみんな気味が悪くなったのか、出口へ向かいはじめます。
私は最後尾につき、包丁と落ちてきたであろう方向を見上げました。
そこには口の開いた金庫のような入れ物があります。その中にはまだ幾つかの包丁が入っていました。
包丁なんて危険なものは使ったら真っ先に洗って片付けるものです。ましてや鍵付きの入れ物に入っているのに…たまたま鍵が外れていたなんて都合が良すぎます。
誰も包丁を戻さなかったので、私は包丁を入れ物の中に戻しました。
その時、手に何か触れたのです。
ちらりと視線を向けると、
子供や赤ん坊よりも小さな手が、ぺたりと触れていたのです。
それは冷たくて元をたどりかろうじて見えたのは薄汚れた着物…。
私はそれを完全に見る前に無理やり視線を外して、何事もなかったかのように鍵を閉めてからみんなを追いました。
後ろから感じる強烈な視線には気づかないふりをして…
扉を開けて中に入ります。
誰も、鍵がかかっていないことに疑問をいだきません。(防犯じょう、普通はかかっているはずです)
「暗いカフェテリアってなかなか怖いな」
この日は月が出ていなかったので灯りのないカフェテリアは、廃墟のように暗かったのです。
私たちはテーブルやイスにつまづいて転ばないように注意しながら、厨房を目指して歩きます。
「本当に何か飛んでくんのかな?」
「今までの場所では何にも起こっていなかったんだし、何もないんじゃないか?」
「包丁飛んできたらやばくない?」
「皿が飛んできたりして」
暗さによる恐怖を払拭しようとみんな話し始める。
そしてついにたどり着いた厨房。懐中電灯を持っているK君が扉を開きました。
ガシャーーーンッッ!!!
何かが落ちる音にみんなの肩が跳ねました。
不意打ちの音に心臓が早鐘のようになります。
「どうする?これって七不思議かな?」
「物が、落ちただけ、だろ?」
「入る…?」
なんとなく入りづらくなりましたが、K君は意を決して中に入り始めました。
灯りを持っているのはK君なのだから、続くしかなくて…歩き始めました。
しばらくするとK君が立ち止まり足元から何かを拾いました。
「バランスが悪かったのか?」
拾い上げたのはボウルで懐中電灯の光でひかります。
彼はそのままボウルを近くの台に置きました。
その時、私は周りを見渡しました。
しかし、そこは台に囲まれている場所で、バランスが悪くなるような置き方をしなければいけない場所ではありませんでした。
そもそも、他の台の上には何もありません。
一つだけボウルがあるのはひどく異質でした。
バン!!
ガタン!ガチャンッ!!
またもや肩を跳ねさせてから音のした方向を見ると、女子の足元に包丁が落ちていました。
「び、びっくりさせんなよ」
「Tちゃん。怪我ない?」
「う、うん。怪我はないよ。驚かせてごめんね」
「な、なあ。もうここ出ようぜ。なんだか気味悪いし」
「そ、そうだな。ここは包丁とかあって危険だし…次行くか」
さすがにみんな気味が悪くなったのか、出口へ向かいはじめます。
私は最後尾につき、包丁と落ちてきたであろう方向を見上げました。
そこには口の開いた金庫のような入れ物があります。その中にはまだ幾つかの包丁が入っていました。
包丁なんて危険なものは使ったら真っ先に洗って片付けるものです。ましてや鍵付きの入れ物に入っているのに…たまたま鍵が外れていたなんて都合が良すぎます。
誰も包丁を戻さなかったので、私は包丁を入れ物の中に戻しました。
その時、手に何か触れたのです。
ちらりと視線を向けると、
子供や赤ん坊よりも小さな手が、ぺたりと触れていたのです。
それは冷たくて元をたどりかろうじて見えたのは薄汚れた着物…。
私はそれを完全に見る前に無理やり視線を外して、何事もなかったかのように鍵を閉めてからみんなを追いました。
後ろから感じる強烈な視線には気づかないふりをして…
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