地球を守れ-Save The Earth-(この小説にご興味を持った方は、よりよくなった最新版「国宝級アイドルは地球を救えるか」の方をお勧め

夏目碧央

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相談

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 光輝:「るいぃ、こんな時にあれなんだけど。」
  光輝が瑠偉の部屋を訪ね、遠慮がちに相談を持ち掛けた。
瑠偉:「えっ?まだしてないの?」
光輝:「しー、大きい声出すなよ。」
瑠偉:「ああ、ごめんなさい。」
  瑠偉は口を手で覆った。
光輝:「瑠偉と碧央は、その、初めてしたのって、どんなタイミングで?」
瑠偉:「俺たちは・・・告白と同時って言うか・・・。」
光輝:「そ、そうなの・・・?まあ、そうか。お前たちは既に寸前まで行ってたから
  なあ。」
瑠偉:「寸前までって。」
  瑠偉は苦笑いした。以前から、ステージやカメラの前で、キスする真似をしてい
  た碧央と瑠偉。だから、本当にしてみないと本気度が分からなかったと言える。
光輝:「ねえ、どっちから告白したの?」
  急に、嬉しそうに光輝がそう聞いた。
瑠偉:「えっと、碧央くんから。」
光輝:「へえ。告白されて、びっくりした?」
瑠偉:「そりゃあ、もう。ずっと俺の片思いだと思っていたから。」
光輝:「それで、好きだって言われて、キスされたわけ?」
瑠偉:「いや、キスしたのは俺の方からで。ああ、いろいろあったの!キスしていい
  かって聞かれて、碧央くんが望むならどうぞって言ったら、碧央くんが振られた
  って言ってしなかったから、そうじゃないよっていう意味で、その・・・。」
光輝:「そうなんだ、瑠偉からしたんだ。尊敬するな・・・。両想いって分かってい
  ても、なかなかできないよ。」
瑠偉:「俺たちの場合、命の危機に直面していたから。今しなかったら、後悔するっ
  て。」
光輝:「命の危機?あ、あの無人島の時?」
瑠偉:「そう。もう死ぬかもしれないって思ったから、碧央くんも告白してくれた
  し。あの事件がなかったら、どうなっていたんだろう。でもさ、明日どうなるか
  分からないのって、いつだって同じだよね。社長だって、何も悪い事してないの
  にいきなり逮捕されたしさ。俺たちだって、明日も一緒にいられるかどうかなん
  て、本当は分からないじゃん。だから、光輝くんも、勇気を出して。」
光輝:「瑠偉・・・。そうだな。明日もチャンスがあるなんて、誰にも分からないよ
  な。だから、今日勝負をかけないと。」
瑠偉:「光輝くん、頑張って!」
光輝:「おう!・・・って、どうやって?うわぁ、もう緊張してきちゃったよ。ダ
  メ、僕からなんてできないよ。」
  光輝は両手で胸を押さえた。
光輝:「ちょっと、練習させて。」
  光輝はそう言うと、瑠偉の両肩に手を置いた。
瑠偉:「え?練習?」
  光輝はじっと瑠偉の唇を見つめた。
瑠偉:「ちょっと、光輝くん?ダメだよ?わあ、ちょっと!」
  光輝が顔を近づけてきたので、瑠偉が慌てて逃げようとすると、ドアがバンと開
  いた。
碧央:「こらぁ、光輝!何してんじゃ!」
光輝:「あははは、冗談だよぅ、冗談。瑠偉、いろいろありがとな。」
  光輝はそう言って、去って行った。
碧央:「瑠偉、大丈夫か?!光輝に何されたんだ?!」
  碧央が血相変えて瑠偉の両腕を掴んだ。
瑠偉:「え?えっと、何もされてないよ。うん。」
  瑠偉が目を泳がす。碧央はじっと瑠偉の顔を見るので、瑠偉は泳がせていた目を
  碧央の目に戻した。
瑠偉:「本当だよ。光輝くんがね、まだ流星くんとキスした事がないんだって。それ
  で、練習させてって、ああ、いやいや、冗談だったみたいで、未遂だよ。」
  途中、碧央の目つきが変わったので、瑠偉は慌てて冗談だと付け加えた。
碧央:「あんのやろ、俺が入って来なかったらどうしていたか。瑠偉、光輝にあんま
  り気を許すなよ。」
瑠偉:「でも、光輝くんは流星くんの事が好きなんだよ?それなのに、俺に何かする
  なんてこと、ないでしょ?光輝くんの事、信じてないの?」
碧央:「あのな、普通は他に好きなやつがいれば大丈夫だと思うだろうが、お前は格
  別に可愛いんだからさ、お前に隙があれば誰だって何かしちゃうんだよ。」
瑠偉:「いやあ、そんな事はないと思うけど?少なくとも、うちのメンバーは何もし
  ないと思うよ?」
碧央:「とにかく、誰であっても気を許すな。分かったか?」
瑠偉:「・・・はい。分かりました。」
碧央:「よし。じゃあ、ご褒美。」
  碧央は瑠偉にキスをした。結局、自分がしたいのである。
   その夜、まだ光輝が決意を実行する前に、STEは逮捕されたのである。
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