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多忙

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   そうして、STEは一歩ずつアイドルの道を歩んで行った。ライブをやらせても
  らえるようになり、まだまだ無名ながらも、全国を回った。そして、行く先々で
  ボランティア活動にも参加した。平日は学校とレッスン場に通い、金曜日の夜に
  地方へ移動し、土曜日にライブをやり、日曜日にボランティア活動をするという
  生活を続けた。学生なのでテストもあるし、学校行事もある。だが、曲を作り、
  ダンスの練習をし、移動距離も多い。若い男子と言えども、疲労がたまってく
  る。
光輝:「瑠偉、お前、足怪我してるだろ。」
瑠偉:「え?うううん、してないよ。」
光輝:「嘘だね。べつに休めとか言わないから、正直に言ってごらん。」
瑠偉:「・・・実は、昨日の練習で足首ひねっちゃって。」
光輝:「だろ?そういう時は、テーピングだよ。」
  光輝はそう言って、自分のバッグからテープを取り出した。
瑠偉:「いつも持ち歩いてるの?」
光輝:「そうだよ。アスリートの基本だよ。」
瑠偉:「ははは、俺たちってアスリートなんだ?」
  瑠偉は、自分の呼び方を”僕”から”俺”に替えていた。いつの間にか。小さかった
  のに、すっかり大きくなって、光輝よりも背が高くなっていた。
光輝:「ほら、こうやって固定して。ね?これなら痛くないでしょ?レッスンが終わ
  ったら、すぐに冷やすんだよ。そして、ダンスする時以外はなるべく休む。」
瑠偉:「はい。光輝くん、ありがとう。」
光輝:「よしよし。」
  光輝は、自分より大きくなってしまった瑠偉の頭を、なでなでした。
篤:「あー、俺も足が痛いなー。」
光輝「え?篤くんも?あー、嘘でしょう。」
篤:「だって、瑠偉には優しいじゃん。」
光輝:「何言ってんだよ。僕は誰にでも優しいんだよ。」
  光輝がウインクした。一同爆笑。
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