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襲来
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「朱李(しゅり)のやつ、ずいぶんでっかくなったなあ。いくつになったんだい?」
「そうさな、十六かな。」
「よく働くよなあ。身の丈はいくつだい?」
「六尺(180㎝)はあるぞ。」
「へえ、一間じゃねえか。そりゃすごいな。」
畑仕事をしていると、隣の畑のじいさまがやってきて、俺のじいちゃんに話しかけた。俺の身の丈が一間(180㎝)あるのは本当だ。
「何食ってそんなにでかくなったんだ?」
「きび団子じゃな。うちのばあさんのきび団子が、朱李の大好物なんじゃ。」
じいちゃんがそう言ってふぉっふぉっふぉと笑った。
寺の鐘が鳴った。
「朱李、鐘が鳴ったぞい。そろそろ行きない。」
じいちゃんからそう言われた。
「おう。」
俺は走って家に戻り、読み書きの道具をひっつかんで寺子屋へ向かった。
眠い。朝から畑仕事してるから、座らされると目が・・・閉じそうになる。
「朱李、分かるか?」
「は、はい!」
先生に名を呼ばれて、とっさに返事をしたものの、分かるわけがない。
「お前なあ。図体はでかいのに、頭の方はまだまだじゃのう。」
返す言葉もない。
「ここはほれ、こうじゃ。よく覚えておきなさい。」
「・・・はい。」
勉強はあまり得意ではない。それより、剣術の方が好きだ。勉強の後の、剣術の稽古のためにここに通っている。ここの宗達先生は、剣術に長けた御仁なのだ。
ようやく読み書きの時間が終わった。しかし、次はそろばんだ。早く剣術がやりたい。
「朱李、どうしたよ。元気がないな。」
「いや、眠いだけじゃ。お前は勉学が得意で良いのう。」
こいつは一つ年下の矢七。
「朱李は強いじゃないか。うらやましいよ。」
「ふん。」
矢七め、気取った言い方をしよる。
剣術の稽古を終え、家に帰る途中。突然村の警鐘が鳴り響いた。
カンカンカンカン
「鬼じゃー!鬼が来たぞーい!」
遠くから、村の者が走って来た。
「何?!鬼が?」
俺は走って家に帰った。じいちゃん、ばあちゃん、無事でいてくれ!
「じいちゃん!ばあちゃん!」
二人は、警鐘を聞いて家の中に入っていた。良かった。まだ鬼はここまでは来ていなかった。
「鬼が来るのか?」
じいちゃんが言った。
「分からん。さっき村の者が来ると言っておった。けど、ここ一年くらいここには来ておらんからな。そろそろ来る頃だろうよ。」
「そうじゃな。ああ、鬼が来たら畑も荒らされて、家も壊される。何とかならんかのう。」
じいちゃんは震えながら言った。
「それより、命を取られたらたまらん。食べ物くらいくれてやっても構わんから。」
ばあちゃんが言った。
俺は、木刀を手に取った。そして家の外へ出ようとした。
「これ、朱李や。ここから出てはならん。」
「じいちゃん、大丈夫じゃ。俺が鬼をここには入れさせない。」
外に出ると、小鬼らが何匹か見えた。畑に植えてある野菜を引っこ抜き、木に成っている果実をもぎ取る。それに飽きたらず、人家に押し入り、中を荒らす。人の悲鳴が響く。俺は木刀を握る手に力を込めた。
「鬼め、許さん。」
青いのが、こっちへ向かってやってきた。うちに入ろうというつもりだろう。
「そうはさせん!」
俺は木刀を構えた。鬼が恐ろしい跳躍力でとびかかってきた。
「えい、やあ!」
鬼の頭に一撃を食らわせた。鬼はうめき声をあげてよろめいた。だが、すぐに体制を整えてとびかかってくる。
「とりゃあ!」
次は鬼の胸を突いた。一発、二発、三発。そして、飛び上がって頭から木刀を振り下ろした。
「うぎゃあ。」
青鬼はひっくり返った。それを見た他の鬼が、うおーと言って集まってきた。まずい。俺は木刀を構えた。だが、鬼たちは俺に襲い掛かっては来なかった。そして、倒れている青鬼を二匹の鬼で担ぎ、去って行った。
「勝った・・・?」
鬼を撃退できた。今は一匹しか倒せなかったが、何人かで協力すればきっと、鬼を倒す事が出来るのではないか。
「そうさな、十六かな。」
「よく働くよなあ。身の丈はいくつだい?」
「六尺(180㎝)はあるぞ。」
「へえ、一間じゃねえか。そりゃすごいな。」
畑仕事をしていると、隣の畑のじいさまがやってきて、俺のじいちゃんに話しかけた。俺の身の丈が一間(180㎝)あるのは本当だ。
「何食ってそんなにでかくなったんだ?」
「きび団子じゃな。うちのばあさんのきび団子が、朱李の大好物なんじゃ。」
じいちゃんがそう言ってふぉっふぉっふぉと笑った。
寺の鐘が鳴った。
「朱李、鐘が鳴ったぞい。そろそろ行きない。」
じいちゃんからそう言われた。
「おう。」
俺は走って家に戻り、読み書きの道具をひっつかんで寺子屋へ向かった。
眠い。朝から畑仕事してるから、座らされると目が・・・閉じそうになる。
「朱李、分かるか?」
「は、はい!」
先生に名を呼ばれて、とっさに返事をしたものの、分かるわけがない。
「お前なあ。図体はでかいのに、頭の方はまだまだじゃのう。」
返す言葉もない。
「ここはほれ、こうじゃ。よく覚えておきなさい。」
「・・・はい。」
勉強はあまり得意ではない。それより、剣術の方が好きだ。勉強の後の、剣術の稽古のためにここに通っている。ここの宗達先生は、剣術に長けた御仁なのだ。
ようやく読み書きの時間が終わった。しかし、次はそろばんだ。早く剣術がやりたい。
「朱李、どうしたよ。元気がないな。」
「いや、眠いだけじゃ。お前は勉学が得意で良いのう。」
こいつは一つ年下の矢七。
「朱李は強いじゃないか。うらやましいよ。」
「ふん。」
矢七め、気取った言い方をしよる。
剣術の稽古を終え、家に帰る途中。突然村の警鐘が鳴り響いた。
カンカンカンカン
「鬼じゃー!鬼が来たぞーい!」
遠くから、村の者が走って来た。
「何?!鬼が?」
俺は走って家に帰った。じいちゃん、ばあちゃん、無事でいてくれ!
「じいちゃん!ばあちゃん!」
二人は、警鐘を聞いて家の中に入っていた。良かった。まだ鬼はここまでは来ていなかった。
「鬼が来るのか?」
じいちゃんが言った。
「分からん。さっき村の者が来ると言っておった。けど、ここ一年くらいここには来ておらんからな。そろそろ来る頃だろうよ。」
「そうじゃな。ああ、鬼が来たら畑も荒らされて、家も壊される。何とかならんかのう。」
じいちゃんは震えながら言った。
「それより、命を取られたらたまらん。食べ物くらいくれてやっても構わんから。」
ばあちゃんが言った。
俺は、木刀を手に取った。そして家の外へ出ようとした。
「これ、朱李や。ここから出てはならん。」
「じいちゃん、大丈夫じゃ。俺が鬼をここには入れさせない。」
外に出ると、小鬼らが何匹か見えた。畑に植えてある野菜を引っこ抜き、木に成っている果実をもぎ取る。それに飽きたらず、人家に押し入り、中を荒らす。人の悲鳴が響く。俺は木刀を握る手に力を込めた。
「鬼め、許さん。」
青いのが、こっちへ向かってやってきた。うちに入ろうというつもりだろう。
「そうはさせん!」
俺は木刀を構えた。鬼が恐ろしい跳躍力でとびかかってきた。
「えい、やあ!」
鬼の頭に一撃を食らわせた。鬼はうめき声をあげてよろめいた。だが、すぐに体制を整えてとびかかってくる。
「とりゃあ!」
次は鬼の胸を突いた。一発、二発、三発。そして、飛び上がって頭から木刀を振り下ろした。
「うぎゃあ。」
青鬼はひっくり返った。それを見た他の鬼が、うおーと言って集まってきた。まずい。俺は木刀を構えた。だが、鬼たちは俺に襲い掛かっては来なかった。そして、倒れている青鬼を二匹の鬼で担ぎ、去って行った。
「勝った・・・?」
鬼を撃退できた。今は一匹しか倒せなかったが、何人かで協力すればきっと、鬼を倒す事が出来るのではないか。
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