9 / 15
ヤキモチを妬かせろ(カズキ目線)
しおりを挟む
テツヤはいつもレイジを独り占めしようとする。それを不満に思っていた。レイジは可愛い。メンバー入りした時はまだ14歳で、親元を離れて寂しかろうと、俺たちみんなで世話を焼いたものだ。
レイジが誰を一番好きか、それは考えないようにしていたが、考えるとやはりテツヤだろうと思う。だが、レイジは兄さんたちみんなと仲が良いし、特別テツヤだけという風には見えなかった。
だが、テツヤが上手く嘘をつける奴じゃない事は知っている。ましてや、あんな嘘をつくはずがない。レイジの方からテツヤにキスをしているのだ。と言うことは、天然なテツヤはともかく、レイジは間違いなくテツヤの事が好きなのだろう。恋人として。
それにしても、レイジもテツヤが相手じゃ苦労するだろうなあ。あれじゃ、いつになっても進展しそうもないじゃないか。テツヤは挨拶のキスだって言うんだから、軽く触れるくらいのキスしかしていないのだろう。健全な青少年にとっては生殺しではないか。なんかこう、テツヤが自分の気持ちに気づくような方法はないだろうか。
そうだ、こういう時はヤキモチ作戦だよな。俺がレイジと仲良くしたら、テツヤは妬くだろう。やってみるか。
「レイジ、ちょっと話があるんだけど。」
「何?カズキ兄さん。」
「お前さ、テツヤの事が好きなんだろ?」
「えっ!!」
誰にでも分かるくらい、レイジが動揺した。思わずにやける。
「聞いたぞ。お前からテツヤにキスするんだって?」
「な、誰に聞いたの?テツヤ兄さん?」
「そりゃそうだろ。他に知ってる奴がいるのか?」
レイジはただ首を横に振った。
「でも、テツヤは挨拶のキスだって言ってたぞ。お前はどうなんだ?」
「・・・。」
「テツヤもさ、本当はお前の事が好きなんだと思うんだよ。いくらあいつだって、好きでもない奴とキスするなんて嫌だろうからさ。でも、自覚がない。」
俺がそう言うと、レイジは無言でカクカクと頷いた。
「それで、考えたんだけどさ。ヤキモチを妬かせてみたらどうかな。」
「ヤキモチ?どうやって?」
「うーん、例えば俺とお前がすごく仲良くしている所を、あいつに見せるとか。」
そう言うと、レイジはすごーく不安そうな顔をした。
「嫌か。そうか。」
「あ、そうじゃなくて・・・そういうのって、失敗すると目も当てられないって言うか。テツヤ兄さんが妬いてくれなかったら俺、立ち直れないし。」
自信ないんだなー。なんか可愛そうになるよ。
レイジが誰を一番好きか、それは考えないようにしていたが、考えるとやはりテツヤだろうと思う。だが、レイジは兄さんたちみんなと仲が良いし、特別テツヤだけという風には見えなかった。
だが、テツヤが上手く嘘をつける奴じゃない事は知っている。ましてや、あんな嘘をつくはずがない。レイジの方からテツヤにキスをしているのだ。と言うことは、天然なテツヤはともかく、レイジは間違いなくテツヤの事が好きなのだろう。恋人として。
それにしても、レイジもテツヤが相手じゃ苦労するだろうなあ。あれじゃ、いつになっても進展しそうもないじゃないか。テツヤは挨拶のキスだって言うんだから、軽く触れるくらいのキスしかしていないのだろう。健全な青少年にとっては生殺しではないか。なんかこう、テツヤが自分の気持ちに気づくような方法はないだろうか。
そうだ、こういう時はヤキモチ作戦だよな。俺がレイジと仲良くしたら、テツヤは妬くだろう。やってみるか。
「レイジ、ちょっと話があるんだけど。」
「何?カズキ兄さん。」
「お前さ、テツヤの事が好きなんだろ?」
「えっ!!」
誰にでも分かるくらい、レイジが動揺した。思わずにやける。
「聞いたぞ。お前からテツヤにキスするんだって?」
「な、誰に聞いたの?テツヤ兄さん?」
「そりゃそうだろ。他に知ってる奴がいるのか?」
レイジはただ首を横に振った。
「でも、テツヤは挨拶のキスだって言ってたぞ。お前はどうなんだ?」
「・・・。」
「テツヤもさ、本当はお前の事が好きなんだと思うんだよ。いくらあいつだって、好きでもない奴とキスするなんて嫌だろうからさ。でも、自覚がない。」
俺がそう言うと、レイジは無言でカクカクと頷いた。
「それで、考えたんだけどさ。ヤキモチを妬かせてみたらどうかな。」
「ヤキモチ?どうやって?」
「うーん、例えば俺とお前がすごく仲良くしている所を、あいつに見せるとか。」
そう言うと、レイジはすごーく不安そうな顔をした。
「嫌か。そうか。」
「あ、そうじゃなくて・・・そういうのって、失敗すると目も当てられないって言うか。テツヤ兄さんが妬いてくれなかったら俺、立ち直れないし。」
自信ないんだなー。なんか可愛そうになるよ。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説
キミの次に愛してる
Motoki
BL
社会人×高校生。
たった1人の家族である姉の由美を亡くした浩次は、姉の結婚相手、裕文と同居を続けている。
裕文の世話になり続ける事に遠慮する浩次は、大学受験を諦めて就職しようとするが……。
姉への愛と義兄への想いに悩む、ちょっぴり切ないほのぼのBL。
俺の親友のことが好きだったんじゃなかったのかよ
雨宮里玖
BL
《あらすじ》放課後、三倉は浅宮に呼び出された。浅宮は三倉の親友・有栖のことを訊ねてくる。三倉はまたこのパターンかとすぐに合点がいく。きっと浅宮も有栖のことが好きで、三倉から有栖の情報を聞き出そうとしているんだなと思い、浅宮の恋を応援すべく協力を申し出る。
浅宮は三倉に「協力して欲しい。だからデートの練習に付き合ってくれ」と言い——。
攻め:浅宮(16)
高校二年生。ビジュアル最強男。
どんな口実でもいいから三倉と一緒にいたいと思っている。
受け:三倉(16)
高校二年生。平凡。
自分じゃなくて俺の親友のことが好きなんだと勘違いしている。
平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。
しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。
基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。
一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。
それでも宜しければどうぞ。
台風の目はどこだ
あこ
BL
とある学園で生徒会会長を務める本多政輝は、数年に一度起きる原因不明の体調不良により入院をする事に。
政輝の恋人が入院先に居座るのもいつものこと。
そんな入院生活中、二人がいない学園では嵐が吹き荒れていた。
✔︎ いわゆる全寮制王道学園が舞台
✔︎ 私の見果てぬ夢である『王道脇』を書こうとしたら、こうなりました(2019/05/11に書きました)
✔︎ 風紀委員会委員長×生徒会会長様
✔︎ 恋人がいないと充電切れする委員長様
✔︎ 時々原因不明の体調不良で入院する会長様
✔︎ 会長様を見守るオカン気味な副会長様
✔︎ アンチくんや他の役員はかけらほども出てきません。
✔︎ ギャクになるといいなと思って書きました(目標にしましたが、叶いませんでした)
【完結】嘘はBLの始まり
紫紺(紗子)
BL
現在売り出し中の若手俳優、三條伊織。
突然のオファーは、話題のBL小説『最初で最後のボーイズラブ』の主演!しかもW主演の相手役は彼がずっと憧れていたイケメン俳優の越前享祐だった!
衝撃のBLドラマと現実が同時進行!
俳優同士、秘密のBLストーリーが始まった♡
※番外編を追加しました!(1/3)
4話追加しますのでよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる