第二の人生への過渡期~初めて救急車を呼んだ出来事~

夏目碧央

文字の大きさ
上 下
18 / 41

リベンジ

しおりを挟む
 12時に帰ってきて、即お昼を食べた。その時、左側にいる長男に話しかけようとして、初めて気が付いた。あの、4/28検温済と書いてあるシール!未だに腕に貼ったままだったのだ!恥ずかしい!自分も気づかなかったが、ママ友も気づけば教えてくれるだろうに、何も言わなかったという事は、けっこう気づかれないものか?いやー、前から見て気づかないとしても、横から見たら気づかれるだろう。電車や駅で笑われていたに違いない。心の中で。
 そうだ、次男の高校の最寄り駅に行くのだから、定期券を使えばいいじゃないか!と気づいた私。電車賃損したーというのだけは解消すると思った。次男が退院する時の為に持たせようと思ってリュックにしまったと思い、探した。だが、なかった。そうだ、財布と一緒に病院に置いてきたのだった。あー、バカだ。これもバカだ。最初から、私が昨日病院から帰る時にも使えば良かったのに。学生割引の定期だから、本当は別の人が使ったらいけないのだが、この場合は良くないか?いいよね?ま、とにかく定期券は無かった。残念。
 12時半過ぎに家を出た。今度はちゃんと黒いリュックを背負って。これでまた忘れたら、私がお医者様に診てもらった方がいい。それにしても、同じ服装でもリュック1つで急にスポーティーな格好に見えるから不思議だ。さあ、これで1時半頃に病院に着けるはず。
 だが……元々痛い膝に加え、右足の付け根もだいぶ痛い。左は平気なのに。膝を知らず知らずのうちにかばって歩いているのだろうか。けれど、ボランティアシューズ(とても歩きやすい、疲れないスニーカー)で出かけたので、足はだいぶ楽だった。フットは全然痛くない。坂もあるけれど、ああいうシューズで歩くとちっとも苦にならない。
 再び電車に乗ると、次男からLINEが入った。電話番号を教えてくれと。検査の為の保護者の同意が必要だから、電話が行くよと。
 ちょっと待て。電車の中では出られないし、そもそも後少しで病院に行くのだから、その時でいいではないか。次男には、私の到着予定時刻を伝えた。
 ところが、車内で電話が掛かってきてしまった。一般電話からだ。おそらく病院だろう。出られずにいると留守電が入った。それを聞いてみると、お父様の方に掛けますと言っている。で、夫からLINEが。
「状況変化なし?」
ん?なんかよく分からん。病院から電話が来たかと尋ねると、
「出られなかった。掛け直したけど出ない」
と。そしたら、また私のスマホに一般電話からの着信がきた。ああ、あと1駅で着くのに。で、また留守電が。それを聞いてみると何も入っていなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

先日、恋人が好きじゃなくなりました。

さとう たなか
エッセイ・ノンフィクション
同性の恋人にふられた作者が、相手に振られた直後PCやノートに打ち殴り書いた文章です。 なぜだか語り口調です。 記憶がないので理由が説明できません(笑) 最近、我を取り戻し見直してみた所、相当病んでいたのか、大量に文章があったので、これはもったいないなと、思ったのでメモとして残すことにしました。 相手の名前は伏せて、その時書いたものをそのままにしております。 情緒不安定でイタい仕上がりになっておりますがご了承ください。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

お笑い芸人ランキング Sランク・Sランク+編

採点!!なんでもランキング!!
エッセイ・ノンフィクション
お笑い芸人の能力値を項目毎にランク付けし、その実力を解説していきます。

リアル男子高校生の日常

しゅんきち
エッセイ・ノンフィクション
2024年高校に入学するしゅんの毎日の高校生活をのぞいてみるやつ。 ほぼ日記です!短いのもあればたまに長いのもだしてます。 2024年7月現在、軽いうつ状態です。 2024年4月8日からスタートします! 2027年3月31日完結予定です! たまに、話の最後に写真を載せます。 挿入写真が400枚までですので、400枚を過ぎると、古い投稿の挿入写真から削除します。[話自体は消えません]

命のボタン

倉澤 環(タマッキン)
エッセイ・ノンフィクション
糖尿病、人工透析、脊柱管狭窄症など病のデパートの彼の介護記録です。

ぼくの青春はチュピくん伝説

ながざっぷ
エッセイ・ノンフィクション
2003年に中学校へ入学したチビで気弱な主人公が「少林寺拳法」と「チュピくん」に出会い人生が変わっていく話です。ほぼ実話です。

処理中です...