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帰りの新幹線
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サンマルクカフェの隣には、マクドナルドがあった。何となく、ポテトだったら今でも食べられる気がした。他の食事は食べられないが。それで、ポテトのSサイズを買った。
それから、駅構内のコンビニへ行った。ハイボールを1缶買った。一人でも、こういう時(酒を買う時)にはワクワクする。ここはセブンイレブンだったので、ナナコカードで支払ってみた。店によってどれで支払うのか、いつも迷ってしまう。
さて、ここで忘れてはいけないのがスーツケースだ。ロッカーからスーツケースを出し、いよいよ改札を通る。いやー、ここにスーツケースを忘れて新幹線に乗ってしまったら、さぞかしショックだろうなぁ。どうするだろう。そういう経験をすると、ブログやエッセイも面白くなるだろうが……わざと出来るものではない。そんな労力は使いたくない。
新幹線のホームに上がり、ベンチに座って本を読みながら、新幹線の到着を待った。帰りの新幹線は「かがやき514号」である。富山駅を18時16分に出て、東京駅に20時23分に着く。始発ではないので、停車時間はそう長くない。昔、子供を連れての旅行帰り、始発でないと、ちゃんと物と子供を一緒に乗せられるか緊張したものだ。それから、子供が大きくなってきて、帰りは指定席を取らずに自由席で帰ろうとすると、家族でまとまって座れるか微妙で、子供に先に席を取らせたりした。バタバタした記憶が巡る。だから、何だか気ぜわしく、新幹線がいつ入ってくるかとそわそわした。よって、読書はあまり進まない。
かがやき514号が入って来て、指定席を探して座った。平日なので、サラリーマンと思われる、スーツ姿の男性が多い。そして、皆さんノートパソコンをテーブルに置いて、カタカタとお仕事中だった。今日のレポートをまとめているのだろうか。勝手な推測だが。
そんな中、私はハイボールを飲もうとしている。ちょっと躊躇したが、まあ、飲まないという選択肢はない。よって、プシュッと開栓する。音が響く。何だか申し訳ない。ぐびぐびっと飲むと、苦みと共にカーッと熱い物が腹にしみ渡った。すると、どこかでプシュッと音がした。おぉ?お疲れ様のビールかな(勝手な推測だが)。飲んでいるのは私だけではないようだ。良かった。だいぶ安心した。何しろ感染症禍だから、飲酒は何となく悪者扱いだったではないか。近頃はだいぶその辺も緩和されたが。って、あのプシュッがアルコール飲料だと勝手に決めつけているが。いや、きっとそうだ。私には分かる。
それにしても、この新幹線は足下が広い。だから、前の座席の背に付いているテーブルは、とっても長い。縦長だ。飲み物を置くための、丸く凹んでいるところが前の方にあり、そこにハイボールの缶を置いたり取ったりするのに、目一杯腕を伸ばす必要がある。それでも、缶はその凹みに置かないと心配だ。
買ってきたポテトの紙袋を置き、手を突っ込んで食べられるように横倒しにして口を開けた。それから、ホテルで買ったあのナッツのおつまみも出した。こういうナッツやクラッカーがハイボールには合うのだ。
ウエットティッシュで手を拭き、ウキウキしてポテトをつまんで口に入れた。が、残念な事にポテトはすっかり冷めてしまっていた。マックのポテトは冷めるとしぼんで固くなる。しんなりだ。仕方ない。もっとギリギリに買えば良かったが、それだとこの新幹線に乗れるかどうか心配だったから。後から考えれば、スーツケースを取り出したり、ハイボールを買ったりした後にポテトを買うべきだったが、夏だから冷める心配よりも、ハイボールがぬるくなる心配の方が先に立ってしまった。あと、スーツケースを引っ張り回す手間を省く事とか。一方、ナッツの方は、2日以上立ってしまっても湿気たりしていなかった。蓋のお陰だ。
辺りは静かで、私も静かに飲んでいた。こういう時、一人だと静かにしているのが苦ではない。当たり前だが。人と一緒だとしゃべってしまう。しかも、最初は小声でしゃべっているのに、酒が入ってくるとだんだん声が大きくなりがちだから怖い。ましてや今、マスクを外して大きな声でしゃべっていたりしたら、相当白い目で見られる羽目になる。もしくは通報されたりして。今は一人で良かった。
窓の外も暗くなって、だんだん景色も見えなくなっていく。いよいよ旅行も終わりだ。ハイボールが進む。しゃべらないで済むのはいいが、酒は速く進んでしまう。
酒が入ったせいで、だんだん足がだるくなってきた。どうしても我慢できなくなって、靴を脱ぎ、横に倒したスーツケースの上に足を乗せた。本当は靴下も脱ぎたいところだが、我慢した。流石にそれはお行儀が悪すぎる。いや、今のこの状況も相当お行儀が悪い。だが、やってしまう。周りはお仕事中(多分)なのに申し訳ないが、私は酔っている。
新幹線にはフリーWi-Fiがある。長男に話を聞いていたので、早速繋げてみた。メールアドレスを登録すればいいらしい。繋がったので、YouTubeを見始めた。若い頃よりも耳が悪くなったような気がするので、これ以上悪くならないように、最近はあまりイヤホンを使用しないようにしている。だが、今は酔っていて本も読めないし、仕方ない。
ああ、それにしてもだ。まだ時間も早いのに、どうしても帰りの乗り物では酒盛りしたくなってしまう。何故だろう。そうだな、多分夫に教え込まれてしまったのだな。いつも夫は旅行に行くと、朝でも昼でもビールをちょこちょこ買って飲む人なのだ。そして、私はそれを横目に我慢しているのだが、帰りの列車では我慢せずに、お付き合いしてきたのだ。しかし、今はお腹の調子もイマイチだというのに。習慣というのは恐ろしい。
フリーWi-Fiは、山の中では遅くて途切れて大変だった。だが、埼玉に入った頃からはスイスイだった。今日もYouTubeでBTSの曲を流す。新幹線は在来線や飛行機よりも音が静かなようで、耳にも負担が少ない。とても良い感じ。最高な気分。時々ハイボールを飲みながら、良い音楽を聴き、良いお顔を見る。キレッキレのダンスを見る。至福の時。
だが、意外とあっという間に東京に着いた。
それから、駅構内のコンビニへ行った。ハイボールを1缶買った。一人でも、こういう時(酒を買う時)にはワクワクする。ここはセブンイレブンだったので、ナナコカードで支払ってみた。店によってどれで支払うのか、いつも迷ってしまう。
さて、ここで忘れてはいけないのがスーツケースだ。ロッカーからスーツケースを出し、いよいよ改札を通る。いやー、ここにスーツケースを忘れて新幹線に乗ってしまったら、さぞかしショックだろうなぁ。どうするだろう。そういう経験をすると、ブログやエッセイも面白くなるだろうが……わざと出来るものではない。そんな労力は使いたくない。
新幹線のホームに上がり、ベンチに座って本を読みながら、新幹線の到着を待った。帰りの新幹線は「かがやき514号」である。富山駅を18時16分に出て、東京駅に20時23分に着く。始発ではないので、停車時間はそう長くない。昔、子供を連れての旅行帰り、始発でないと、ちゃんと物と子供を一緒に乗せられるか緊張したものだ。それから、子供が大きくなってきて、帰りは指定席を取らずに自由席で帰ろうとすると、家族でまとまって座れるか微妙で、子供に先に席を取らせたりした。バタバタした記憶が巡る。だから、何だか気ぜわしく、新幹線がいつ入ってくるかとそわそわした。よって、読書はあまり進まない。
かがやき514号が入って来て、指定席を探して座った。平日なので、サラリーマンと思われる、スーツ姿の男性が多い。そして、皆さんノートパソコンをテーブルに置いて、カタカタとお仕事中だった。今日のレポートをまとめているのだろうか。勝手な推測だが。
そんな中、私はハイボールを飲もうとしている。ちょっと躊躇したが、まあ、飲まないという選択肢はない。よって、プシュッと開栓する。音が響く。何だか申し訳ない。ぐびぐびっと飲むと、苦みと共にカーッと熱い物が腹にしみ渡った。すると、どこかでプシュッと音がした。おぉ?お疲れ様のビールかな(勝手な推測だが)。飲んでいるのは私だけではないようだ。良かった。だいぶ安心した。何しろ感染症禍だから、飲酒は何となく悪者扱いだったではないか。近頃はだいぶその辺も緩和されたが。って、あのプシュッがアルコール飲料だと勝手に決めつけているが。いや、きっとそうだ。私には分かる。
それにしても、この新幹線は足下が広い。だから、前の座席の背に付いているテーブルは、とっても長い。縦長だ。飲み物を置くための、丸く凹んでいるところが前の方にあり、そこにハイボールの缶を置いたり取ったりするのに、目一杯腕を伸ばす必要がある。それでも、缶はその凹みに置かないと心配だ。
買ってきたポテトの紙袋を置き、手を突っ込んで食べられるように横倒しにして口を開けた。それから、ホテルで買ったあのナッツのおつまみも出した。こういうナッツやクラッカーがハイボールには合うのだ。
ウエットティッシュで手を拭き、ウキウキしてポテトをつまんで口に入れた。が、残念な事にポテトはすっかり冷めてしまっていた。マックのポテトは冷めるとしぼんで固くなる。しんなりだ。仕方ない。もっとギリギリに買えば良かったが、それだとこの新幹線に乗れるかどうか心配だったから。後から考えれば、スーツケースを取り出したり、ハイボールを買ったりした後にポテトを買うべきだったが、夏だから冷める心配よりも、ハイボールがぬるくなる心配の方が先に立ってしまった。あと、スーツケースを引っ張り回す手間を省く事とか。一方、ナッツの方は、2日以上立ってしまっても湿気たりしていなかった。蓋のお陰だ。
辺りは静かで、私も静かに飲んでいた。こういう時、一人だと静かにしているのが苦ではない。当たり前だが。人と一緒だとしゃべってしまう。しかも、最初は小声でしゃべっているのに、酒が入ってくるとだんだん声が大きくなりがちだから怖い。ましてや今、マスクを外して大きな声でしゃべっていたりしたら、相当白い目で見られる羽目になる。もしくは通報されたりして。今は一人で良かった。
窓の外も暗くなって、だんだん景色も見えなくなっていく。いよいよ旅行も終わりだ。ハイボールが進む。しゃべらないで済むのはいいが、酒は速く進んでしまう。
酒が入ったせいで、だんだん足がだるくなってきた。どうしても我慢できなくなって、靴を脱ぎ、横に倒したスーツケースの上に足を乗せた。本当は靴下も脱ぎたいところだが、我慢した。流石にそれはお行儀が悪すぎる。いや、今のこの状況も相当お行儀が悪い。だが、やってしまう。周りはお仕事中(多分)なのに申し訳ないが、私は酔っている。
新幹線にはフリーWi-Fiがある。長男に話を聞いていたので、早速繋げてみた。メールアドレスを登録すればいいらしい。繋がったので、YouTubeを見始めた。若い頃よりも耳が悪くなったような気がするので、これ以上悪くならないように、最近はあまりイヤホンを使用しないようにしている。だが、今は酔っていて本も読めないし、仕方ない。
ああ、それにしてもだ。まだ時間も早いのに、どうしても帰りの乗り物では酒盛りしたくなってしまう。何故だろう。そうだな、多分夫に教え込まれてしまったのだな。いつも夫は旅行に行くと、朝でも昼でもビールをちょこちょこ買って飲む人なのだ。そして、私はそれを横目に我慢しているのだが、帰りの列車では我慢せずに、お付き合いしてきたのだ。しかし、今はお腹の調子もイマイチだというのに。習慣というのは恐ろしい。
フリーWi-Fiは、山の中では遅くて途切れて大変だった。だが、埼玉に入った頃からはスイスイだった。今日もYouTubeでBTSの曲を流す。新幹線は在来線や飛行機よりも音が静かなようで、耳にも負担が少ない。とても良い感じ。最高な気分。時々ハイボールを飲みながら、良い音楽を聴き、良いお顔を見る。キレッキレのダンスを見る。至福の時。
だが、意外とあっという間に東京に着いた。
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