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米子空港~すなば珈琲
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エレベーターで地上に降り、空港へ向かう。一本道だ。両脇は駐車場。車はたくさん置いてあるが、人はほとんどいない。前にも後ろにも人はいない。普段ビッグでビジーな羽田空港を利用していると、この雰囲気に驚いてしまう。それに、米子空港駅がこれだから。空港駅なのに改札さえないのだから、駅ビルどころではない。そんな事を思って、ふと後ろを振り返った。そうしたら……え?駅は?
前を見て、後ろを見て混乱した。いや、もちろん後ろが駅なのだが、ほとんど駅のような物が見えない。先程確かにエレベーターで降りたわけだから、ホームは2階にあるはずだ。それなのに、高いところに線路のような物が全く見えないのだ。狐につままれたような気分だ。どこから降りてきたのだろう。列車と一緒にホーム階まで行ってしまったか……。まさか。
さて、気を取り直して空港へ。変な事を気にしていても仕方がない。戻って確認する程には気になっていない。大抵私の勘違いだから。世の中の半分は勘違いで出来ていると言っても過言ではない。それが私の人生だ。
長い通路を歩いて、建物にたどり着いた。小さい建物とはいえ、中に入るとやはり空港だ。ANAだ。空港の雰囲気が好きだ。特別な、非日常の景色。
少し早いが、スーツケースを預ける事にした。機械で預けるのは、日本全国同じ。確かにANAしかない空港ではあるが、ANA自体は羽田も米子も同じだ。
荷物を預けると早速、すなば珈琲を探した。だが、探すまでもない。2階へ上がると開けた場所があり、その周りにいくつかお店があって、その中にすなば珈琲はあった。
開けた場所には椅子とテーブルがあり、人がけっこう座っていた。大きなステンドグラスがあり、天井から大きな物がぶら下がっている。ステンドグラスは妖怪がたくさん寄せ集まっている絵で、上からぶら下がっているのは鯨だろうか。鯨に乗り物が括り付けてあって、ゲゲゲの鬼太郎やねずみ男などが乗っている。何じじいだっけ、蓑を来た頭がツルツルの老人が鯨にしがみついている。そして一番上には、
「よう来てごしなった 米子鬼太郎空港へ」
と書いてあった。ごしなった、で合っているのかな。
土産物がたくさん売っている。もうお土産はたくさん買ったから見ないでおこう。食事処もあるが、やはりここはカフェだろう。何しろ、お昼が足りなくてデザートを食べようと思っていたのだから。そういえば、デザートを求めて探し回ったのが12時半頃だったのに、もう15時半になってしまった。おやつだな。普段はおやつを食べないけれど、時間もたっぷりあるわけだし、お昼は足りなかったし。
すなば珈琲はネーミングが好きだ。昔、日本の都道府県の中で鳥取県にだけスタバがなかった頃、鳥取県知事が「スタバはないけど砂場はある」と言ったらしく、その言葉から取ったネーミングだそうだ。その後鳥取県にもスタバが出来てしまって、すなば珈琲の存在価値が下がったかと思ったが、出雲にもあったし、ここ米子空港にもあるのだ。
すなば珈琲に入った。まずはカウンターで注文する。ディスプレイやメニューの看板などを見ながら注文を考えた。一応聞いてみたが、やっぱりカフェインレスコーヒーはなかった。相変わらずダメか。
冷たい物は飲みたくない。よって、温かい飲み物でコーヒー紅茶以外の物は、ココアしかなかった。それで、飲み物はココアに決めた。デザートには、色々迷ったけれども、本日のお勧めスイーツであるパンナコッタにした。
注文をして支払いをし、番号の書かれた端末を渡された。それを持って、席を探しに中へと入って行った。1人なのでたくさん座れるところはあったが、本を読むためになるべく静かな所へ行こうと、一番奥のテーブルへ行った。窓際だ。今日はずっとどんより曇り空だったが、ここへきてやっと日が差してきた。暖かくていいが、日に焼けそうで少し気になった。が、やっぱり暖かい方がいい。
少しして、端末がピーピーと鳴り始めた。鳴りっぱなしの端末を持ち、急いでカウンターへ行った。お盆を手渡されて、慎重にそれを席へ運ぶ。見た目も鮮やかなスイーツたち。でも、うすうす間違いに気づいた。これは1人前ではない。
斜め前のテーブルに、サラリーマンが座って話をしている。3人、いや4人だったか。そちらを見てはいないが、仕事の話で盛り上がっている。その人たちが私の大食いに気づいていなければ良いが、と思いつつ、パンナコッタへとスプーンを入れる。グラスに入った白いパンナコッタ。上にキイチゴやブルーベリーなどのフルーツとミントの葉が乗っており、赤いクランベリーソースが表面の半分を赤く染め、全体に粉砂糖が掛けてある。なかなか美しい見た目だ。甘くて冷たい。特にフルーツが冷たい。つまり凍っている。キイチゴのみならず、カットされた苺も乗っている。パンナコッタはあっという間に平らげた。
次にココアだ。思った以上に器が大きい。見た事のある模様のカップ。ラクダをモチーフにした絵で、PREMIUM QUALITYと書いてある。星や三日月も描いてあって、つまりは砂漠、そしてアラビアンナイトのイメージか。更に4本の線で飾る辺り、スタバを意識してのアレか?カップの向こう側にはホイップクリームがちょこんと乗っている。これをスプーンですくおうとしたら、何となく失敗。向こう側はクリームでベタベタになってしまった。温かいカップの上に乗っているから、溶けてしまったのだろう。ココアは甘くて美味しい。でも、考えてみればココアだけで良かったのだ。スイーツと飲み物→飲み物はココアしかないという構図でこの2つを頼んでしまったが、甘い物は1つで充分だったのだ。
ココアを飲みながらSNS投稿をした。徐々にココアは冷めてしまったが、冷めたココアを少しずつ飲むと、チョコレートの味そのもの。これもまた美味しい。いやむしろ冷たい方が美味しいのだが、甘すぎる。甘い物を食べ過ぎたのか、少し胃もたれ気味になってしまった。
ココアを飲み干したら店に居られなくなるので、残そうとしたら、カップの底に文字を発見。いや、これは知っていたはず。だいぶ昔に見た事のある、カップの底の「すなば珈琲」という文字。これの写真が撮りたくて、その写真をSNSに投稿したくて、飲み干す前に何とか写真に撮ろうとした。カップを極限まで傾け、すなば珈琲という文字が見えたところで、片手で写真を撮った。ココアがちょっとハート形になっていて、なかなか可愛い写真になった。
SNS投稿は終わったが、まだまだ時間はたっぷりある。ココアは残しておいて、本を読んでいた。すると、場内アナウンスが聞こえた。羽田空港行きの出発が遅れると言っている。羽田空港の混雑の影響で、10分間の待機要請が出ていると。今の時刻は16時。元々のフライト予定は17:30だった。17:40になるわけだ。まあ、さして行動に違いはないな。
前を見て、後ろを見て混乱した。いや、もちろん後ろが駅なのだが、ほとんど駅のような物が見えない。先程確かにエレベーターで降りたわけだから、ホームは2階にあるはずだ。それなのに、高いところに線路のような物が全く見えないのだ。狐につままれたような気分だ。どこから降りてきたのだろう。列車と一緒にホーム階まで行ってしまったか……。まさか。
さて、気を取り直して空港へ。変な事を気にしていても仕方がない。戻って確認する程には気になっていない。大抵私の勘違いだから。世の中の半分は勘違いで出来ていると言っても過言ではない。それが私の人生だ。
長い通路を歩いて、建物にたどり着いた。小さい建物とはいえ、中に入るとやはり空港だ。ANAだ。空港の雰囲気が好きだ。特別な、非日常の景色。
少し早いが、スーツケースを預ける事にした。機械で預けるのは、日本全国同じ。確かにANAしかない空港ではあるが、ANA自体は羽田も米子も同じだ。
荷物を預けると早速、すなば珈琲を探した。だが、探すまでもない。2階へ上がると開けた場所があり、その周りにいくつかお店があって、その中にすなば珈琲はあった。
開けた場所には椅子とテーブルがあり、人がけっこう座っていた。大きなステンドグラスがあり、天井から大きな物がぶら下がっている。ステンドグラスは妖怪がたくさん寄せ集まっている絵で、上からぶら下がっているのは鯨だろうか。鯨に乗り物が括り付けてあって、ゲゲゲの鬼太郎やねずみ男などが乗っている。何じじいだっけ、蓑を来た頭がツルツルの老人が鯨にしがみついている。そして一番上には、
「よう来てごしなった 米子鬼太郎空港へ」
と書いてあった。ごしなった、で合っているのかな。
土産物がたくさん売っている。もうお土産はたくさん買ったから見ないでおこう。食事処もあるが、やはりここはカフェだろう。何しろ、お昼が足りなくてデザートを食べようと思っていたのだから。そういえば、デザートを求めて探し回ったのが12時半頃だったのに、もう15時半になってしまった。おやつだな。普段はおやつを食べないけれど、時間もたっぷりあるわけだし、お昼は足りなかったし。
すなば珈琲はネーミングが好きだ。昔、日本の都道府県の中で鳥取県にだけスタバがなかった頃、鳥取県知事が「スタバはないけど砂場はある」と言ったらしく、その言葉から取ったネーミングだそうだ。その後鳥取県にもスタバが出来てしまって、すなば珈琲の存在価値が下がったかと思ったが、出雲にもあったし、ここ米子空港にもあるのだ。
すなば珈琲に入った。まずはカウンターで注文する。ディスプレイやメニューの看板などを見ながら注文を考えた。一応聞いてみたが、やっぱりカフェインレスコーヒーはなかった。相変わらずダメか。
冷たい物は飲みたくない。よって、温かい飲み物でコーヒー紅茶以外の物は、ココアしかなかった。それで、飲み物はココアに決めた。デザートには、色々迷ったけれども、本日のお勧めスイーツであるパンナコッタにした。
注文をして支払いをし、番号の書かれた端末を渡された。それを持って、席を探しに中へと入って行った。1人なのでたくさん座れるところはあったが、本を読むためになるべく静かな所へ行こうと、一番奥のテーブルへ行った。窓際だ。今日はずっとどんより曇り空だったが、ここへきてやっと日が差してきた。暖かくていいが、日に焼けそうで少し気になった。が、やっぱり暖かい方がいい。
少しして、端末がピーピーと鳴り始めた。鳴りっぱなしの端末を持ち、急いでカウンターへ行った。お盆を手渡されて、慎重にそれを席へ運ぶ。見た目も鮮やかなスイーツたち。でも、うすうす間違いに気づいた。これは1人前ではない。
斜め前のテーブルに、サラリーマンが座って話をしている。3人、いや4人だったか。そちらを見てはいないが、仕事の話で盛り上がっている。その人たちが私の大食いに気づいていなければ良いが、と思いつつ、パンナコッタへとスプーンを入れる。グラスに入った白いパンナコッタ。上にキイチゴやブルーベリーなどのフルーツとミントの葉が乗っており、赤いクランベリーソースが表面の半分を赤く染め、全体に粉砂糖が掛けてある。なかなか美しい見た目だ。甘くて冷たい。特にフルーツが冷たい。つまり凍っている。キイチゴのみならず、カットされた苺も乗っている。パンナコッタはあっという間に平らげた。
次にココアだ。思った以上に器が大きい。見た事のある模様のカップ。ラクダをモチーフにした絵で、PREMIUM QUALITYと書いてある。星や三日月も描いてあって、つまりは砂漠、そしてアラビアンナイトのイメージか。更に4本の線で飾る辺り、スタバを意識してのアレか?カップの向こう側にはホイップクリームがちょこんと乗っている。これをスプーンですくおうとしたら、何となく失敗。向こう側はクリームでベタベタになってしまった。温かいカップの上に乗っているから、溶けてしまったのだろう。ココアは甘くて美味しい。でも、考えてみればココアだけで良かったのだ。スイーツと飲み物→飲み物はココアしかないという構図でこの2つを頼んでしまったが、甘い物は1つで充分だったのだ。
ココアを飲みながらSNS投稿をした。徐々にココアは冷めてしまったが、冷めたココアを少しずつ飲むと、チョコレートの味そのもの。これもまた美味しい。いやむしろ冷たい方が美味しいのだが、甘すぎる。甘い物を食べ過ぎたのか、少し胃もたれ気味になってしまった。
ココアを飲み干したら店に居られなくなるので、残そうとしたら、カップの底に文字を発見。いや、これは知っていたはず。だいぶ昔に見た事のある、カップの底の「すなば珈琲」という文字。これの写真が撮りたくて、その写真をSNSに投稿したくて、飲み干す前に何とか写真に撮ろうとした。カップを極限まで傾け、すなば珈琲という文字が見えたところで、片手で写真を撮った。ココアがちょっとハート形になっていて、なかなか可愛い写真になった。
SNS投稿は終わったが、まだまだ時間はたっぷりある。ココアは残しておいて、本を読んでいた。すると、場内アナウンスが聞こえた。羽田空港行きの出発が遅れると言っている。羽田空港の混雑の影響で、10分間の待機要請が出ていると。今の時刻は16時。元々のフライト予定は17:30だった。17:40になるわけだ。まあ、さして行動に違いはないな。
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