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参拝
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鳥居が見えてきた。その頃には道幅が広くなり、お土産屋さんが両側に並ぶようになってきていた。観光客もけっこういて、それなりに賑わいを見せ始めた。最後には坂をぐっと上る感じになり、突き当り正面に大きな鳥居がでんと建つ。その横にはでっかい石の「出雲大社」と書いてある柱や「大祭礼」と書いてある札、灯篭のでっかいのみたいなものが並ぶ。幅広い石段を数段上り、敷地内へ入った。神社だから、入場料のような物はやはりなし。
出雲大社は縁結びの神様としても有名だが、神々の集う場所としても有名だ。10月の事を神無月(かんなづき)と言うが、出雲では神在月(かみありづき)と言うそうな。私は縁結びの神様にお参りに来たわけではない。まあ、しいて言えば物を書く仕事とのご縁を引き寄せたいという願望もあるが、それよりも、神々の集う場所とされる、言ってみれば「神道の聖地」に来てみたかったのだ。
大きな木がたくさんあり、広い広場がある。つつじが咲いている。露店が出ていて、お箸やだるまを並べて売っている。小さなウサギの像もたくさんあった。「日本酒発祥の地」と書いてある台座にウサギと酒樽が乗っている石像もあった。日本酒の発祥の地なのか、日本の酒発祥の地なのか……同じ事か?
腰かけられる石があった。いや、石を積み上げて作ってあるベンチと言うべきか。背もたれ部分の石には絵が描いてあり、ベンチの端にはウサギの石像が2体。絵は神話に関する物のようだ。説明書きもあるが、近づけなかった。というのも、ご夫婦と思われる、私よりちょっと年上の男女がそこに座って写真を撮っていたから。仲良く2人で並んで自撮りをしている。そういえば、あちこちにお仕事を引退したのかな、という年代のご夫婦がいる。昨日の松江城と同じだ。うちの夫が仕事を引退した後、こうやって一緒に旅行ができるくらいに、2人とも健康だといいのだが。特に足腰が。
じきにすごい物を見つけた。でっかい像がある。どのくらいでかいかと言うと、実際の人間の2倍くらいか……縦横に4倍か?数字と空間把握に弱いので、申し訳ないが正確な所は分からない。とにかくでかい。その像とは、大国主命(おおくにぬしのみこと)だ。大国主命の像が両手を上げ、その反対側には台座に乗った金の玉。神話に基づいたモチーフらしい。その2つを写真に収めようとすると、だいぶ離れて撮る事になる。前にたくさん人が写り込んでしまうが。写真は撮ったが、やっぱり神様の顔が見たくなる。どんなお顔なのか。近づいて行くと、ああ、なるほど。意外に漫画チックなお顔。めっちゃイケメン。
さてさて、もう目の前に社屋が見えてきたぞ。脇にそれてしまったが、真ん中の道へ戻る。ここまでだだっ広い松の並木道になっていたが、その並木道が終わり、ちょっと鳥居の前に開けたスペースがあった。すると、鳥居に向かって右側に、たくさんの黒い服を着た人たちがいた。大きな木の根元辺りに並んでいる感じだった。何となく結婚式の人達かと思った。たぶん錯覚したのだ。花嫁さんがいるように感じたから。よく見ると、白いものは花嫁ではなく、犬だった。ものすごく大きい白い犬が、木の根元に座っていた。ホワッホワな白くて長い毛を持ちながら、胴体部分は短く刈られ、肘から先、足首、しっぽの先だけフサフサにしてある。なんだか、裸って感じで寒そう。というか、恥ずかしそう。いや、そんなにジロジロ見ていたわけではない。少し離れたところから、でっかい木の写真を撮る振りをしてスマホを向け、写真を撮り、さっさと通り過ぎて後から見返したのだ。黒い人たちはきっとお葬式だな。法事かな?で、犬の飼い主と思われる男女のうち、男性の服装は反社系だった……。黒いけど、黒っぽいけど分かってしまう。一般人ならお神輿担ぐ時にしか着ないような服だから。
さて、鳥居をくぐって拝殿へ。あの、大きなしめ縄があった。有名なビジュアル。お賽銭を投じてお参りをしよう。あ、10円玉も5円玉もない。50円玉がいくつかあるので、50円をお賽銭箱に入れた。なんだっけ、二礼四拍手だっけ?あとは?どこかに書いてあるだろうと思って、ガイドブックで読んだものの、ちゃんと覚えて来なかった。ただ、四拍手は珍しいので覚えていた。でも、周りの皆さんは二拍手しかしていない。ま、とにかくうろ覚えだが、四拍手してお辞儀してきた。そうしたら、その後は他の人も四拍手していた。心の中でほくそ笑む。
拝殿の裏へ回ると、もう1箇所、今度はしめ縄はないけれど、もっと広い参拝所が出てきた。ここは御本殿の入り口だが、御本殿には入れないそうで、ここから御本殿に向かってお参りするのだ。またお賽銭。ここでも50円玉を投じる。今度はちゃんと調べて、二礼四拍手一礼という、ここでの正しい方法で参拝をした。
とても長い建物もあって、どこを見ても圧巻である。そして、やっぱりここでもおみくじを引いてしまう。どれどれ?開いてみると、
「第三番」
と書いてあった。上から三番目だろうか?大吉、中吉、小吉、の小吉だろうか。でも、書いてある事は少し辛口。本年は心楽しい事の多い年だが、しかし極めて油断のできない年でもある。為す事にあたっては何事も神様への祈りを深める事が肝要である、だそうだ。旅行は「見合わせるがよい」と書いてある。もう来ちゃっているが。でも、方角は「西・南・北よい」と書いてあるので、ここは東京から見ると西北西か、西か?とにかく大丈夫だろう。というか、本当は全然信じていないのだけれど。神様への祈りは怠ると思うが、油断してはいけないのは、肝に銘じておこう。何事においても、油断は大敵である。
さて、この入ってはいけないと言う御本殿だが、その周りをぐるりと回ろうと思う。周りにもいろいろな物があるらしい。で、御本殿の敷地内も隙間から見える。掃除をしている人たちが数人見える。写真を撮ってしまおう。人はほとんど写らなかったが。御本殿は横も裏も立派である。そして、あちこちに賽銭箱が。もう、これ以上50円は出せないよ。ここまでで100円払っているからね、10円ずつだったら10回もお賽銭を投じる事が出来たはずだからね。
非常に古い建物もある。すっごく古い木の2階建てとか。これはもう、足を踏み入れてはいけないレベルの古さだろう。
回り切ると、次は神楽殿の方へ。なんだか人がたくさん並んでいるようだ。修学旅行生なのか、冠婚葬祭の参列者なのか、両方なのか、分からないくらいたくさんいる。横から橋を渡って行き、神楽殿の正面へ回ると……。
うっわー、でっかい。さっきのしめ縄よりももっと大きいしめ縄があった。重いだろうな。落ちてきたらひとたまりもないな。と、思いながら下にいる人も一緒に写真を撮った。少し離れた所からも撮った。
出雲大社は縁結びの神様としても有名だが、神々の集う場所としても有名だ。10月の事を神無月(かんなづき)と言うが、出雲では神在月(かみありづき)と言うそうな。私は縁結びの神様にお参りに来たわけではない。まあ、しいて言えば物を書く仕事とのご縁を引き寄せたいという願望もあるが、それよりも、神々の集う場所とされる、言ってみれば「神道の聖地」に来てみたかったのだ。
大きな木がたくさんあり、広い広場がある。つつじが咲いている。露店が出ていて、お箸やだるまを並べて売っている。小さなウサギの像もたくさんあった。「日本酒発祥の地」と書いてある台座にウサギと酒樽が乗っている石像もあった。日本酒の発祥の地なのか、日本の酒発祥の地なのか……同じ事か?
腰かけられる石があった。いや、石を積み上げて作ってあるベンチと言うべきか。背もたれ部分の石には絵が描いてあり、ベンチの端にはウサギの石像が2体。絵は神話に関する物のようだ。説明書きもあるが、近づけなかった。というのも、ご夫婦と思われる、私よりちょっと年上の男女がそこに座って写真を撮っていたから。仲良く2人で並んで自撮りをしている。そういえば、あちこちにお仕事を引退したのかな、という年代のご夫婦がいる。昨日の松江城と同じだ。うちの夫が仕事を引退した後、こうやって一緒に旅行ができるくらいに、2人とも健康だといいのだが。特に足腰が。
じきにすごい物を見つけた。でっかい像がある。どのくらいでかいかと言うと、実際の人間の2倍くらいか……縦横に4倍か?数字と空間把握に弱いので、申し訳ないが正確な所は分からない。とにかくでかい。その像とは、大国主命(おおくにぬしのみこと)だ。大国主命の像が両手を上げ、その反対側には台座に乗った金の玉。神話に基づいたモチーフらしい。その2つを写真に収めようとすると、だいぶ離れて撮る事になる。前にたくさん人が写り込んでしまうが。写真は撮ったが、やっぱり神様の顔が見たくなる。どんなお顔なのか。近づいて行くと、ああ、なるほど。意外に漫画チックなお顔。めっちゃイケメン。
さてさて、もう目の前に社屋が見えてきたぞ。脇にそれてしまったが、真ん中の道へ戻る。ここまでだだっ広い松の並木道になっていたが、その並木道が終わり、ちょっと鳥居の前に開けたスペースがあった。すると、鳥居に向かって右側に、たくさんの黒い服を着た人たちがいた。大きな木の根元辺りに並んでいる感じだった。何となく結婚式の人達かと思った。たぶん錯覚したのだ。花嫁さんがいるように感じたから。よく見ると、白いものは花嫁ではなく、犬だった。ものすごく大きい白い犬が、木の根元に座っていた。ホワッホワな白くて長い毛を持ちながら、胴体部分は短く刈られ、肘から先、足首、しっぽの先だけフサフサにしてある。なんだか、裸って感じで寒そう。というか、恥ずかしそう。いや、そんなにジロジロ見ていたわけではない。少し離れたところから、でっかい木の写真を撮る振りをしてスマホを向け、写真を撮り、さっさと通り過ぎて後から見返したのだ。黒い人たちはきっとお葬式だな。法事かな?で、犬の飼い主と思われる男女のうち、男性の服装は反社系だった……。黒いけど、黒っぽいけど分かってしまう。一般人ならお神輿担ぐ時にしか着ないような服だから。
さて、鳥居をくぐって拝殿へ。あの、大きなしめ縄があった。有名なビジュアル。お賽銭を投じてお参りをしよう。あ、10円玉も5円玉もない。50円玉がいくつかあるので、50円をお賽銭箱に入れた。なんだっけ、二礼四拍手だっけ?あとは?どこかに書いてあるだろうと思って、ガイドブックで読んだものの、ちゃんと覚えて来なかった。ただ、四拍手は珍しいので覚えていた。でも、周りの皆さんは二拍手しかしていない。ま、とにかくうろ覚えだが、四拍手してお辞儀してきた。そうしたら、その後は他の人も四拍手していた。心の中でほくそ笑む。
拝殿の裏へ回ると、もう1箇所、今度はしめ縄はないけれど、もっと広い参拝所が出てきた。ここは御本殿の入り口だが、御本殿には入れないそうで、ここから御本殿に向かってお参りするのだ。またお賽銭。ここでも50円玉を投じる。今度はちゃんと調べて、二礼四拍手一礼という、ここでの正しい方法で参拝をした。
とても長い建物もあって、どこを見ても圧巻である。そして、やっぱりここでもおみくじを引いてしまう。どれどれ?開いてみると、
「第三番」
と書いてあった。上から三番目だろうか?大吉、中吉、小吉、の小吉だろうか。でも、書いてある事は少し辛口。本年は心楽しい事の多い年だが、しかし極めて油断のできない年でもある。為す事にあたっては何事も神様への祈りを深める事が肝要である、だそうだ。旅行は「見合わせるがよい」と書いてある。もう来ちゃっているが。でも、方角は「西・南・北よい」と書いてあるので、ここは東京から見ると西北西か、西か?とにかく大丈夫だろう。というか、本当は全然信じていないのだけれど。神様への祈りは怠ると思うが、油断してはいけないのは、肝に銘じておこう。何事においても、油断は大敵である。
さて、この入ってはいけないと言う御本殿だが、その周りをぐるりと回ろうと思う。周りにもいろいろな物があるらしい。で、御本殿の敷地内も隙間から見える。掃除をしている人たちが数人見える。写真を撮ってしまおう。人はほとんど写らなかったが。御本殿は横も裏も立派である。そして、あちこちに賽銭箱が。もう、これ以上50円は出せないよ。ここまでで100円払っているからね、10円ずつだったら10回もお賽銭を投じる事が出来たはずだからね。
非常に古い建物もある。すっごく古い木の2階建てとか。これはもう、足を踏み入れてはいけないレベルの古さだろう。
回り切ると、次は神楽殿の方へ。なんだか人がたくさん並んでいるようだ。修学旅行生なのか、冠婚葬祭の参列者なのか、両方なのか、分からないくらいたくさんいる。横から橋を渡って行き、神楽殿の正面へ回ると……。
うっわー、でっかい。さっきのしめ縄よりももっと大きいしめ縄があった。重いだろうな。落ちてきたらひとたまりもないな。と、思いながら下にいる人も一緒に写真を撮った。少し離れた所からも撮った。
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