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無感情兎とお兄さん
5.
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*
俺には、気になっている子がいた。
いつも人気の無いこの書店に来てくれる学生の男の子。
真っ白なその子は無表情だけれど、何となく感情が無いわけではない。と、分かっていた。
でも、いつも結構遅くまで書店に居るから、親が心配しないのか、とか。こんなに暗い外を学生が1人で歩くのか、とか。何かと心配になる。
きっと、その子は俺の事を苦手だとか、嫌いだとか、は思っていないのだろう。表情には出ていないけれど、目にはほんの少しだけ、普通なら分からないぐらいの変化だけど、色がついている。
だから、どうして表情が出ないのだとか考えていたけど、少なからず俺の事は嫌いでは無いみたいだから、安心していた。
*
「書店のお兄さん」
まさか、いつものようにスーパーへ行ったらその子に会うなんて。
耳触りのいいでも、感情の無い声。
でも、俺はその声が、目が、好きだ。
気になっている子だから、連絡先を交換したけれど、もし嫌だと言われていたら落ち込んでいたと思う。
一緒に買い物をしているだけで、胸が高鳴る。
だから、つい家まで送るとか、荷物を持つとか言ってしまったのだと思う。
少なからず、兎織くん(名前を聞いた)の目には不快感とかを感じることは無かった。
でか……
兎織くんの家に着いて、真っ先に思った。
めっちゃ家でかいな…俺の家とは比べ物にならないかも。
なんて考えていたら、兎織くんからお礼を言われて胸の高鳴りを感じながら返事をしたけれど、考えていた事が恥ずかしくて、何を言ったか覚えてない…
あまり長く会話しなかったけれど、今日だけで結構仲良く出来た…と、思う。
「そうだ、連絡しよ」
帰路に着きながら、兎織くんに、
『これからよろしく、仲良くしようね!』
と、送った。返事来てくれると良いなぁ
俺には、気になっている子がいた。
いつも人気の無いこの書店に来てくれる学生の男の子。
真っ白なその子は無表情だけれど、何となく感情が無いわけではない。と、分かっていた。
でも、いつも結構遅くまで書店に居るから、親が心配しないのか、とか。こんなに暗い外を学生が1人で歩くのか、とか。何かと心配になる。
きっと、その子は俺の事を苦手だとか、嫌いだとか、は思っていないのだろう。表情には出ていないけれど、目にはほんの少しだけ、普通なら分からないぐらいの変化だけど、色がついている。
だから、どうして表情が出ないのだとか考えていたけど、少なからず俺の事は嫌いでは無いみたいだから、安心していた。
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「書店のお兄さん」
まさか、いつものようにスーパーへ行ったらその子に会うなんて。
耳触りのいいでも、感情の無い声。
でも、俺はその声が、目が、好きだ。
気になっている子だから、連絡先を交換したけれど、もし嫌だと言われていたら落ち込んでいたと思う。
一緒に買い物をしているだけで、胸が高鳴る。
だから、つい家まで送るとか、荷物を持つとか言ってしまったのだと思う。
少なからず、兎織くん(名前を聞いた)の目には不快感とかを感じることは無かった。
でか……
兎織くんの家に着いて、真っ先に思った。
めっちゃ家でかいな…俺の家とは比べ物にならないかも。
なんて考えていたら、兎織くんからお礼を言われて胸の高鳴りを感じながら返事をしたけれど、考えていた事が恥ずかしくて、何を言ったか覚えてない…
あまり長く会話しなかったけれど、今日だけで結構仲良く出来た…と、思う。
「そうだ、連絡しよ」
帰路に着きながら、兎織くんに、
『これからよろしく、仲良くしようね!』
と、送った。返事来てくれると良いなぁ
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