3 / 10
その三
しおりを挟む
1年E組の教室に着くと、既に8割ほどの生徒は到着していた。
ホワイトボードに張り出された座席を確認し、席に着く。
隣の席の矢間隆司という男と軽い自己紹介を済ませる。
髪は・・恐らく地毛じゃないな。雉鳴学園は校則緩いし、不良という訳でもないだろう。
だって、どことなく良い奴そうだし。
そんなことを思っていたら・・・
「あ!俺の髪とか見て、ヤンキーだと思っただろ!ちゃんと、高校受かってから染めたからな!ほら見てみろこれ」
そう言うと、スマホに移った一枚の写真を見せられる。
そこには、坊主姿の極めて真面目な男が映っていた。
「ぷっ」
思わず吹き出してしまう。
「今笑っただろ!俺の中学、校則厳しくてさー、でもほら分かっただろ。誰にも言うなよなてっちゃん!」
そう言うと、悪戯に笑って見せる隆司。ちなみにてっちゃんとは俺のことらしい。
しかし、やっぱりこいつ良い奴だ間違いない。なんかそういうオーラが溢れている。少しバカそうだが・・・。
「分かってるよ。お前、そういうオーラあるし。」
「オーラ!もしかして俺ってすごいかも!!」
二人して笑った。うん、仲良くなれそうだ。
「二人とも楽しそうだね!」
そう言って話しかけてきたのは、既にクラスの人だかりの中心にいた少女であった。
「あ、ごめん!つい楽しそうだったから・・。わたしは、鹿野花桜梨って言います。よろしくね。二人はえっと・・」
俺と隆司も同様に自己紹介を済ませる。
「そっか!じゃあ帝人くんと隆司くんだね!わたしのことは、花桜梨でも鹿野でもいいからねー!」
誰に対しても物腰柔らかく愛想が良い美少女。清楚で笑顔が可憐。学園のアイドル的な存在になる日も近いだろう・・・。
「そーいえば、さっきの見てたよー?片手で杖を付いてた子のこと助けてたでしょ!優しいんだね」
「いや、助けたとかそんなんじゃ・・」
というかあれ見られてたのか・・。
「えー、隼間くんって優しいんだね!」「まじかよ!隼間めっちゃいい奴じゃん!」
いつの間にやら周りにいた、というか、鹿野に連られてきたクラスメイトに話を聞かれてたみたいだ。しかもめっちゃ褒めらている。
うん。褒められるのも悪い気はしないな!
___
そんな流れで、クラスの皆とも自己紹介が出来た。我ながら良い印象を与えられたように思う。因果応報、善因善果。朝のあれはむしろ、俺が助けられたとも言えるのだが、天ケ瀬さん様様だな。
それと、まだ始まったばかりだが、クラスの勢力図が見えてきたように思う。
始業のチャイムが鳴り、担任と思われる教師が入ってくる。
これから本当に始まるのだ。頂点を目指す戦いが・・・。
ホワイトボードに張り出された座席を確認し、席に着く。
隣の席の矢間隆司という男と軽い自己紹介を済ませる。
髪は・・恐らく地毛じゃないな。雉鳴学園は校則緩いし、不良という訳でもないだろう。
だって、どことなく良い奴そうだし。
そんなことを思っていたら・・・
「あ!俺の髪とか見て、ヤンキーだと思っただろ!ちゃんと、高校受かってから染めたからな!ほら見てみろこれ」
そう言うと、スマホに移った一枚の写真を見せられる。
そこには、坊主姿の極めて真面目な男が映っていた。
「ぷっ」
思わず吹き出してしまう。
「今笑っただろ!俺の中学、校則厳しくてさー、でもほら分かっただろ。誰にも言うなよなてっちゃん!」
そう言うと、悪戯に笑って見せる隆司。ちなみにてっちゃんとは俺のことらしい。
しかし、やっぱりこいつ良い奴だ間違いない。なんかそういうオーラが溢れている。少しバカそうだが・・・。
「分かってるよ。お前、そういうオーラあるし。」
「オーラ!もしかして俺ってすごいかも!!」
二人して笑った。うん、仲良くなれそうだ。
「二人とも楽しそうだね!」
そう言って話しかけてきたのは、既にクラスの人だかりの中心にいた少女であった。
「あ、ごめん!つい楽しそうだったから・・。わたしは、鹿野花桜梨って言います。よろしくね。二人はえっと・・」
俺と隆司も同様に自己紹介を済ませる。
「そっか!じゃあ帝人くんと隆司くんだね!わたしのことは、花桜梨でも鹿野でもいいからねー!」
誰に対しても物腰柔らかく愛想が良い美少女。清楚で笑顔が可憐。学園のアイドル的な存在になる日も近いだろう・・・。
「そーいえば、さっきの見てたよー?片手で杖を付いてた子のこと助けてたでしょ!優しいんだね」
「いや、助けたとかそんなんじゃ・・」
というかあれ見られてたのか・・。
「えー、隼間くんって優しいんだね!」「まじかよ!隼間めっちゃいい奴じゃん!」
いつの間にやら周りにいた、というか、鹿野に連られてきたクラスメイトに話を聞かれてたみたいだ。しかもめっちゃ褒めらている。
うん。褒められるのも悪い気はしないな!
___
そんな流れで、クラスの皆とも自己紹介が出来た。我ながら良い印象を与えられたように思う。因果応報、善因善果。朝のあれはむしろ、俺が助けられたとも言えるのだが、天ケ瀬さん様様だな。
それと、まだ始まったばかりだが、クラスの勢力図が見えてきたように思う。
始業のチャイムが鳴り、担任と思われる教師が入ってくる。
これから本当に始まるのだ。頂点を目指す戦いが・・・。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Bグループの少年
櫻井春輝
青春
クラスや校内で目立つグループをA(目立つ)のグループとして、目立たないグループはC(目立たない)とすれば、その中間のグループはB(普通)となる。そんなカテゴリー分けをした少年はAグループの悪友たちにふりまわされた穏やかとは言いにくい中学校生活と違い、高校生活は穏やかに過ごしたいと考え、高校ではB(普通)グループに入り、その中でも特に目立たないよう存在感を薄く生活し、平穏な一年を過ごす。この平穏を逃すものかと誓う少年だが、ある日、特A(特に目立つ)の美少女を助けたことから変化を始める。少年は地味で平穏な生活を守っていけるのか……?

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。
ながしょー
青春
ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。
このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。

恐喝されている女の子を助けたら学校で有名な学園三大姫の一人でした
恋狸
青春
特殊な家系にある俺、こと狭山渚《さやまなぎさ》はある日、黒服の男に恐喝されていた白海花《しらみはな》を助ける。
しかし、白海は学園三大姫と呼ばれる有名美少女だった!?
さらには他の学園三大姫とも仲良くなり……?
主人公とヒロイン達が織り成すラブコメディ!
小説家になろう、カクヨムでも投稿しています。
カクヨムにて、月間3位
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる