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転生!エルフ!百合!チート?ナニソレ!
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どうやら俺は死んだみたいだ。
漠然と、何故かそれだけはわかっている。
ふわりふわりと、無重力に身を任せ俺は漂っているのだろう。
そこに意思は無く、微睡みなのか、覚醒しているのかもわからない。
しかし、今
明るいのか暗いのか、白いのか黒いのかわからない世界が一気に明るくなったのを俺は感じた。
どうやら俺はエルフという種族らしい。
何故かは知らないが俺は多少の自我と知識を持って産まれたらしく、舌足らずではあるが言葉を話せた。
……そして、魔術と呼ばれる技術も、俺は使えた。
習ったわけではなく、無意識に使っていた。
もしかしたら前世というもので教わったのかもしれないがしかし残念な事に俺は前世を覚えていない。
だが知らなくとも困りはしないが。
それとエルフと言うのは魔力と呼ばれる魔術に必要なエネルギーがかなり多く、代わりに体が弱い種族であるらしい。
そして、俺はエルフの中でも特に魔力量が多いいようだった。
……のだが。
「ケホッゴホッゴポォ」
「エリア!?大丈夫!?」
「大丈夫だ、血の2割や3割どうってことは無い」
「それ重症だよね!?」
幼なじみであるルイが青ざめる。
少々俺は体が弱いらしくよく体調を崩している。
産まれて既に200年、だがしかし一向に体が丈夫になる気配がない。
まあそのかわりに魔術があるから生活には困らないのだが。
強大な魔力の代償として、体が弱いのは仕方ないとは思っている。
が、しかし……
「だがルイ、何も俺の看病をしなくてもいいんだぞ?心配しなくてもこのぐらい……」
「ダメ!エリアは私がいないとすぐに無茶をするし!それに私が看病したいからするの!」
と、こんな風に言って譲らない。
……正直、ルイに心配をかけたくは無い。
出来ることならすぐにでも健康な体を手にいれ心配させないようにしたい。
ただ……
「私エリアに本読んでもらうの好きだし、それにさ」
ルイは俺を抱き寄せた。
「……大切な人を他の子なんかに任せたくないもん」
……俺は、わからない。
様々な文献を漁り、様々な知識を身に付けたとて、
「ルイ、俺は、どうすれば」
「キス」
「でも血が」
「いいから、早く」
満足に、恋愛の一つも出来やしない。
何時も言われた通りにしているだけだ。
……これで本当にいいのだろうか?
何か、行動しなければいけないのでは?
ルイは俺の住む村の中でも一番の腕前の狩人だ。
何時も俺の食べる分を持ってきてくれていた。
それだけでなく、何故かこんな俺を愛してくれている。
……なら、お返ししなければいけないのでは?
俺はある夜、適当なローブをはおり森へ出掛けた。
俺は魔術しかできず、村でやる仕事も子供に勉強を教えたり錬金術で物を作る程度。
だが、いくら錬金術で何かを作ろうとそれは村の人達に作った物と同じだ。
大抵の思い付くものは作ってしまった。
せめて、今まで作ったことの無いものを作りたい。
そのために、素材を確保しなければならない。
「フム、これぐらいか?」
ばれないようにコッソリとやっているから本気はだせないが、それでも森の魔物程度簡単に倒せる。
「ここで解体するとしよう、持ち帰ってはばれてしまうからな」
出来ればサプライズで渡したい。
多分怒られてしまうだろうが、それでも俺は自分の力だけで作りたかった。
「さて、早く戻る、か?」
ドクン
ドクンと、心臓が跳び跳ねた。
ああ、これは、本当に、まずい。
「……ゴメン、ルイ」
また、迷惑をかけた。
この世界に転生したとき、俺は様々な能力を持って産まれたようだった。
そして、そのうちの一つ。
「ちょっ、毛っ、毛がっ、ゴホッゴホッ、あ、動いたら、余計!毛が!」
「……また?」
「あ!ルイ!た、助けて!」
獣人化、その名の通り獣人となる能力。
獣人化すれば身体能力があがったり、何かその獣にあった力を使ったりできる。
が、しかし
俺は体が弱く、常に咳き込んでいるような状態だ。
俺が変化する獣人は狐、魔力特化型らしく身体能力はあまり変わらなかった。
……つまり、自分の尻尾からでる毛で咳き込んで、苦しくなりつい尻尾が動き毛がまい吸い込んで咳き込んで……という悪循環を起こす。
ちなみに何故獣人化したのかというと運が悪かったとしか言えない。
まずこれはある一定の条件がそろってこそ、獣人化する。
夜で、満月で、魔術を使用したばかりの時に起こりやすい。
……まあ最近は獣人化していなかったから忘れていたというのもあるのだが。
あ、ルイは最初からついてきていたらしくテキパキと介抱してくれた。
勿論、かなり怒られてしまった。
でも、プレゼントを渡したら喜んで……いや、泣いてしまった。
「だって、嬉しくて……」
彼女に愛をそそいでもらっているにも関わらず、俺は何も出来なかった。
恋愛は、わからない。
でも、それでも。
指輪を贈る意味ぐらい、俺は知っている。
………それに、多分だけど。
こうしなかったらこの関係は終わっていたと、思うから。
他人に渡したくはないし、それに何故か…
永遠にわかれてしまう気がしたから。
漠然と、何故かそれだけはわかっている。
ふわりふわりと、無重力に身を任せ俺は漂っているのだろう。
そこに意思は無く、微睡みなのか、覚醒しているのかもわからない。
しかし、今
明るいのか暗いのか、白いのか黒いのかわからない世界が一気に明るくなったのを俺は感じた。
どうやら俺はエルフという種族らしい。
何故かは知らないが俺は多少の自我と知識を持って産まれたらしく、舌足らずではあるが言葉を話せた。
……そして、魔術と呼ばれる技術も、俺は使えた。
習ったわけではなく、無意識に使っていた。
もしかしたら前世というもので教わったのかもしれないがしかし残念な事に俺は前世を覚えていない。
だが知らなくとも困りはしないが。
それとエルフと言うのは魔力と呼ばれる魔術に必要なエネルギーがかなり多く、代わりに体が弱い種族であるらしい。
そして、俺はエルフの中でも特に魔力量が多いいようだった。
……のだが。
「ケホッゴホッゴポォ」
「エリア!?大丈夫!?」
「大丈夫だ、血の2割や3割どうってことは無い」
「それ重症だよね!?」
幼なじみであるルイが青ざめる。
少々俺は体が弱いらしくよく体調を崩している。
産まれて既に200年、だがしかし一向に体が丈夫になる気配がない。
まあそのかわりに魔術があるから生活には困らないのだが。
強大な魔力の代償として、体が弱いのは仕方ないとは思っている。
が、しかし……
「だがルイ、何も俺の看病をしなくてもいいんだぞ?心配しなくてもこのぐらい……」
「ダメ!エリアは私がいないとすぐに無茶をするし!それに私が看病したいからするの!」
と、こんな風に言って譲らない。
……正直、ルイに心配をかけたくは無い。
出来ることならすぐにでも健康な体を手にいれ心配させないようにしたい。
ただ……
「私エリアに本読んでもらうの好きだし、それにさ」
ルイは俺を抱き寄せた。
「……大切な人を他の子なんかに任せたくないもん」
……俺は、わからない。
様々な文献を漁り、様々な知識を身に付けたとて、
「ルイ、俺は、どうすれば」
「キス」
「でも血が」
「いいから、早く」
満足に、恋愛の一つも出来やしない。
何時も言われた通りにしているだけだ。
……これで本当にいいのだろうか?
何か、行動しなければいけないのでは?
ルイは俺の住む村の中でも一番の腕前の狩人だ。
何時も俺の食べる分を持ってきてくれていた。
それだけでなく、何故かこんな俺を愛してくれている。
……なら、お返ししなければいけないのでは?
俺はある夜、適当なローブをはおり森へ出掛けた。
俺は魔術しかできず、村でやる仕事も子供に勉強を教えたり錬金術で物を作る程度。
だが、いくら錬金術で何かを作ろうとそれは村の人達に作った物と同じだ。
大抵の思い付くものは作ってしまった。
せめて、今まで作ったことの無いものを作りたい。
そのために、素材を確保しなければならない。
「フム、これぐらいか?」
ばれないようにコッソリとやっているから本気はだせないが、それでも森の魔物程度簡単に倒せる。
「ここで解体するとしよう、持ち帰ってはばれてしまうからな」
出来ればサプライズで渡したい。
多分怒られてしまうだろうが、それでも俺は自分の力だけで作りたかった。
「さて、早く戻る、か?」
ドクン
ドクンと、心臓が跳び跳ねた。
ああ、これは、本当に、まずい。
「……ゴメン、ルイ」
また、迷惑をかけた。
この世界に転生したとき、俺は様々な能力を持って産まれたようだった。
そして、そのうちの一つ。
「ちょっ、毛っ、毛がっ、ゴホッゴホッ、あ、動いたら、余計!毛が!」
「……また?」
「あ!ルイ!た、助けて!」
獣人化、その名の通り獣人となる能力。
獣人化すれば身体能力があがったり、何かその獣にあった力を使ったりできる。
が、しかし
俺は体が弱く、常に咳き込んでいるような状態だ。
俺が変化する獣人は狐、魔力特化型らしく身体能力はあまり変わらなかった。
……つまり、自分の尻尾からでる毛で咳き込んで、苦しくなりつい尻尾が動き毛がまい吸い込んで咳き込んで……という悪循環を起こす。
ちなみに何故獣人化したのかというと運が悪かったとしか言えない。
まずこれはある一定の条件がそろってこそ、獣人化する。
夜で、満月で、魔術を使用したばかりの時に起こりやすい。
……まあ最近は獣人化していなかったから忘れていたというのもあるのだが。
あ、ルイは最初からついてきていたらしくテキパキと介抱してくれた。
勿論、かなり怒られてしまった。
でも、プレゼントを渡したら喜んで……いや、泣いてしまった。
「だって、嬉しくて……」
彼女に愛をそそいでもらっているにも関わらず、俺は何も出来なかった。
恋愛は、わからない。
でも、それでも。
指輪を贈る意味ぐらい、俺は知っている。
………それに、多分だけど。
こうしなかったらこの関係は終わっていたと、思うから。
他人に渡したくはないし、それに何故か…
永遠にわかれてしまう気がしたから。
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