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彼女
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女の人がいる。
ナチュラルに近い化粧と、白いブラウスに膝丈ぐらいのスカート。
「っ、真白くん…!!良かった、私…っ、」
肩を大きく上下させ、病室の入口に立っている。
オレを見て、心底安堵したように表情を緩ませた。
笑うと、結構可愛い。
清楚ってこういう女の人のことを言うんだろうな、とこの状況にそぐわない感想が頭の中で浮かんだ。
――意識を取り戻した、数日後。
”今日、アンタの元カノがくる”
ちょっと楽しそうな口調でそう告げた『彼』に、動揺せずにはいられなかった。
「会いたかった…っ!」
彼女が長い髪を耳にかけ、こっちに走るようにしてきて、ドン、と体に重みと同時に振動が走った。
突然見知らぬ女性に抱き締められた驚きで、硬直する。
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