211 / 291
学校
18
しおりを挟む相思相愛の恋人と別れさせられたとでも言いたげに涙ながらに訴える。
”ずっと一緒にいるはずだったのに、音海くんが戻ってくるように命令したから。
邪魔しないで。
そんなに自分だけが特別だと思ってるの?いい加減にしてよ。
知らないでしょ?
セッーーの時――、
咲人が――することも、
私といるときに、――で、
――の時に、――するってことも、
それに――――――、
ほら、やっぱり何も知らないんだ!
咲人と結ばれるのは私なの。咲人のご主人様は私。音海くんじゃない。
たくさん愛してくれた。可愛がってくれたの。私が特別。彼にとって大事なのは音海くんじゃない。
返して。咲人を返して。”
怒りに目に涙を浮かべてまくしたてられる。
妬心。粘ついた執着。嫌悪。支配欲。憤怒。他にも色んなものが混ざった声を全部露わにされたものを浴びせられる。
「……っ、」
逃げ出したくなる言葉が刃になって無数に心を抉った。
その情景が浮かぶような、耳にしたくない行為や感情を詳細に気が狂いそうなほどぶつけられ、おかしいくらいに揺れる。
…こっちが泣きたい。
オレだってさっくんが好きなのに。
好きで好きで好きで仕方がなくて、……それでも、恋人にはなれなくて、
…桃井の言うように、そういう意味の特別ではないってわかってるけど、なれないって知ってるけど
だから、余計に二人がオレのいない場所でしていたことなんて
……そんなの、聞きたくない。
「咲人は幸せそうだったもの!私といるのが一番だって思ってるの!」
子どもじみた態度で投げつけられた台詞に、…憎悪に似た感情がわいた。
全身を巡る濁った気持ちがどろどろと途方もなく滲み出てきて、それを隠せないままに睨む。
「…好きなら、なんであんなことしたんだよ」
忘れない。忘れられない。
1
お気に入りに追加
272
あなたにおすすめの小説
変態村♂〜俺、やられます!〜
ゆきみまんじゅう
BL
地図から消えた村。
そこに肝試しに行った翔馬たち男3人。
暗闇から聞こえる不気味な足音、遠くから聞こえる笑い声。
必死に逃げる翔馬たちを救った村人に案内され、ある村へたどり着く。
その村は男しかおらず、翔馬たちが異変に気づく頃には、すでに囚われの身になってしまう。
果たして翔馬たちは、抱かれてしまう前に、村から脱出できるのだろうか?
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
少年野球で知り合ってやけに懐いてきた後輩のあえぎ声が頭から離れない
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
少年野球で知り合い、やたら懐いてきた後輩がいた。
ある日、彼にちょっとしたイタズラをした。何気なく出したちょっかいだった。
だがそのときに発せられたあえぎ声が頭から離れなくなり、俺の行為はどんどんエスカレートしていく。
エレベーターで一緒になった男の子がやけにモジモジしているので
こじらせた処女
BL
大学生になり、一人暮らしを始めた荒井は、今日も今日とて買い物を済ませて、下宿先のエレベーターを待っていた。そこに偶然居合わせた中学生になりたての男の子。やけにソワソワしていて、我慢しているというのは明白だった。
とてつもなく短いエレベーターの移動時間に繰り広げられる、激しいおしっこダンス。果たして彼は間に合うのだろうか…
小さい頃、近所のお兄さんに赤ちゃんみたいに甘えた事がきっかけで性癖が歪んでしまって困ってる
海野
BL
小さい頃、妹の誕生で赤ちゃん返りをした事のある雄介少年。少年も大人になり青年になった。しかし一般男性の性の興味とは外れ、幼児プレイにしかときめかなくなってしまった。あの時お世話になった「近所のお兄さん」は結婚してしまったし、彼ももう赤ちゃんになれる程可愛い背格好では無い。そんなある日、職場で「お兄さん」に似た雰囲気の人を見つける。いつしか目で追う様になった彼は次第にその人を妄想の材料に使うようになる。ある日の残業中、眠ってしまった雄介は、起こしに来た人物に寝ぼけてママと言って抱きついてしまい…?
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる