貴方は俺を愛せない

和泉奏

文字の大きさ
上 下
204 / 307
学校

11

しおりを挟む




掴まれて押さえつけられてる手首が痛くて、手に力を入れて外そうとしても、そうすれば今度は反対にキスの方から意識がそれてしまって粘膜を嬲り続けられる。


「…っ、ん……、は、ぁ、ふ…っ、」


だらしなく閉じられない唇を濡らす唾液が増え、そのぬるぬる感に腰が震え、脳が痺れる。

前だったら絶対に拒んでいただろうけど、この顔を独り占めできる時間を逃したくなかった。
結局、どうしたいんだオレはと微かに冷静な自分が訴える。

…でも、正直…好きな男にキスされて嫌なやつはいないだろう。

それに、これだけ切羽詰まったような息の奪い方をされると

…違うってわかってても、
…そうじゃないって知ってても、

求められているようで、オレを必要だと思ってくれているみたいで胸が壊れそうなほど泣きたくて嬉しくなる。

それにさっくんはキスがほんとに上手いから(キスだけじゃなくて他もやばいくらい慣れてるけど)、すぐ気持ちよくなってしまう。

キーンコーンカーンコーンと予鈴が廊下に響いたのを意識の端で捉えて、かろうじでその身体を押して離そうとした手もとられて指を絡めたまま壁に同じように押し付けられては一切の抵抗も叶わない。

構ってほしい時にしてくるキスみたいに、熱をわけあうような口づけは容易に鼓動を速くし、狂おしく腰を砕けさせた。

力を失くし、崩れ落ちそうになれば股の間に差し込まれた膝にズボンの中で勃起している硬いちんちんを擦る体勢になって余計に感じてしまう。

後ろは壁、しかもしゃがみこもうにもそうできないように膝を差し込まれては声をできるだけ我慢しながら耐えることしかできなかった。


「……っ、…は、ぁ…はぁ、ぁ…」


ゆっくり離れていった熱の感触に、軽く吐息を漏らせば、膝が抜かれ、…ずるずると床についに崩れ落ちる。

そんなオレの頬に触れ、優しくなでる低い温度の手。

しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

朝起きたら幼なじみと番になってた。

オクラ粥
BL
寝ぼけてるのかと思った。目が覚めて起き上がると全身が痛い。 隣には昨晩一緒に飲みにいった幼なじみがすやすや寝ていた 思いつきの書き殴り オメガバースの設定をお借りしてます

嫁さんのいる俺はハイスペ男とヤレるジムに通うけど恋愛対象は女です

ルシーアンナ
BL
会員制ハッテンバ スポーツジムでハイスペ攻め漁りする既婚受けの話。 DD×リーマン リーマン×リーマン

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

飼われる側って案外良いらしい。

なつ
BL
20XX年。人間と人外は共存することとなった。そう、僕は朝のニュースで見て知った。 なんでも、向こうが地球の平和と引き換えに、僕達の中から選んで1匹につき1人、人間を飼うとかいう巫山戯た法を提案したようだけれど。 「まあ何も変わらない、はず…」 ちょっと視界に映る生き物の種類が増えるだけ。そう思ってた。 ほんとに。ほんとうに。 紫ヶ崎 那津(しがさき なつ)(22) ブラック企業で働く最下層の男。悪くない顔立ちをしているが、不摂生で見る影もない。 変化を嫌い、現状維持を好む。 タルア=ミース(347) 職業不詳の人外、Swis(スウィズ)。お金持ち。 最初は可愛いペットとしか見ていなかったものの…?

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!

かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。 その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。 両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。 自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。 自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。 相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと… のんびり新連載。 気まぐれ更新です。 BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意! 人外CPにはなりません ストックなくなるまでは07:10に公開 3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

処理中です...