貴方は俺を愛せない

和泉奏

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甘くて、痛くて、泣きたい

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濃厚なキスの余韻と夢うつつな思考で言われるがままによろよろと背を向けた。

ベッドに手をついてなんとか四つん這いの状態になると、柔らかい尻を若干乱暴に掴まれ、…その手の感触にぎゃ、と声が出た。


「い、いきなり掴むな…!っていうか、返事、は」


咄嗟に振り向こうとして、


「だめ」

「ふ、ん、んんっ、」


不意に後ろから抱きしめられ、目を手で塞がれた。
首筋を唇の感触がなぞり、吐息が触れればぞくぞくする。


「俺の方は見ちゃだめ、ですよ」

「どう、して…っ、?」


まるで悪いことをしようとしている子どもに対して、しーっと唇に人差し指を当てているかのような口調でオレの行動を叱ってくる。


「…ね、いい子な夏空様なら…俺の言うこと、ちゃんと聞けますね?」

「っ、う、うん、わか、った…ぁっ」


優しいのに、どこか冷たい声は
自分の言葉に有無を言わせずに従わせるような何かがあって、洗脳されるように素直に頷いた。
褒めるように髪を撫でられ、頬が緩む。

尻の谷間に、にゅるにゅるとちんちんの重くて長い竿の感触が擦るように行き来する。
尻から太ももに零れる白いモノが零れ、小さく震えた。
ちんちんから出てる我慢汁と、その白いのがまだまだ内部に残ってて、体が前後するたびにさっくんのちんちんが擦れてぬるぬる滑る。


「本当に…俺のこと、好き?」

「う、ううっ、うぅ…、うん…っ、」


敬語じゃない。
その聞き方に、頬が熱く火照る。
お尻をもみくちゃに揉みながら、後ろから割れ目にあてがわれた肉棒に擦りつけるように前後に揺さぶられた。

時々肛門の入り口に一瞬クチ、と亀頭のみが一瞬音を立てては入りかけて、またすぐに出て行ってしまう。


「俺のこと、どれくらい好きですか?」

「…っ、すごい、好き、」


後ろから抱きしめられて耳元で囁かれたら、嬉しくて聞かれるままにこたえてしまう。
小学生みたいな回答だなって自分でも思ったけど、他に表現の仕方も思いつかない。


「……どこが好きなんですか?」

「…っ、どこ、って、」


さっきから恥ずかしいことばっかり聞かないでくれ、と羞恥に涙がにじむ。

弱い耳に唇が触れ、吐息まじりに質問攻めにされると、ふるふる震えてしまう。


「ね、夏空様…教えて?」

「…っ、う、うう…っ、ぁあ、」


歓喜に身体が悶えた。

確実に狙ってる。わかってやってる。
こういう時に敬語じゃなくて、しかも甘えたような声を出すのはずるい。

(…こんなの、逆らえるはずがないじゃないか)

あふれ出る気持ちに負けて、ぽつりぽつりと言葉にする。


『普段の優しくて落ち着く声も、

他の人と比べられないくらい綺麗で、毎回悩殺されるくらい格好良い容姿も、

けど、それについて何とも思ってなくて、自分を特別じゃないと思ってるところも

オレにだけ甘くて、困ったような表情をしながらも結局何でもしてくれるところも、

…こういう、えっちな行為が上手すぎるところも、』


「全部、すき、だ」


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