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御主人様の秘密の行為
Q.大人とは?A.今までできなかったことができるようになること
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前にさっくんに意地悪でネタにされた『一昨日の悪夢』
今思い出しても叫びたくなるような出来事だった。
――それはあの日、
友達に初めて借りたエロ雑誌を見ながら
初めて一人で…オナニー、はたまた…ますたべーしょんというものをしてみようと挑戦した日のことだった。
「…よし、」
さっくんが買い物に出かけたのをこそこそっと確認する。
念のため、ぱぱっともう一度辺りを見回した。
「…いない…よな?」
返事はない。
まるで屍のようだ…と、どこかの本でこんなフレーズが続いていたのを思い出した。
隠れて秘密事をするという興奮も重なって、ひとりで笑ってしまいそうになるのを堪える。
「…さっくん…?」
いないとわかっていても心配で、なんとなく呼びかけてしまう。
「………」
「…………」
しかし答える声はなく、しーんと家中が静まり返っていた。
「…う、うむ。準備万端だな。ぬかりはない」
いつもはオレがどこにいたとしても呼べばすぐに来る。
だけど、今日は数回呼んでみても何の反応もなかった。
ちょっとだけ寂しいとか思ったりしなくもないけど、
もしいたら困ってたからこれで良いんだと心を納得させる。
ここまですれば、…絶対にさっくんに見つかるようなことはない。…はずだ。
「…やる。オレはやれる子だ」
頷き、ガラガラガラと扉を開けて中に入る。
自分の部屋とかそういうのがないから、とりあえず鍵のかかる脱衣所の端っこであぐらをかいた。
ちなみに履いてたトランクスはてきとーにそこら辺の床に放り投げておく。
汚れては困るからな。そこも、きちんとがくしゅーずみだ。
よし、ともう一度気合を入れて
…ゆっくりと足を広げる。
「…っ、」
ごくっ、
左右に広げた足の中心にあるちんちんを見下ろして、唾を飲みこんだ。
心臓がバクバクする。
汗が手に滲む。
(…初めての、オナニー…。これができれば大人…)
友人の言葉を思い出す。
『夏空…お前まだあのイケメン執事に良いようにされてんの?
しかもオナニーすら一人でできないなんて、大人になれてない証拠だぜ。
だからそんなに身長が伸びねーんだな!』
にやにやと笑って揶揄うように言われた言葉。
ぴき、とこめかみに青筋が立った。
その時も相当怒ったけど、
今思い出してもムカッとする。
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