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鳥籠の雛
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しおりを挟む聞くなよ、
聞くな、ばか、おれのばか
傷つくだけだ、
知ってるのに、
ほんとは、…ずっと何をしてたか なんて
「私に言わせたいの?ほんとはわかってるんでしょ?」
ふふって鈴のような音を鳴らして笑う。
微かに嘲笑を滲ませている小さな含み笑いに、おれは背中が障子についたせいで逃げ場もなく、ただ呼吸すら忘れて震え、…立っているのもやっとだった。
……以前よりばっさりと切って短くなったその髪の毛は少し乱れていて、湿ったように色を濃くしている。
同じ、匂い、
同じ、お風呂の後、
こんな、まだ…夜にもなっていない時間帯に、
(…どうして、そんな、姿で、)
そればかりが頭をめぐって、口の中は水分を失ったように干からびていた。
だって
…二人の雰囲気で、わかる。
こういうのはわかってしまうから。
お風呂に入った後、というだけでは説明ができない表情。空気。
…意味ありげに、うっとりとした目つきをくーくんに向け、気恥ずかしそうにやや紅潮している頬。
首元に朱を残している口づけの痕。
今までには考えられない程上機嫌に、可愛らしく愛嬌のある笑い方。
丁寧に塗られたはずなのに…今は擦れたように、少しはがれている口紅。
身体の、ある特定の場所の違和感を庇っているように、ややふらついた歩き方 は、
…それは、昔に見た、…鮮明な記憶として覚えている。
部屋に充満するむっとした匂い。
精液、膣液、体液、全部がまざった、
お父さんと行為を終えた後、部屋から出てきたお姉さんみたいに
…何か、別の意図を含んでいる…勝ち誇った顔 で
「セックス」
「……ぇ……、?」
おれを見下す声が、 容赦なく心を潰した。
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