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壊れて、
現在
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「だ、れ…?」
「…は?」
「…くーくん?ひっく、…くーくん、くーくんだよね…?」
「……、」
ぴく、と眉が寄る。
その何度もちんぽを突っ込んだ唇が、吐き気がするほどだいっきらいなヤツの名前を呟く。
(…なんでコイツがこんなところにいるんだ)
突然転がり込むように部屋に何か入って来たと思ったら、今度は俺様を見て「くーくん」だ?
ふざけんな。どこをどう間違えたらそう見えるんだよ。
ただでさえアイツにやられた灼熱状態の傷と乾いた血と皮膚の剥がれ方が尋常じゃなくて苛々してるっつーのに、またその原因になったこの家畜の顔を見ることになるなんてと余計に虫唾が走る。
「…ね、もっかい話して。何か、お話し、しよ…?」
「……?」
近距離にいるのに、床に手をついてぺたぺたと探るようにしてくる。
その手探り感は酷く危うげで、頼りない。
しかもありえないほど無防備感半端なかった。
はだけた浴衣…手足と首には高そうな黒い枷が嵌められている。
…その鎖の先はどこに繋がってるのか、ドアの外に続いていた。
(……“コレは俺のもの“ってか)
こんなんじゃ、王子様が迎えに来るのも時間の問題だろう。
「…くーく…?…」
「………」
コイツここまでガキみたいな話し方だったか…?
(…つーか、)
「……(…いーこと、思いついた)」
壁に寄りかけていた(というか動けない)背を、少しだけずらす。
ぱさぱさに乾いた唇を、唾液のでない舌でざらりと舐めた。皮膚が削げた。
アレがいないこの状況。
…というか、アイツは気づいてない可能性が高い。
何があったとしても、アレがわざわざこの大切なオヒメサマをひとりで俺の方に寄越すはずがない。
しかもこの暗闇でコイツにはこっちの姿が見えてないらしい。
「…(ちょっと遊んでやるか。)」
うまくいけばアイツの泣き顔、また見れるかもしれねえし。
繋がれた鎖をじゃらりと揺らし、息を深く吸う。
「…ここだよ」
できるだけ短文で。
かつ、アイツに似た声音を出した。
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