手足を鎖で縛られる

和泉奏

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背中と頭が、ごつんと床に当たる。


「…っ、ぎゃ、」


(い、痛…っ、)


突然何をするんだと非難の意味も含めてくーくんの方を見ようとして、


「…ふぁ…?!!ひ…っ、あ、」


浴衣も覆ってなくて、かつ無防備だった性器に何かが触れた気がして、驚きの声が上がった。

その何かがぐりぐり亀頭の先端を擦るように動くから、「…っ、ひ、っ、ぐ、」きゅん、と下腹部が痺れた。急いで床に腕をついて上半身を起こす。

…と、

不満に声をあげるおれに構う余裕なんかさらさらないらしい切羽詰ったような表情をしている彼が、

何故か、……おれの性器を掌で包み込むようにして触れていた。


(……え?)


呆気にとられる。



「…っ、ぁ、…くー、…っ、く…?」


(…え、…え、なん、で…)


動揺を隠せずに震える唇で彼の方を、見つめると

…限界なくせに。
もうそんな余裕もないはずなのに。

…それなのに、さっき射精しそうだっただけに頬を染めて辛そうな表情を浮かべながら、

ちらっとこっちに視線を投げかけて、悪戯っぽく微笑んだ。



「…――ッ、」


(…ちょ、ちょっと…?!!)


その手が…くーくんの感じてる姿によって爆発寸前になっていた性器を包み込んで、ぬちゅぬちゅと扱かれる。

…ビクンッと腰が跳ねた。

そうして、彼が何をしようとしているのか今更理解する。


「…っ、」


(…おれが、くーくんをきもちよくさせたかったのに。)


ぐちゅぐちゅと指でよわいところを弄られる性器からなんとか意識を逸らして、「…っ、おしり、あげ、…っ、て、あしにひらい、て」おれだってされてばっかりなんて嫌だ。その間にも与えられる感覚が気持ちよすぎてすぐにでも出してしまいそうになる。


(…でも自分より、絶対にくーくんを先にイかせたい、から…)


一瞬だけ動きをとめて、戸惑うような雰囲気を出した彼に「おねが、い…っ、」と生理的に浮かぶ涙を交えて頼めば、お尻をあげて、足を広げてくれた。

脚の間にもぐりこんで、さっき以上に爆発寸前になっている彼の性器に触れる。
すると、…微かに震える彼の腰と…その逞しい性器。

舌を伸ばし、唇の中にもう一度含む。

…だけど、そんなに嫌なのか意図的に腰をずらし、口からすぐに抜かれてしまった。


「ぐ、ーく…っ、にげちゃ、だめ…っ、」

「…っ、…嫌、だ」

「…っ、ば、ばかぁ…っ、も、おれ、…っ、」


イッちゃうのに。
先に、くーくんを気持ちよくさせたかったのに。

…こんな風に性器をいじられている状態で、既に腰を上げた状態にすらなってくれなくなったくーくんをイかせるなんて無理だ。

左右に大きく開いた脚が、膝が、お尻が、下腹部が、ふるふると震えた。


「…ふ、…っ、ふぅ…ッ、は…っ、」


(…やばい、も、これ以上されると、…で、…る…っ、)


上下に扱くだけじゃない、…弄られると弱い亀頭も強く指の腹でぐりぐりされ、強い熱が下腹部に集まる。

…このまま彼の思うようにされてたまるか、と顔の位置を動かそうとしたり、手で追いかけようとした彼のモノをいったんあきらめた。

そして、思いっきり力の限りくーくんのおなかあたりを下から手で押して突き飛ばした。


「…っ、な…ッ、」

「…ごめ…っ、ね、くー、…っくん」


予想外の場所からの衝撃に加え、やっぱりくーくんもイク寸前であんまり力が入らないらしいのと、左腕が使えないせいで、余計にバランスをとれなくて床に倒れる。

そのタイミングを逃さずに、今度こそ彼を逃がさないようにと倒れた彼のお腹の上にお尻をつけて、体重をのせた。それから、はむ、と性器を咥えた。


(流石に、おれがお腹にのってれば、少しぐらいはくーくんでも身動きがとれなくなる…はず。)


さっきよりも興奮してるのと自分も限界の一歩手前なのもあって、急いで喉の奥まで嘔吐く勢いでのみこんでしゃぶった。

とにかく自分よりもくーくんを先にいかせたくて、それだけで頭がいっぱいだった。


だけど


「…っ、ふ、ぁ…っ、や…っ、」


(…また、…っ、)


負けじとまた後ろから伸ばされた彼の手に性器をぐちゅぐちゅされ、…脳天を貫くような快感に、咥えたままで意識が飛ぶ。

涙がぼろぼろと零れる。
ぶるっと身体が震えて全身から力が抜けた。


(…ぁ、おれの、方が、…先に…っ、)


頭が真っ白になった一瞬後、あああと自分の身体に今起きたことを自覚してその情けなさに泣きたくなる。

…と、射精したことで身体から一気に力が抜けた。

でも、力が入らなくなったのは、腰だけじゃない、



「…ふ、ぁ、?――っ、」



…必死に数秒前まで性器を咥えてしゃぶっていた頭部も


重力に逆らえなくなって、…がくんと、下がった。





「………ッ、!」


「…っ、ん゛ん…っ、」



…―――彼の肉棒を、さらに喉の奥の奥まで飲みこむような体勢になる。


舌が反射的にそれを押し出そうとして、今までよりも強く口のナカの性器を擦り上げた。
ぎゅう、と喉がそれを絞るように締めつける。



「…ッ、は…っ」

「…んぅ゛!?…っ」


…と、その瞬間、硬くなっていた口の中のモノが、ビクン、と震える。



(…や、やば…っ、)


青ざめた


…直後、



「…っ、ふ…っ、ん゛――っ?!!」



放たれた精液が、なんの準備もしていなかった場所に叩きつけられた。
喉が、精液でいっぱいになる。



「…っ、――ッ、」


次から次へと大量の精液が吐き出されて、


溺れる、

溺れそうになる、


味とかあったかいとか、感じる余裕もなかった。
もしこれがちゃんとした格好でしてたフェラで、そろそろ出るだろうって覚悟してる場合とか、そういう時に射精されるのとはわけが違う。


……意図的じゃなく、喉の奥まで突っ込まれている時に、白濁液を叩きつけられた。


(……っ、しぬ…かも、)


余計にタチが悪かったのは、

…飲みこんでいる間にも、上半身が危機的状況に陥っているのに、下半身がびくびくと震えて熱を放出していたことだ。
苦しいのか気持ちいいのかどっちかにしてほしい。

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