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(…ああ、どうしよう)
一度そのことを思い出してしまったおれの頭は完全にクリアになっていて、またくーくんの方が優勢になってしまったキスに窒息しそうになりながら一生懸命にその胸を押した。
さっきまで手加減でもしてたのかって思うくらい、今度はほんとに少しの間も息を吸う時間を許されないくらいに口腔内を犯された。
…流石にやばい、死んじゃう、殺される、とこんな状況じゃ普通思わないはずのことばかりが浮かんだ。
あまりにも長くて、荒々しくて強引な口づけに頭の中が真っ白になってくる。
酸欠で頭が痺れて視界が白く染まっていく。
もう限界です、限界…!と彼の胸を必死で両手で押した。
(どこ、くーくんは一体どこのタイミングで息吸ってんの本当…!!!)
唇が離れた少しの隙に逃げようとして、伸びた鎖を引っ張られる。
「…っ、」態勢を崩して倒れ掛かったところを、手首の少し下辺りを掴まれ、壁に押し付けられた。
すぐに唇を奪われて、口腔内を荒らされる。…と、力が抜けて、ずるずると腰の辺りからくずれおちることになった。
「…ま…っ、…ちょ、っと、待って、」
「…無理」
拒否することで、余計にくーくんを刺激しているような気がする。
そのせいか、さっきまで優しかったくーくんの瞳が、その…完全に欲情しきっている瞳が、余計に熱を増して
…そして、怒ったように細められるのを見て「…っ、」下から駆け上がってきた恐怖に身を竦ませた。
…頭のすぐ後ろに壁があるせいで逃げられない。
角度を変えて貪るようなキスに眩暈が、した。
綺麗な黒髪がふわりと頬を掠める。
首筋に顔を埋めてきたくーくんがその辺りに唇を這わせてきた。
「…っん……ふ…っ」
そのやわらかい感触が肩におりて、くすぐったい感覚に声を漏らした
…直後、
「…っ、!!!!ぃ…っ、」
そこを強く噛まれた。一気に寒気が駆け上がってくる。
歯が骨にまで達するような激しい痛みにぎゅっと瞼を瞑る。涙が滲んだ。
今までもこうやってキスマークとかつけるのお互いにやってたけど、それとは比にならないぐらい、痛い。
意識する間もなく、我慢できなくて涙がぼろぼろ零れ落ちる。
それから耳もかぶりと噛まれて、歯があたる感覚が、噛みちぎられるような痛みが、与えられる。
本能的に感じる恐怖に必死で逃げようとしても、顎を掴まれて唇を塞がれる。
「…っ、は…、限界」
「…っ、や、…っ、」
(…やだ、)
こんな雰囲気でするの、やだ。
嫌だ。なんか、怖い。
昔のくーくんは、もっと優しかった。
キスするときも、もっと、優しかったのに。
ちゅ、と肌に吸い付いてくる唇が、何度もおれの身体に、花を数えきれないくらいに咲かせていく。
腰の辺りまでおりてきた手が、「…っ、ぁ、」完全に勃起してびくびくと震えている性器に触れた。
彼の手に触れられて、悦んでいるようにビクついて
「ーーっ、ぁ、ひ…」
…おれだって、このまま流されてしまいたい。
このまま、知らないふりをして、最後までしたい。
でも、でも、でも
「…っ、や、まって、くーくん…っ、」
「や、じゃないだろ」
低く、最早冷たい声音になって呟かれた声音。
その声の通り…余裕なんて全くないんだろう雰囲気と表情で、
「…っ、くー、く…」
…元々、おれがわるいってわかってる。
今、とめようとする原因もおれにあるってわかってる。
でも、何度言おうとしても唇を塞がれて言えなくて、「…っ、」ただ涙を零すだけになった。これ以上、くーくんを怒らせたくない。嫌われたくない。
想像していたような甘い雰囲気なんか一切なかった。
…確実におれの頬にはさっきまでとは違う涙が流れていて、
その顔を手で隠そうとした瞬間、握られた性器をぐちゅぐちゅっと激しく上下に扱かれる。
手のひらの付け根、少し固いところで亀頭をゴリゴリされた。
「や…っ、ぁ…ッ、ぁ゛、あああ…ッ」
無理矢理に与えられる刺激が気持ちよすぎて、脚が勝手に開いたり閉じたりする。
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