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股からぶらさがった、おれの性器にある…数えきれないほどの擦り傷、血の滲んだ跡。
身体のと、よく似ている。
トイレするときも痛かったし、それに痛いのはソコだけじゃなくて、お尻もだった。
まだずっとズキズキしてて、激痛が走ることがある。
……無理矢理何かで孔を拡げられたような感覚と、痛み。
された覚えがないから、そんなに気にしてなかった、けど、…これも、身体にある傷のほかに、くーくんを苦しめる要因になっているのかもしれない。
(……これも、くーくんの大っ嫌いな人、がおれに、した…?)
なら、どうして…?おれがその人に何か嫌なことを、悪いことをしちゃったのかな。
だとしたら、もしかして身体のこれは全部殴られた跡、とか…?
確かにこの傷を見る時のくーくんの顔は、お父さんに殴られた後の表情に似ているような気がした。
その時のことを思い出して、そうやってくーくんを苦しめている…おれにある全ての傷を上から全部失くしてしまいたい衝動に駆られて、さっきとは違う意味で顔を伏せる。
「…もう、いい…?」
「何言ってんの。これだけで終われるわけないだろ。まだまーくんの望みを叶えてないのに」
「も、もういらない、やめる、から…っ、」
バッと手をおろしてしまいたくなるのをなんとか制御して、だけどちょっとだけ手の位置は下げて、ぶんぶんと首を振った。
涙が飛び散る。
「もう絶対に言わない、言わないって約束する、…から…っ、」
「…だめだよ。俺はまーくんにお願いされたことはなかったことにできない」
「融通の利かない人間なんだ」と冗談みたいな言葉を真剣な表情で呟いて、「だから、」と続ける。
「今から頑張って出してもらおうかな」
「…な、なに、を…?」
ドクン、嫌な予感がする。
優美な微笑みを浮かべて、だけど冷たい瞳をしているくーくんに、まだこれは続くのだと確信した。
「まーくん、精液がどこから出てくるか…知ってる?」
「…どこ、から…?」
「ココから、なんだよ」と指先でツン、と性器の先の尿道のところを軽くつつかれる。
「だとしたら…なんで俺がこんな格好させてるか、わからない?」
「…え、わ、わかんな…」
何か悪巧みをしているような表情で問いかけてくる彼に、ふるふると首を振って、……少しして、気づいた。
「もし、かして、…」
「そう。だから望み通り、自分で飲んでもらおうかなって」
「……自分、で…のむ…?」
「うん。――まーくんの大切な精液を、な」
「…っ、」
その唇から吐かれる言葉とは反対に、優しげな雰囲気を纏った綺麗な笑顔。
息を、呑んだ。
(おれの、を…)
青ざめる。
冷や汗がどばどばと流れ落ちた。
「で、でも、さっきくーくんが、聞いて、」
自分のと、くーくんのだと
どっちがいいって、言ったのに。
なんとかしてこの状況から逃れようと弱々しく反論する
と
「だって、嫌がる方じゃないと意味がないから」
「…っ、」
「自分の精液ってどんな味がするんだろうな」
「きっと、まーくんの精液なら自分で飲んでも凄く美味しいと思うよ」とさらりと呟いて、実際美味しかったし、と付け加えるくーくんの言葉なんか耳に入ってこない。
自分の、を、…自分で、…?
「…や、やだ…っ、ね、くーくん…っ、」
「あんまりまーくんがそういうことしてるの見たことないけど、…自分で出来る?」
「…っ、」
泣き出しそうなおれにかまわず、既に彼の中では決定事項となっていることに衝撃を受けた。
わなわなと唇を震わせて、ふるふると首を振り続けると、手首を掴まれて咎めるように名前を呼ばれる。
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