手足を鎖で縛られる

和泉奏

文字の大きさ
上 下
240 / 784
俊介の告白

7

しおりを挟む





結局…なんとなくいつかはこうなるような気はしていたんだと思う。

やっぱりあの時に思ったことは間違ってなかったんだ。

蒼は俺に、そういう行為がしたかったから。

俺が蒼に何度こういう行為をされても蒼から離れられないから、蒼は俺を友達にしたのかな…。

謝ってくれたのも、俺のことが好きじゃなくても、そうやって都合よく俺を利用して、結局またこういうことができるからだったのかな。

だって、そうじゃなかったら…こんなこと何度もしてくるわけがない。


「やっぱり蒼が俺のことを好きだって言ってくれたのは…嘘だったんだ」

「……」


そんな自嘲気味な俺の呟きに、ほんの微かに蒼がぴくりと反応した。
少しの沈黙の後、声が聞こえる。


「嘘だった」

「……っ、」


その言葉に、びくりと身体が震えた。
止まっていた手がまたゆっくりとヌヂュ、ヌヂュ、と動かされ始めて、声が漏れる。


「ぐ…っ、や、ぁぅ…っ、は、ぐ、…っ、ゔぁ、ぁあ…っ、!!」


止める暇もなかった。

陰嚢を手でもまれると同時に指の腹で尿道の入り口を撫でまわされ、腰をガクガクさせると徐々にスピードが速くなる。
めちゃくちゃになるくらい、手つきでごりごりした竿や亀頭の皮を上下に擦られて、一気に射精感が込みあがってくる。

きゅーっと下腹部が痺れ、今まで以上の意識が飛ぶような凄まじい快感。

(やばい…っ、……い、く…ッ)


そう感じた瞬間、視界が真っ白になった。
白濁液が床とズボンに零れる。


「…っ、はぁ…っ、…は…ぅ、」


…と、目の前から身体が退く。
崩れ落ちるようにして床に倒れ込もうとすると、お腹に回された腕に抱き上げるように持ち上げられ、性器から離された手が下着とズボンを一緒に掴むのが見えた。

喉の奥から悲鳴があがる。


「や、…っ」

「最初から、好きじゃなかった」


ぽつりと零される言葉。


「――ッ」


蒼の何の感情も浮かんでいない瞳が、瞬きもせずに冷たい瞳で俺を見据える。

そんな抑揚のない声とともに、掴んだそれを一気に膝下までおろされた。

でも俺は今蒼の口から放たれて、耳にしたその言葉に、胸が潰れるような感情で心がいっぱいになって…すぐに反応することができない。


「ずっと思ってた」


耳のすぐ後ろで、蒼の声が囁く。
「ぁ、う…っ、」耳に何か柔らかいモノが触れる。
吐息が肌に触れて、それが首筋に降りていく。
そのくすぐったいような感触に、身体が震えた。


「まーくんの泣いた顔が見たいって」

「…っ」


彼の首元からスルリと解かれたネクタイで、手首を1つに纏められた。


「性欲に溺れて我慢できない顔が見たいって」


もう、何も抵抗できない。
縛られたからではなく…別の理由で身体が、動かせない。


「犯されて、それでも俺を恨み切れない顔が見たいって」


後ろから抱きしめるように回された手に、ワイシャツのボタンが上から外されていく。


「――ずっと、思ってた」


前のボタンが全部外されても、それでも暴れるような気力ももう残されていない。

しおりを挟む
感想 22

あなたにおすすめの小説

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

隠れSubは大好きなDomに跪きたい

みー
BL
⚠️Dom/Subユニバース 一部オリジナル表現があります。 ハイランクDom×ハイランクSub

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

処理中です...